FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:労働市場のひっ迫が再確認され利上げを警戒した売り

NYダウは98.60ドル安の32899.37ドル、ナスダックは173.03ポイント安の12144.66ポイントで取引を終了した。4月雇用統計で雇用の伸びが予想を上回り労働市場のひっ迫が再確認されたため連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを警戒し、寄り付き後は大幅下落した。金利動向に左右される形で、一時上昇に転じる局面もあったが、戻り売り圧力が強く、終日軟調に推移した。米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが集まると、一時520ドル超下落した。引けにかけては、押し目買いに支えられ、下げ幅を縮小した。VIX指数は31.20から30.19へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が約3年半ぶりの高水準でドル底堅い

ドル/円は、米労働省が発表した4月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比42.8万人増と予想の39.1万人増を上回った一方、失業率が3.6%と予想の3.5%よりも弱い結果となった。また、平均時給は前月比で予想を下回った。指標発表直後は130.16円付近まで売られたものの、すぐに買い戻しが入り130.69円付近まで持ち直した。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとの見方から、米10年債利回りが一時3.1444%前後と2018年11月以来約3年半ぶりの高水準を更新した。ドル/円相場を下支えした。もっとも、アジア時間に付けたレンジ(130.10-81円)を上下ブレイクすることは出来なかった。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを通過したうえ、来週の4月米消費者物価指数(CPI)などインフレ指標の発表を控えて、全体的に様子見気分が強かった。 

 

ユーロ/ドルは、ビルロワドガロー仏中銀総裁やナーゲル独連銀総裁など、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーから早期の利上げを支持する発言が相次いだことを受けて、一時1.0599ドルまでユーロ高・ドル安が進んだ。ただNY市場に入り、米長期金利の上昇傾向が強まると徐々にユーロ売り・ドル買いが優勢となり値を消した。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:供給不安が高まり買い優勢

NY原油先物市場は107.24ドル-111.18ドルのレンジ相場となった。引き続き欧州連合(EU)によるロシア産石油の輸入禁止に対する需給ひっ迫懸念が広がり、買いが優勢となった。アジア市場で107.24ドルまで下げたが、供給不安が再び高まり、ロンドン市場で110ドル台を回復。米雇用統計発表後に108ドル台前半まで下げたが、まもなく反転し、111.18ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では株安や長期金利の上昇を意識して上げ渋り、主に110ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は続伸:株安が意識した買いがやや優勢

NY金先物市場は1865.00-1894.00ドルのレンジ相場となった。対ユーロでドルが下落したことでドル建てで取引される金価格の割安感が意識され、一時1894ドルまで上昇した。ただ、米長期金利が大幅に上昇したため、金利を生まない金には売りが出た。アジア市場で1865.00ドルまで下げたが、ユーロ安が一服したことを受けてロンドン市場で1880ドル台を回復した。米雇用統計発表後に1880ドルを下回ったが、株安を意識した買いが入っており、一時1894.00ドルまで買われた。ただ、通常取引終了後の時間外取引では米長期金利の上昇を嫌気した売りが観測されており、上げ渋った。 

 

米国債券市場は続落:積極的な米FRBの金融引き締め観測から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)2.70%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%高い3.13%で終了した。4月米雇用統計で労働市場の逼迫が続いていることが示されると、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとの観測が改めて強まり債券売りを誘った。利回りは一時3.1444%前後と2018年11月以来約3年半ぶりの高水準を付けた。

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