FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:円高や地政学リスクの高まりから売り優勢

注目された米供給管理協会(ISM)が1日に発表した7月の製造業景気指数は2020年6月以来の低水準となった。外為市場では、FRBが予想されていたほど積極的な利上げを行わないとの見方が広がったことを受け、ドル/円が130円台半ばまで円高に振れた。これを受けて、日本株は輸出関連株の株価が圧迫される格好となり、日経平均は下値模索する動きに転じた。ペロシ米下院議長が台湾を訪問するとの報道を受け、米中関係や台湾情勢を巡る緊張の高まりが警戒された。運用リスク回避する目的で幅広い銘柄に売りが出た。結局、前営業日比398円安の2万7594円で終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の動きが強まりドルの上値を抑える

ドル/円は、米長期金利低下や日経平均株価の下げ幅を拡大を眺めてドル売り・円買いが進み、131円台半ばから130.60円近辺へ急落した。台湾を巡り米中関係の悪化が警戒されていることもリスク回避の円買いを誘った。その後、仲値に向けて国内輸入企業などがドル買い・円売りに動き、130.85円付近へ値を切り返した。仲値発表後は、日米株安や上海総合株価指数の下落でドル売り・円買いが再燃、一時130.41円付近まで値を下げて6月上旬以来の安値を更新した。午後のドル/円は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、131.00円付近へ値を切り返す場面があった。しかし、米国の景気後退が警戒されているため、ドルの反発は限られた。その後、内外株安を手掛かりとしたドル売り・円買いが入り、やや値を下げて130.60円前後でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、この後に参入してくる欧州勢の動向を見極めたいとの雰囲気から1.02ドル台後半で小動きに終始した。

 

サウジ・OPECプラスに増産働きかけ:FOX記者

サウジアラビアは、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』が3日に開く会合で増産を働きかける見通し。米FOXビジネスの記者がツイッターで伝えた。サウジのサルマン国王が7月16日の会談でバイデン米大統領に増産について確約したという。

 

トルコでは経済の停滞懸念と明日の7月CPI発表を控えリラ買いづらい展開

昨日欧州序盤に発表された7月トルコ製造業PMIは46.9と前回48.1を下回った。景況感判断の境目とされる50を割り込んだ水準で推移しており、トルコ経済の停滞懸念もリラの重しとなった。明日には悪化が見込まれる7月トルコ消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、本日もリラの買いづらさは続いてしまう。トルコ最大の都市であるイスタンブールでも物価上昇は顕著である。イスタンブール商工会議所は昨日、同都市の7月小売物価指数が前月比4.09%、前年同月比では99.11%まで伸び率を上昇させたことを明らかにした。一部トルコメディアは、過去3カ月、イスタンブールの同指数は全国CPIよりも10-15ポイント高かったことを指摘している。そうなると、明日の結果も80%超えは確実ということになる。 

 

ラマポーザ南ア大統領の経済政策を支持:ANC政策会議

南ア情勢では、週末に行われた与党・アフリカ民族会議(ANC)の政策会議(年末12月に開催される全国会議への提言を行う諮問会議)で、ラマポーザ南ア大統領の経済政策が支持された。今回の会議では多くの変更事案はないが、注目を集めていたエネルギー政策は当初予定通りに、国家がかかわることが確認された。また、南アフリカ準備銀行(SARB)の権限については、一部でインフレ目標を超えた責務を求める声も出ていたが、変更を行うことは憲法の文言を超えてしまうため、権限変更には至らなかった。

 

顧客は米株を5週連続買い越し:BofA

BofAセキュリティーズの2日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は25~29日の1週間に米株を41億5800万ドル買い越した。5週連続の大幅買い越しとなった。この週はアップルなどの主力ハイテク企業の好決算を受けて、S&P500指数が週間で4.25%高となって2週連続で大幅高となった時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が15億6200万ドルの買い越しで、2週連続の買い越しとなった。機関投資家は18億8800万ドルの買い越しで、2週ぶりの買い越しだった。個人投資家は3億2200万ドルの小幅買い越しで、5週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは3億8500万ドルで4週移動平均(6億7200万ドル)を下回ってかなり低調だった。傾向としては、全主体が買い越しだったものの、自社株買いの鈍化が目立った。この週は米国内総生産(GDP)が2四半期連続でマイナスとなり、テクニカルリセッション入りが示される展開だったが、ディフェンス株よりは景気敏感株を好む傾向が続いた。

 

米景気減速とインフレピーク観測も一時的現象か?:大幅利上げの必要性低下

米供給管理協会(ISM)が発表した7月ISM製造業景況指数は52.8と、6月53.0から低下しパンデミックによる経済封鎖開始直後の20年6月以降ほぼ2年ぶり最低となった。しかし、予想52.0は上回った。また、活動拡大を示す50を26カ月連続で上回った。
重要項目である新規受注は48と、6月に続き2カ月連続で活動縮小を示し、一段と悪化。2020年5月以降2年ぶり最低となった。雇用も49.9と、3カ月連続で50割れとなった。しかし、6月からは改善した。支入れ価格は60.0と、78.5から大幅下落した。20年8月来で最低となった。下落幅は過去最大となった。原油価格が6月に高値を付けたのち、低下基調にあることが価格の下落につながったと見られる。先週発表された4-6月期国内総生産(GDP)速報が1-3月期に続き2四半期連続のマイナス成長となったためテクニカルリセッション入りした。7月ISM製造業も2年ぶり低水準となったほか、インフレもピークに達した可能性が示唆されたため、連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げの必要性は低下した。

 

米国では年収2600万円でもぎりぎり生活

米CNBCは1日、米国人の61%、約1億5700万人が給与をすべて使い切るぎりぎりの生活を強いられていると報じた。レンディング・クラブのレポートによると、20万ドル(約2600万円)を超す年収を得ている米国人の36%も含まれているとしている。高いインフレ率を背景に生活コストが大幅に上がったと伝えた。

 

欧米市場のイベント

○15:00   7月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○16:00   7月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲32.0)
○16:30   7月スイス製造業PMI(予想:56.2)
○23:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○3日02:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、イベントに参加

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