★米国株式市場はまちまち:景気後退懸念の緩和を好感した買い
NYダウは76.65ドル高の32803.47ドル、ナスダックは63.03ポイント安の12657.55ポイントで取引を終了した。7月雇用統計の強い結果を受けて連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げ観測が再燃し、金利高を警戒した売りに寄り付き後は大幅下落した。同時に、景気後退懸念も緩和したため、徐々に買い戻しが強まり、下げ幅を縮小した。NYダウは上昇に転じるも、金利の上昇を受けたハイテク株は売られ、ナスダック総合指数は下落で終了した。来週の米7月消費者物価指数を見極めたい向きも多く、ポジションの買い戻しも観測された模様。VIX指数は21.15から21.44へ上昇した。
★NYが国為替市場:良好な米雇用統計受けドル買いが活発化
ドル/円は、米労働省が発表した7月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比52.8万人増と予想の25.0万人増を上回り、失業率が3.5%と予想の3.6%より強い内容だったことが分かった。平均時給も前月比0.5%上昇/前年比5.2%上昇と予想の前月比0.3%上昇/前年比4.9%上昇を上回った。市場では米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを維持するとの見方が強まり、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化し、一時135.50円まで大幅に値を上げた。なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する『フェドウオッチ』によると、9月20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の3倍にあたる0.75%の利上げ確率が約70%まで上昇し、0.50%の利上げを予想する確率が約30%まで低下した。
ユーロ/ドルは、良好な米雇用指標をきっかけに米金利上昇とドル買いが強まると、前日の安値1.0155ドルを下抜けて一時1.0142ドルまで値を下げた。9月FOMCではこれまで0.50%利上げ予想が優勢だったが、米雇用統計後は0.75%利上げ確率が0.50%利上げの確率を上回った。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。ユーロ/円やユーロ/ポンドなどユーロクロスの上昇につれたユーロ買い・ドル売りが入り、1.0193ドル付近まで下げ幅を縮めた。
★NY原油先物市場は3日ぶりに反発:米雇用統計改善で需要増加の思惑も
NY原油先物市場は87.01ドル-90.76ドルのレンジ相場となった。好調な米雇用統計を受けてリセッション(景気後退)への懸念が幾分後退し、原油に買い戻しが入った。ただ、為替相場でドル高が進み、ドル建ての原油の割高感から売りも入り、上値は限られた。米雇用統計発表後に87.01ドルまで下落したが、雇用改善による需要増の思惑が強まり、一時90.76ドルまで戻した。ただ、米長期金利上昇やドル高を意識した売りも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に88ドル台で推移した。
★NY金先物市場は反落:ドル高と米金利上昇を嫌気した売り
NY金先物市場は1780.20-1811.60ドルのレンジ相場となった。強い米雇用統計を受けて為替市場でドル高が進み、ドル建ての金は割高感から売りに押された。また、米金利が急上昇したことも金利を生まない金の売りに拍車をかけた。アジア市場で1811.60ドルまで買われたが、米雇用統計発表後に利食い売りが活発となり、一時1780.20ドルまで反落した。その後、一時1795.40ドルまで戻したが、米長期金利の上昇やドル高を意識して金先物は伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では主に1790ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は下落:米景気後退懸念が和らぎ売り優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.15%高い(価格は下落)3.21% で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.014%高い2.83%で終了した。7月米雇用統計が予想を大幅に上回り、労働市場の改善が示されると、米景気後退懸念がやや和らぎ、相対的に安全資産とされる米国債には売りが集まった。
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