FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:上値は重いも引けにかけて上げ幅拡大

米株先物高や国内での経済再開への期待感が相場を支援した。ただ、中盤以降は戻り相場への警戒感もあり伸び悩んだ。心理的節目の2万7000円を回復するも、達成感から利益確定売りが先行し、前場引けにかけて上げ幅を縮小した。アジア株のさえない値動きや外為市場での円高基調が指数の重しとなったほか、週明けで様子見ムードも強かった。今週は日米首脳会談が予定されているほか、25日にFOMC議事要旨(5月3-4日開催分)が公表される。市場では、重要イベントを控えているため、日経2万7000円からさらに買い上がる雰囲気にはなりにくく、むしろ利食い売りに押されやすいとの、声が聞かれた。ただ、大引けにかけて再び上げ幅を広げた。結局、前営業日比262円高の2万7001円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇と日経平均株価の上げ幅拡大で円売り優勢

ドル/円は、最近発表された米経済指標が低調で、米景気の減速を警戒したドル売りが持ち込まれ、127.16円付近まで下落した。仲値にかけて本邦輸出勢のドル売り・円買いが通常より多く観測されたことも、ドル/円の押し下げ要因となった。ただ、19日の海外市場でつけた安値127.03円が視野入りすると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、127.35円付近へ値を切り返した。午後は、米長期金利上昇や日経平均株価の上げ幅拡大を眺めたドル買い・円売りが入り、127.80円台へじり高となった。訪日中のバイデン大統領が『対中関税の引き下げを検討している』と発言したことも、リスク選好の円売りを誘った。ユーロ/ドルは、ユーロ/円の上昇に連れ高となり、1.05ドル台後半から1.0613ドル付近までユーロ買い・ドル売りが進行する場面があった。

 

ドル/円はスピード調整の時間帯:大和証券

大和証券では為替リポートの中で、ドル円のオプション取引から計算される予想変動率がこのところ伸び悩んでいる点に注目している。直近で最も高かったのは4月28日で、日銀が予想外に10年国債の「指し値オペ」を毎営業日実施すると発表した日であった。同日は1ドル=131円台まで円安ドル高が進んだが、その日以来、日銀が主役になることはなく、存在感は薄れている印象。現状では日米金融政策の方向性の違いという大きな構図に変化はないものの、為替市場の旬のテーマとは言い難い。これらの点から大和では、ドル円はスピード調整の時間帯にあり、リスクは円高方向にやや傾斜しているとみている。仮に4月27日の安値126円95銭を割り込んだ場合には、3月28日の高値125円09銭が次の下値メドになるとコメントしている。

 

ユーロ買い比率は対ドルで1ヵ月半ぶり低水準

QUICKが23日に算出した20日時点の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、ユーロに対するドル買い比率は52.8%と前の週末から9.3ポイント下落し、4月上旬以来およそ1ヵ月半ぶりの低水準となった。欧州中央銀行(ECB)が19日、4月に開いた理事会の議事要旨を公表した。内容を受けてECBが7月にも利上げに踏み切るとの見方が広がり、ユーロ買いが入った。米景気悪化への警戒感もあって相場がユーロ高・ドル安に傾いた場合で、個人投資家は相場の流れに逆らう『逆張り』のユーロ売り・ドル買いがに動いたとみられる。『ドル/円』取引でのドル買いの比率は前の週末から2.6ポイント高い71.6%だった。『ユーロ/円』取引のユーロ買い比率は横ばいの33.3%だった。

 

26日のトルコ中銀金融政策委員会の結果発表が最大の注目点

トルコ金融当局は国営銀行を通してドル売り介入を断続的に行っているが、その効果はほとんど見られない。一部メディアによれば、その介入額も徐々に減っているようである。中銀の外貨準備高枯渇も危惧されるなか、(あくまで心理的な)節目の16リラを突破するようであれば、対ドルでのリラ下落に拍車が掛かってしまう可能性がある。トルコのインフレ率が70%に迫るなか、同国中銀の金融政策委員会(MPC)
がどのような見方を示すか注目される。政策金利については、エルドアン大統領に逆らえるはずもなく、14%で据え置かれるだろう。ただし声明で、高インフレを単に外部要因のせいにせず、抑制に向けて行動する意志を表すようであれば、市場の不安を和らげることに繋がるかもしれない。逆に年末に向けて楽観的な見通しを述べるようだと、リラ失望売りを呼ぶ可能性もある。

 

南アでは今後の利上げがさらに急になるとのデータ

先週19日に南アフリカ準備銀行(SARB)は、0.50%の利上げを実施し、政策金利を4.75%まで引き上げた。南アのインフレ高進もあり、SARBの四半期予測モデル(QPM)では、以前の予想よりも今後の利上げがさらに急になるとのデータも出ていることが、今回判明した。2カ月に1度行われる金融政策委員会(MPC)では、ほぼ毎回利上げが期待されることになる。市場では今後も0.50%の利上げペースを維持するとの声が多いが、MPCのメンバーは『電力不足による地域の成長力の弱さ、中国の経済減速、商品価格上昇の打ち止めなどの要因で、今後は25bpの緩やかな利上げで調整することになる』と発言している。 しかしながら、南ア国内の燃料価格が昨年から30%超上昇していることや、国営電力会社エスコムが4月から電力料金を10%近く引き上げたことなど、今後もインフレネタには事欠かないことで0.25%ではインフレに歯止めが立たないとする声が多い。

 

米国はメキシコからの石油輸入増加:外部要因がペソの追い風

ロシアとウクライナの戦争により、米国は対ロシア制裁として先月22日からロシア産石油の輸入を禁止した。その影響から、中南米からの輸入量が4月は7カ月ぶりの高水準を記録していたことが分かった。その中でもメキシコからの輸入が圧倒的に増え、エネルギー専門家の話ではロシアから米石油輸入のシェアを奪えたと指摘する声も増え始めている。メキシコでは、経営再建が続く国営石油公社のぺメックスが生産量を拡大するために新たな製油所を政府の完全支援により建設を進めているが、こういった外部要因が追い風として働いている。

 

月末までのリバランスで株式に買い需要:JPモルガン

JPモルガンは19日付リポートで、バランス型投信による5月末までのリバランスで、株式の買い需要を340~560億ドルと見込んだ。第2四半期に入り株式市場が大きく下落したことから、顧客との間で月末・四半期末のリバランスフローについての質問が増え始めていることも紹介している。直近の株価下落が5月に入って加速したことから、今月末に向けて月次のリバランスと四半期末に迎えたリバランスも一部発生すると予想している。JPモルガンは6月末までの潜在的な株式購入フローとして、ノルウェー中央銀行や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)といった公的年金で400億ドル、米確定給付年金で最大1670億ドルとそれぞれ推計した。

 

欧米市場イベント

○17:00   5月独Ifo企業景況感指数(予想:91.4)
○17:30   4月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.0%)
○23:15   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○23:30   ビルロワドガロー仏中銀総裁、ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事、講演
○24日01:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議、22-26日)
○日米首脳会談
○ユーロ圏財務相会合
○カナダ(ビクトリア・デー)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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