★日経平均株価:米株先物の下げ幅拡大で売り優勢に
米国市場の流れを受け、日本株も朝方から売り優勢の展開となった。好決算を発表した銘柄は引き続き物色されるものの、グロース株を中心に下値を模索する銘柄くが多かった。ただ、売り一巡後は買い戻しが活発になり、前場中盤から全般的に下げ渋った。市場では、2万6000円を割り込む水準では買い戻しが活発化した。ただ、上値を追うには手掛かり材料が乏しく、戻り一巡した後は一進一退となった。その後は、米株先物の下落幅が拡大すると、上値が重くなり下げ幅を拡大した。結局、前営業日比464円安の2万5748円と反落して終了した。5月第1週(2日~6日)の海外投資家(外国人)は514億円買い越しとなり買い越しは6週連続となった。個人投資家は1295億円売り越しとなり、売り越しは6週連続となった。信託銀行は885憶円の買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。
★東京外国為替市場:内外株安でリスク回避の円買いがやや優勢
ドル/円は、日経平均株価の大幅安や米長期金利低下を背景にドル売り・円買いが進み、129.51円付近まで下落した。ただ、前日のNY市場でつけた安値129.46円に接近すると下げは一服した。その後は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドルの押し目買いが入り、129.80円台へ値を切り返した。仲値に向けて国内輸入企業のドル買い・円売りも通常より多く観測された。午後は、内外株安でリスク回避のドル売り・円買いが再燃し129.60円付近へ下落した。ユーロ/ドルは、米FRBが積極的に金融引き締めへ向かうとの観測から、ユーロ売り・ドル買いが優勢となり1.050ドル付近へ下落した。
★中国債市場から資本が流出:IIFが推計
中国債市場から先月も資本が流出したもようだと国際金融協会(IIF)は推計している。1-3月(第1四半期)は記録上で最大の流出だったという。IIFのエコノミスト、ジョナサン・フォーチュン氏は10日のリポートで、中国債は4月に21億ドル(約2700億円)の流出に見舞われたとのIIFの試算を発表。中国株は10億ドルの流入だったとの見方を示した。ウクライナでの戦争初期に見られた中国債売りの一部は、ロシアが準備資産を処分したとの説明がつく可能性があるが、全体像は完全には分からないとしている。最近の流出は人民元建て中国債が大半だとも指摘した。
★トルコ中銀は国営企業に外貨を売却
トルコ中銀は先月、トルコの国営企業に合計32.96億ドルの外貨を売却したことが報じられた。そのほとんどが石油・ガス輸送会社ボタシュ(BOTAS)向けとされている。エネルギー価格が国際市場で高止まりしていることにくわえ、リラ安の影響でボタシュの外貨不足は深刻なようである。国内への価格転嫁も追いつかず、今後は国庫にも影響する財政支援が必要となってしまうかもしれない。
★南アでは停電により日常生活や経済活動への打撃懸念
国営電力会社エスコムは昨日、現地時間17時から22時までステージ2の負荷制限を実施した。故障した発電装置の修理がその理由とされている。エスコムによると、南アは今年すでに32日間の停電を経験しており、これは前年同時期を上回っているということである。エスコムは約80%を石炭火力発電で賄っているとされ、石炭価格の高騰による財政負担増は避けられそうにない。資金不足で今後も故障の修復作業が遅れる可能性は十分にあり得る。停電による日常生活や経済活動への打撃は、通貨ランドへの印象を悪くさせることになる。
★メキシコ政府のインフレ抑制策が功を奏するか注目
メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)が9日発表した4月消費者物価指数は前年同月比で7.68%の上昇となり、21年ぶりの高水準となった。食料品などの価格は同10.88%の上昇となっており、メキシコでの食品価格上昇は市民生活にも深刻な影響を及ぼしている。メキシコ銀行(中央銀行)も断続的な政策金利の引き上げによってインフレ抑制に動いているが、世界的に原材料価格が高騰していることもあり、思惑通りにはいっていないというのが現状である。こうしたなか、メキシコ政府は独自のインフレ抑制策を4日に発表した。ロペスオブラドール大統領が発表したインフレ抑制策は、主に食料品価格の物価抑制に重点を置いたものである。国内の穀物生産量を増やすために肥料を無料で供与するほか、食品などの輸入関税を引き下げることを公表した。また、こうした対策と同時に主要な民間企業に対して価格を据え置くなどの協力を要請した。すでに小売大手のウォルマート、国内製パン最大手ビンボ・グループなど20を超える企業グループが協力する意向を示しているとのことである。市場ではこうした政策の効果に対する疑問の声も挙がっているが、大統領は9日の記者会見でも『インフレは低下し始めると信じている』と述べている。政府のインフレ抑制策が功を奏すか、今後のインフレ動向が注目される。
