FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:中国の動向を睨みながらの展開で乱高下

NYダウは238.06ドル高の34049.46ドル、ナスダックは165.56ポイント高の13004.85ポイントで取引を終了した。中国の都市封鎖が世界経済の減速に繋がるとの懸念や中国株式市場の下落を警戒した売りに、寄り付き後は下落した。また、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識されると、幅広い銘柄に売りが先行し一時480ドル超下落した。その後、JDドットコムなど中国株が下げ止まると、国内のハイテク株も買い戻され上昇に転じた。さらに、金利の低下を好感した買いや電気自動車メーカー、テスラ(TSLA)のマスク最高経営責任者(CEO)による短文投稿サイト、ツィッター(TWTR)買収が正式発表されると、ハイテクがさらに持ち直し相場を押し上げ引けにかけて主要株式指数は上げ幅を拡大した。市場では『月末にかけて年金基金などのリバランスに伴う買いが期待される』との声も聞かれた。VIX指数は28.21から27.02へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株動向に振れる展開

ドル/円は、中国経済の不透明感に加えて、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識されると、世界経済の成長鈍化懸念からNYダウが一時480ドル超下落した。リスク回避の円買いが優勢となった。米10年債利回りが2.75%台まで大幅に低下したことも円買い・ドル売りを促し、前週末の安値127.74円を下抜けて一時127.52円まで下げ足を速めた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。NYダウがプラス圏を回復し290ドル超上昇したほか、米10年債利回りが2.83%台まで低下幅を縮小したことでドル/円にも買い戻しが入った。 

 

ユーロ/ドルは、新型コロナウイルス感染が拡大する中国の景気が減速するとの懸念から欧州の主要株価指数が軒並み下落すると、投資家のリスク回避姿勢が強まりユーロ売り・ドル買いが進行し、一時1.0697ドルと2020年3月以来約2年1カ月ぶりの安値を更新した。ただ、安く始まった米国株相場が持ち直すと、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ、ユーロ/ドルは1.07ドル台前半で下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:需要の鈍化懸念を手掛かりにした売り優勢

NY原油先物市場は95.28ドル-101.55ドルのレンジ相場となった。中国・北京市で都市封鎖(ロックダウン)が実施されるとの観測が広がるなか、需要の鈍化懸念を手掛かりにした売りが強まった。アジア市場の序盤に101.55ドルまで買われたが、世界的な株安を警戒して伸び悩み、ニューヨーク市場の中盤にかけて95.28ドルまで下げ幅は拡大した。しかしながら、米国株式が反発したことから、通常取引終了後の時間外取引で99ドル台半ば近辺まで戻している。

 

NY金先物市場は5日続落:換金目的の売りが継続

NY金先物市場は1891.80-1935.50ドルのレンジ相場となった。対ユーロなどでドル買いが進み、ドル建てで取引される金価格の割高感が意識された。終値では約2カ月ぶりの安値水準となった。アジア市場の序盤で1935.50ドルまで買われた後は伸び悩み、ニューヨーク市場の序盤にかけて1891.80ドルまで下落。換金目的の売りが続いていた。ただ、米長期金利の低下を受けて下げ止まり、通常取引終了後の時間外取引では主に1900ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は続伸:世界経済の成長鈍化懸念から買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)2.62%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い2.82%で終了した。中国経済の不透明感に加えて、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識されると、世界経済の成長鈍化懸念から相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。 

 

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