FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:好決算銘柄が買われ下支え

朝方、好決算銘柄などが中心に買われプラスで推移したものの、前場中盤からはマイナス圏に落ち込む展開となった。米金利上昇に対する警戒感が残っているほか、3連休まであるうえ、FOMCを控えていることから、見送りムードが強まった。もっとも発表が本格化した決算を手掛かりに個別物色が強まるなか、堅調な業績見通しを示した銘柄には買いが入った。

 

東京外国為替市場:円売り強まるも130.40円を挟んでもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたリスク回避の円買いが先行し、129.60円付近へ下落した。しかし、日米金融政策スタンスの違いが鮮明になっていることもあり、下値を追う動きは限られた。その後は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、130.20円付近へ上昇した。米長期金利が小幅に上昇したこともドルの押し上げにつながった。午後に入っても堅調地合いは続き、日経平均株価が持ち直すと、さらにドル買い・円売りが進んで一時130.43円付近まで値を上げた。ただ、3-4日に開催されるFOMCの内容を見極めたいとの雰囲気から、上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、130.40円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、シンガポールや香港市場の休場で、海外勢の流動性が低下しているため積極的な売り買いは目立たず、1.05ドル台前半で方向感に欠ける値動きとなった。

 

ドル買い比率が3ヵ月ぶり高水準:前週のFX概況

QUICKが2日算出した4月29日時点の店頭外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドルの買い比率が65.5%だった。前の週末から1.9ポイント上昇し、1月下旬以来およそ3ヵ月ぶりの高水準となった。日米金融政策の方向性の違いなどを意識した円安・ドル高が進む中、相場の流れに逆らう『逆張り』の傾向がある個人投資家も円売り・ドル買いの持ち高を増やした。日銀が大規模な金融緩和を維持すると決めた4月28日に円相場は一時1ドル=131円台に下げて20年ぶりの安値をつけた。市場では『4月28日だけを見ると円買い・ドル売りが優勢になるなど、個人投資家は細かく利益確定を入れている』との声が聞かれたものの、円安が一服する場面では上昇余地は限られるとの見方から散発的な円売り・ドル買いを出しているという。米ドル以外の通貨に対しても円売り・外貨買いの比率が軒並み高まった。豪ドル/円取引では豪ドルの買い比率は66.1%と前の週末から1.3ポイント上昇し、2月上旬以来およそ2ヵ月ぶりの高水準となった。NZドル/円取引でもNZドルの買い比率は2月下旬以来の水準に上昇した。

 

中国の4月景況感は一段と悪化

中国の景況感を示す4月の購買担当者景気指数(PMI)は、政府と民間が発表したいずれの数字も一段と悪化した。厳格な新型コロナウイルス対策で上海など多くの都市がロックダウン(都市封鎖)を実施しており、経済活動に深刻な影響が出ていることが鮮明になった。中国国家統計局が30日に発表した4月の購買担当者景気指数(PMI)は、製造業が47.4と3月の49.5から予想(48.0)以上に低下した。非製造業は2カ月連続の悪化で、41.9で3月の48.4から41.9に低下した。製造業と非製造業を合わせた総合PMIは48.8から42.7に低下した。統計局は声明で、製造業の需要、供給双方の大幅減少をコロナ規制に関連付け『一部企業は主要原材料や部品の調達や完成製品の販売に苦労し在庫が積み上がっている』と述べた。PMIの生産指数は49.5から44.4に、新規受注指数は48.8から42.6に低下した。

 

ロシアの今年の経済は最大10%のマイナス成長:ロシア中銀

ロシア中銀は、今年の同国経済は8-10%のマイナス成長になるとの最新の見通しを示した。国内の経済活動は今年3月、ウクライナ侵攻や国際社会がロシアに対して発動した制裁を受け、後退し始めたと指摘した。声明で消費者の購買意欲の減退や企業活動の縮小、輸出入での落ち込みがあったと報告している。

 

