FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク選好の様相となり午後から上げ幅拡大

米国株高を受けて寄り付きは上昇してスタートした。ただ、開始直後に下げに転じるなど、序盤は上値が重かった。しかし、米国の長期金利低下を受けて、まず新興グロース株の銘柄に強い買いが入った。そこから、レーザーテックや東京エレクトロンなど、足元弱かった大型半導体株も上昇する動きを見せたことで、次第にリスク選好の様相が高まった。上げ幅を3桁に広げてくると、以降はじり高基調が継続した。結局、前営業日比320円高の2万6491円続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:午後になると海外勢からのドル売り・円買い

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、135.23円付近まで上昇した。日経平均株価の上げ幅拡大で、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。ただ、前日に発表された米経済指標が低調な数字だったこともあり、上値を追う動きは限られた。その後は、週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、134円台後半へ押し戻された。午後に入ると、海外勢などから米国の景気後退を警戒したドル売り・円買いが持ち込まれ一時134.55円付近まで軟化した。ただ、今晩の米株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、値を切り返して134.70円前後で取引された。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に下落した反動から、利益確定などのユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.0540ドル台へ値を上げた。

 

半導体不足は少なくとも24年まで続くとの予測:米インテル

半導体の供給不足がさらに長期化する見通しであることが23日、分かった。世界有数の大手メーカーである米インテルのゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は『少なくとも2024年まで続く』と予測する。デジタル化の進展を背景とした需要の急拡大に、供給力が追い付いていないためである。自動車や電機といった業界の生産活動に支障が生じており、日本の経済回復の足かせとなる恐れがある。経済産業省は今年4月、21年度の世界の半導体需要は新型コロナウイルス感染症が流行する前の19年と比べて20%増えるが、供給能力は8%の増加にとどまるとの見込みを発表した。

 

トルコ6会合連続政策金利を据え置き:外貨準備高枯渇への警戒感

トルコ中銀金融政策委員会(MPC)は23日、市場予想通り政策金利を14.00%で据え置いた。据え置きは6会合連続となった。声明ではトルコ経済の力強い成長を指摘し、『持続的な物価と金融の安定に向けた施策の強化に加え、ベース効果と地域紛争の解決を背景に、ディスインフレのプロセスが開始されると予想』とこれまでと同じような主張を繰り返した。トルコ中銀の外貨準備高枯渇への警戒感が高まっていることも、リラを非常に買いづらくさせている。昨日発表された17日時点でのネット外貨準備高は73.8億ドルと前週比7.7億ドル減少し、過去20年では最低水準まで落ち込んだ。トルコ中銀は4月、輸出企業に義務付けている中銀への外貨収入売却率を25%から40%に引き上げた。リラ安により輸出は好調とされているにもかかわらず、引き上げ効果はまったく見られない。

 

南アはロシアのウクライナ侵攻に対して中立を維持

昨日BRICS会合にオンラインで出席したラマポーザ南ア大統領は、『外交政策の原則に沿って、南アフリカは世界中の紛争の平和的解決に向けた対話と交渉を求め続ける』と発言した。南アは多くの国からロシアのウクライナ侵攻に対して中立な立場に立っていることで非難を浴びているが、BRICSのメンバーでもあることで、これまで通りの中立的な立場を崩すことはなかった。

 

個人投資家が約2年ぶりの速いペースで米国株式を手放す

株式への強気な見方を最後まで続けていた個人投資家がついに弱気相場に屈し、約2年ぶりの速いペースで株式を手放している。リテール投資家は新型コロナウイルス禍に伴う株価急落以降、ほぼ常に押し目買いを入れていたが、過去1週間に株式を売却。売りの規模は2020年9月以来の大きさに達した。証券取引所の公表データに基づくJPモルガン・チェースの見積もりで明らかになった。今年に入って売りが15兆ドル(約2020兆円)に膨らむ中でも株式を手放さなかった個人投資家にとって、顕著な変化といえる。選好する銘柄や暗号資産 (仮想通貨)で損失が拡大する中、センチメントがついに悪化しつつあると、JPモルガンのストラテジスト、ペン・チェン氏は指摘する。『需要が弱まりつつある傾向にある』とチェン氏はインタビューで発言した。『リテール投資家が降参したと言えるだろう』と述べた。

 

米6月製造業PMIはパンデミック直後20年7月来最低に落ち込む

米6月製造業PMI速報値は52.4と、5月57.0から大幅に低下し、新型コロナパンデミックにより経済封鎖入りした直後の20年7月来で最低となった。同月サービス業PMI速報値は51.6と予想外に3カ月連続の低下。1月来で最低となった。同月総合PMI速報値は51.2と、3カ月連続で低下し、1月来で最低となった。 低調な結果を受けて米国債相場は続伸して、10年債利回りは3.04%まで低下した。

 

★FRBのストレステスト:33銀行グループの全てで健全性を維持

米FRBが23日、米国で規模の大きい33の銀行グループを対象としたストレステスト(健全性審査)の結果を公表し、巨額の融資の焦げ付きや株価急落を伴う世界的な不況に陥る場合でも、全ての銀行が最低限必要な自己資本の水準を維持できるとの試算を示した。。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.7%/前年比▲4.5%)
○15:00   5月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲1.0%/前年比▲5.1%)
○17:00   6月独Ifo企業景況感指数(予想:92.9)
○18:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○19:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20:30   ロウ豪準備銀行(RBA)総裁、パネルディスカッションに参加
○20:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○20:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:30   ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:45   ハスケル英MPC委員、講演
○23:00   6月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:50.2)
○23:00   5月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲0.2%/59.0万件)
○25日02:15   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、インタビュー
○ニュージーランド(マタリキ)、スウェーデン(夏至祭)、休場
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)
○26日 主要7カ国首脳会議(G7サミット、独エルマウ、28日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