FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:良好な経済指標を受け買い戻し強まる

NYダウは322.55ドル高の33291.78ドル、ナスダックは207.74ポイント高の12639.27ポイントで取引を終了した。ジャクソンホール会議を控えた警戒感に伴う売りに寄り付き後は下落した。しかし、週次の失業保険申請件数が予想外に減少し労働市場の強さが証明されたほか、4-6月期国内総生産(GDP)改定値も予想外に上方修正される強い経済指標を受けて、景気減速懸念が緩和し上昇に転じた。長期金利の低下でハイテク株も強く、相場の上昇を後押しし引けにかけて一段高となり終了した。明日26日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前にショートカバーが強まった面もあった。VIX指数は22.82から21.78へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が低下に転じるとドル/円の重しに

ドル/円は、4-6月期米国内総生産(GDP)改定値や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い結果となったことが分かると円売り・ドル買いが先行し、一時136.95円付近まで値を上げた。ただ、137円台に乗せることは出来なかった。一時は3.1264%前後と約2カ月ぶりの高水準を付けた米10年債利回りが低下に転じたことが相場の重しとなり、136.40円付近まで下押しした。米10年債利回りは米7年債入札が比較的好調な結果となったこともあり、一時3.0184%前後まで低下する場面があった。
 なお、ジョージ米カンザスティ連銀総裁はワイオミング州ジャクソンホールで『インフレと労働市場に関する主要指標の発表がまだ残っているため、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅を予測することは時期尚早』などと述べたほか、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は『金利を上げてからすぐに下げるというスタンスではない』『(金利)3.4%を超えたらしばらく様子を見ることが望ましい』と発言した。また、ブラード米セントルイス連銀総裁は『高インフレは多くが予想している以上に持続する可能性』『年末までに政策金利を3.75-4.00%に引き上げたい』との考えを示した。

 

ユーロ/ドルは、アジア時間に一時1.0033ドルまで上昇した影響が残ったものの、欧米市場に限れば上値の重い展開だった。欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTF天然ガス先物が1メガワット時あたり317ユーロ付近まで高騰すると、エネルギー危機によるユーロ圏景気の後退懸念からユーロ売り・ドル買いが進行した。7月21日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨で『数人のメンバーが0.25%の小幅な利上げを主張した』ことが明らかになったこともユーロの重しとなり、一時0.9949ドルと日通し安値を更新した。 

 

NY原油先物市場は反落:イラン産原油の供給再開の思惑から売り優勢

NY原油先物市場は92.29ドル-95.76ドルのレンジ相場となった。イラン核合意再建に向けた交渉が進むとの見方から、イラン産原油の供給が再開するとの思惑につながり、原油相場を圧迫した。欧州連合(EU)が示す『最終案』へのイランの回答に対し、米政府が見解を回答したとのニュースが伝わった。米ホワイトハウス報道官は『米国の利益になれば協定に同意する』と述べた。アジア市場で95.76ドルまで値を上げたが、その後は上げ渋った。ニューヨーク市場の序盤かけて利食い売りが強まり、94ドルを下回る展開となった。米長期金利は低下し、米国株式はしっかりとなったが、通常取引終了後の時間外取引で一時92.29ドルまで反落した。その後は93ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続伸:米金利低下を好感した買い優勢に

NY金先物市場は1763.00-1778.80ドルのレンジ相場となった。前半は対ユーロなどのドル軟調がドル建て価格の割安感につながり、金の下値を支えた。その後、米7年債入札が比較的好調な結果となったことから、需給環境の改善を考慮した債券買い(金利低下)が進み、金利がつかない資産の相対的な価値上昇を意識して金を買う動きも入った。アジア市場で1763.00ドルまで下げたが、ロンドン市場で1778.80ドルまで反発した。ニューヨーク市場の中盤にかけて1764.60ドルまで反落したが、その後は底堅い動きとなり、通常取引終了後の時間外取引では1770ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:持ち高調整目的の買いが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)3.38%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い3.02%で終了した。利回りは一時3.1264%前後と約2カ月ぶりの高水準を付ける場面もあったが、そのあとは明日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に持ち高調整目的の買い戻しが優勢となった。7年債入札が好調だったことも買い戻しを誘った。

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