5日発表のトルコ4月CPIはインフレ加速が確実視

トルコが本日から4日まで砂糖祭(ラマダン明けの祭り)の祝日となっている。5日発表の4月トルコ消費者物価指数(CPI)は、前年比予想が67%超えと更なるインフレ加速が確実視されている。これでも高い数値ではあったが、専門家によって設立された独立機関の調査によれば、実際のインフレ率は140%超えとの結果も出ている。トルコ中銀は四半期インフレレポートで、年末のインフレ率予測を42.8%と従来の23%台から大幅に修正したものの、それでも甘い見通しと言える。

 

南アランド売り・ルーブル買いに変化が生じるかが注目点

本日はメーデーの振替休日で南ア市場は休場ですが、本日から月が変わることで先月後半のようなランド売りが継続されるのかを見極めながらの取引になる。今週は南アからは3日に4月のABSA製造業PMIの発表はあるが、同指標を含め市場を動意づかせるような指標発表の予定はない。市場を動かすのは先月のような資金の流れ(ランド売り・ルーブル買い)に変化が生じるかにある。南ア国内で市場を動意づけることがあるのであれば、先月の洪水の復興がどの程度進むかにある。

 

メキシコの観光産業の押し上げにつながるか

メキシコ政府と航空民間企業は今年、空港インフラの維持とアップグレードの為に総額123億6000万ペソを投資する見込みである。内訳としては80%を空港会社が負担し、それ以外を政府が融資するというもので、インフラ・通信・運輸省(SICT)は計25億3000万ペソを予算に計上している。そのうち、6億8000万ペソ程がメキシコ国内で最も利用客の多いメキシコシティ国際空港(AICM)の改修とメンテナンスに充てられるとのことである。ただ、メキシコ政府が今回、一番予算を投じるのは中堅航空会社であるGAP(太平洋空港グループ)、OMA(中部北空港グループ)、ASUR(南東空港グループ)。この3つには今年、政府・企業含めて計98億3000万ペソが投じられ、それぞれ既存空港の改修や新ターミナルの建設、滑走路の拡張などが行われる。航空業界1位のAICMだけでなく、航空業界全体のパフォーマンスを上げることにより、メキシコの観光産業を盛り上げる起爆剤となるかが注目される。

 

FRB議長はよりタカ派的なトーンとなる可能性も:JPモルガン

JPモルガンは4月29日付リポートで、5月の米FOMCでFRBが0.50%の利上げに踏み切ると予想した。併せて、バランスシートの縮小(QT)開始もアナウンスされると見込んでいる。一部委員が0.75%の利上げに言及したほか、市場では0.75%の利上げ可能性を織り込む動きがみられているものの、その可能性は低いとした。一方で、FRBのインフレ対応への信頼性が損なわれることで、今後0.5%以上の利上げの可能性もあり得るとしている。会合後のパウエルFRB議長の記者会見では、今後の会合で0.5%以上の利上げが妥当であることを示唆し、よりタカ派的なトーンとなる可能性があるとも見込んだ。QTのペースについては資産圧縮の上限突き50億ドルにむけ、3ヵ月にかけて段階的に導入される可能性が高いとも予想している。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独小売売上高(予想:前月比0.3%/前年比▲0.5%)
○16:00   4月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲15.5)
○16:30   4月スイス製造業PMI(予想:61.5)
○16:50   4月仏製造業PMI改定値(予想:55.4)
○16:55   4月独製造業PMI改定値(予想:54.1)
○17:00   4月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:55.3)
○18:00   4月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:108.0)
○18:00   4月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲16.9)
○22:45   4月米製造業PMI改定値(予想:59.7)
○23:00   3月米建設支出(予想:前月比0.7%)
○23:00   4月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:57.6)
○23:30   4月メキシコ製造業PMI
○中国(メーデー)、香港、シンガポール、南アフリカ(以上、メーデーの振替休日)、ロシア(春と労働の祝日の振替休日)、トルコ(砂糖祭)、英国(アーリーメイバンクホリデー)、休場

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