★米4月CPI予想上回るとハードランディング懸念も
米4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%、前年比では+8.3%になった。
3月+1.2%、+8.5%からそれぞれ鈍化も伸びは予想を上回った。前年比では40年ぶり最大の伸びを維持した。CPIの項目のうち3分の1を占める賃貸は、1991年以降で最大の伸びを示した。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している燃料や食品を除いたコア指数は前月比+0.6%と、伸びは3月+0.3%から予想以上に拡大した。前年比では+6.2%と、3月+6.5%から鈍化も予想を上回った。予想を上回ったものの、8カ月ぶりに鈍化した。3月でインフレがピークに達した可能性も示唆された。また、自動車販売の計算方法が修正されたことも指数の押し上げに繋がっている。同時に、市場予想は上回る伸びとなり、高インフレが制御されないとの懸念も強まりつつある。また、実質平均時給は前月比+0.3%にもかかわらず、インフレ調整後の実質賃金は前月比-0.1%。前年比では‐2.6%。インフレが家計を圧迫している証拠となった。
消費者の74 %は物価上昇を懸念しているとの調査結果もある。米10年債利回りも最近の昇も5月初旬につけた3.2%には達しなかった。むしろ、経済の成長減速や金融市場のハードランディングへの脅威が強まりつつある。
★22年の世界経済成長率は昨年の半分以下:モルガン・スタンレー
米金融大手モルガン・スタンレーは、今年の世界経済の成長率が2.9%と昨年の半分以下にとどまるとの見通しを示した。ウクライナ紛争や中国での新型コロナウイルス感染急増などによるリスクを理由に挙げた。モルガン・スタンレーの予測はコンセンサス予想を約40ベーシスポイント(bp)を下回る。同社のエコノミストは10日付のリサーチノートで『減速は世界的なものだ。財政刺激策の減退、金融政策の引き締め、新型コロナによる足かせ、供給網の目詰まり、ロシアのウクライナ侵攻の影響など複合的な要因による』と説明した。ウクライナ紛争は解決の可能性が低く、主要な中央銀行はインフレ対策で既に成長を抑制しようとしているとして、経済成長の上振れは限定的との見方を示した。成長鈍化は広範囲に及び、実質的な減速を回避できるのは日本とインドのみと予想した。
★欧米市場イベント
○15:00 3月英国内総生産(GDP、予想:前月比横ばい)
○15:00 1-3月期英GDP速報値(予想:前期比1.0%/前年比9.0%)
○15:00 3月英鉱工業生産(予想:前月比0.1%/前年比0.5%)
○15:00 3月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○15:00 3月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:185.00億ポンドの赤字/78.00億ポンドの赤字)
○15:00 4月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比6.1%)
コア指数(予想:前月比0.4%/前年比6.2%)
○15:30 4月スイス生産者輸入価格
○17:05 デコス・スペイン中銀総裁、講演
○19:30 マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○20:00 3月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.7%)
○21:00 3月インド鉱工業生産(予想:前年同月比1.7%)
○21:00 4月インドCPI(予想:前年比7.50%)
○21:30 4月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比10.7%)
食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.6%/前年比8.9%)
○21:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:19.5万件/138.0万人)
○13日02:00 米財務省、30年債入札
○13日03:00 メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.00%に引き上げ)
○米・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(ワシントン、13日まで)
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