FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:世界経済への悲観的見方が後退し買い優勢に

NYダウは346.87ドル高の31384.55ドル、ナスダックは295.50ポイント高の11621.35ポイントで取引を終了した。ジョンソン英首相の辞任表明を受けて、英政治安定への期待から英株中心に欧州株相場が上昇したほか、中国が景気対策を検討しているとの報道を受けて、世界経済への悲観的見方が後退し、寄り付き後は上昇した。韓国の半導体メーカー、サムスン電子の好調な決算を受けてハイテク機器への需要鈍化懸念が後退したことも相場を支援した。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事やセントルイス連銀のブラード総裁が7月連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げを支持すると同時に、経済の強さを強調し、ソフトランディングを基本的シナリオと主張したため引けにかけて、主要株式指数は一段と上昇し終了した。VIX指数は26.73から26.08へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇に伴い総じてドル買い優勢

ユーロ/ドルは、ロシア産天然ガス供給への不透明感が高まる中、天然ガス価格が上昇すると、エネルギー高が欧州の景気を一段と冷え込ませるとの警戒感が高まった。インフレ高進と欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めによるユーロ圏景気の減速懸念から、本日もユーロ売りが出やすい地合いとなった。米10年債利回りが約1週ぶりに3%台に上昇したことも相場の重しとなり、一時1.0144ドルと2002年12月以来およそ19年半ぶりの安値を更新した。 

 

 ユーロ/ポンドはユーロ安とポンド高が進んだ影響で、一時0.8445ポンドと5月23日以来の安値を更新した。ジョンソン英首相が辞任の意向を示したと伝わり、政治的な不確実性の後退を好感したポンド買いが優勢となった。英国では今週に入り、財務相や保健相がジョンソン氏の方針や政治手法を批判して辞任。これをきっかけに2日間で保守党議員およそ50人が政務官など政府のポストから辞任する異例の事態となっていた。市場ではジョンソン氏辞任で中期的に政治が安定するとの期待が広がった。

 

ドル/円は、一時135.57円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値135.55円が目先サポートとして意識されると買い戻しが進んだ。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出て、136.11円付近まで上げた。市場では『前日NY時間高値からの下押しレベルが135.53円。135円台半ばが意識されている』との声が聞かれた。もっとも、ユーロやポンド絡みの取引が中心となったため、ドル円自体は大きな方向感が出なかった。なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は『インフレは高すぎる。下がっているようには見えない』『インフレを抑える必要がある』と述べたうえで、『7月の会合で0.75%、9月にはおそらく0.50%の利上げを実施するだろう』との考えを示した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:供給不安から買い優勢に

NY原油先物市場は96.57ドル-104.48ドルのレンジ相場となった。ロシアとカザフスタンを結ぶパイプラインが30日間の操業停止となったこともあり、3日ぶりに原油先物価格は反発した。もっとも、本日発表された米エネルギー省(EIA)在庫統計で、原油が大幅に積み増しになったことが判明すると、上値が重くなる場面もあった。アジア市場で96.57ドルまで反落したが、供給不足の不安は解消されていないことや自律反発狙いの買いが入ったことによって、ニューヨーク市場で一時104.48ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に102ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は8日ぶりに反発:自律反発狙いの買い

NY金先物市場は1734.70-1748.20ドルのレンジ相場となった。連日下落していたことで買い戻しが優勢となり、8日ぶりに反発した。もっとも、引けにかけて米金利の上昇の勢いが増し、ユーロドルが2002年12月以来のドル高水準となったことで、ドルで取引される金先物は割高感から上げ幅を大幅に縮小して引けた。ニューヨーク市場の中盤にかけて自律反発を期待した買いが入ったことで1748.20ドルまで戻したが、米長期金利の上昇や株高を受けて上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では、おおむね1740ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は続落:米国株高による売りと持ち高調整目的売り

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)3.01%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い2.99%で終了した。米国株相場の上昇を背景に、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。足もとで相場上昇が続いていただけに持ち高調整目的の売りも出やすかった。

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