★日経平均株価:上値の重さが意識される展開
米国株の上昇や経済指標から米経済の景気後退には陥っていないという見方が生じ、グロース株を中心に物色された。ただ、本日も2万8,000円を瞬間的に付けた後は伸び悩むなど、引き続き上値の重さが意識されている。結局、前営業日比190円高の2万7932円続伸して終了した。7月第4週(25~29日)の投資部門株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は3083億円の売り越しとなり、売り越しは2週ぶりになった。個人投資家は140億円の買い越しとなり、買い越しは4週ぶりになった。信託銀行は116億円の買い越しとなり、買い越しは7週連続となった。
★東京外国為替市場:持ち高調整のドル買い・円売りが入りじり高推移
ドル/円は、米長期金利低下を眺めたドル売りが先行し133.43円付近まで下落した。仲値にかけて本邦輸出勢のドル売り・円買いが通常より多く観測されたことも、ドル/円の押し下げ要因となった。ただ、前日に発表された7月米ISM非製造業景況感指数が予想を大きく上回り、米景気後退に対する過度な懸念が和らいでいることから、下値を追う動きは限られた。その後、このところFRB当局者によるタカ派的な発言が相次ぎ、日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りが入り、133.80円台へ値を切り返した。低下していた米長期金利が時間外取引で持ち直したことも、ドルの買い戻しにつながった。午後のドル/円は、明日発表される7月米雇用統計を控えた持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、134.10円付近へじり高となった。ユーロ/ドルは、1.01ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となった。
★モスクワ取引所で中国人民元建て債券取引開始
モスクワ取引所は、中国人民建て債券の取引を開始すると発表した。アジアの投資家誘致が狙い。まずはロシアのアルミ大手ルサールが発行する社債を提供する。モスクワ取引所で最初に取引される人民元建て債券は、2027年を満期とするルサールの2社債で、それぞれ20億元(2億9622万ドル)規模となる。
★トルコのインフレ悪化の流れは継続
トルコの7月消費者物価指数(CPI)は前月比2.37%、前年比では79.60%の伸び率となり、どちらも市場予想を下回る結果となった。ただ、前年比は前回値から上振れており、インフレ悪化の流れは続いている。昨日発表された7月トルコCPI(前年比)は80%に届かなかったが、食料品が95%弱、交通費が約119%の伸び率加速となった。さらに、専門家で組織する民間調査によれば、同月の物価上昇率は175%超えと実態の悪さは統計局の倍という見方もある。このところの原油価格の伸び悩みは、エネルギーを輸入に頼るトルコにとってはインフレ抑制への僅かな光明である。しかしながら、インフレ対策に絶対必要とされる金融引き締めに見向きもしないトルコ中銀がそのスタンスを変えない限り、物価上昇率が鈍化に転じることは難しい。実質金利が大幅マイナスという国の通貨の買いづらさはまだ続きそうである。
★南アでは電力不足がランドの重し
ここ最近は南アの国内情勢でランドが動いていないが、本日から再び国営電力会社・エスコムが電力の負荷制限をステージ4という大きめの制限まで引き上げる。引き続き南アの電力不足はランドの重しにはなりそうである。
★メキシコではインフレ抑制のための補助金を支出
ラミレスデラオ財務公債相は一昨日、インフレ抑制のために年間で280億ドルを支出する予定であることを明らかにした。主な用途はガソリン・電力への補助金となっており、ラミレスデラオ財務公債相によると、補助金がなければメキシコのインフレ率は現在の約8%より2.6ポイント高くなる公算だとしている。
★米ISM非製造業景況指数が予想外に改善:追加利上げ観測強まる
米供給管理協会(ISM)が発表した7月ISM非製造業景況指数は56.7と、悪化予想に反し、6月55.3から改善し、4月来で最高となった。米商務省が同時刻に発表した6月製造業受注は前月比+2.0%となった。伸びは5月+1.8%から縮小予想に反し、拡大し1月来で最大となった。6月耐久財受注改定値は前月比+2.0%と、予想外に速報値+1.9%から上方修正され1月来で最大となった。変動の激しい輸送用機器除く6月耐久財受注改定値は前月比+0.4%と、やはり、伸びは速報値+0.3%から予想外に上方修正された。国内総生産(GDP)の算出に用いられる6月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値が前月比+0.7%と速報値から変わらずだった。事前に発表された米7月サービス業PMI改定値も47.3と、予想外に速報値47.0から上方修正された。しかし、依然活動の縮小を示す50割れ。7月総合PMI改定値は47.7と、速報値47.5から上方修正された。
★9月の米利上げ幅は50bpと75bpの確率半々:短期市場が織り込む
3日の米短期金融市場は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定する利上げ幅を、50bpと75bpのいずれか確率半々として織り込んでいる。9月のFOMC会合日程を考慮したオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)の利上げプレミアムは、2.958%にまで上昇し、実効フェデラルファンド(FF)金利の現行水準を約62.8bp上回った。50bpの利上げは確実、75bpの利上げとなる確率は50%を超えるとの市場の見方が示唆された。経済成長へのリスクを認識しながらもなおインフレとの闘いに注力する決意が米金融当局から相次いで表明され、トレーダーの間ではここ数日、次回FOMCでの利上げ幅に対する期待が高まっている。
★米国市場では6月貿易収支が公表:予想は-820億ドルの赤字
5月実績は、輸出額の増加などで-855億ドルとなり、赤字幅は縮小した。高インフレが製品需要を世界的に抑制していることから、貿易赤字の大幅な縮小は期待できない。ただし、西海岸に到着する貨物受注は引き続き増加していることから、6月の赤字幅は5月実績との比較で縮小する可能性がある。
★欧米市場イベント
○15:00 6月独製造業新規受注(予想:前月比▲0.8%/前年同月比▲9.2%)
○17:30 7月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.0)
○20:00 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:1.75%に引き上げ)
○20:00 英中銀MPC議事要旨
○20:30 ベイリー英中銀(BOE)総裁、会見
○20:30 7月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30 6月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.5%)
○21:30 6月カナダ貿易収支(予想:48.0億カナダドルの黒字)
○21:30 6月米貿易収支(予想:801億ドルの赤字)
○21:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:25.9万件/137.0万人)
○5日01:00 メスター米クリーブランド連銀総裁、討議に参加
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