FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:ウクライナ情勢の一段の緊迫化を嫌気売りが優勢

日本の休日中にウクライナ情勢が一段と緊迫化し、連日の米国株安となった流れを引き継いだ。取引時間中にブリンケン米国務長官がNBCニュースのインタビューで『ロシアが夜明けまでにウクライナに侵攻すると確信』などと語ったと報じられた後は、米株主要3指数の先物がマイナス圏で下げ幅を拡大し、地合いがさらに悪化する格好となった。ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部のドンバス地域での特別軍事活動を容認したと発表したことが警戒されると、心理的節目の2万6000円を割り込んだ。結局、前営業日比478円安の2万5970円と5日続落して終了した。1月に付けた2万6170円を下回って年初来安値を更新した。信用評価損益率は18日申し込み時点でマイナス12.93%と、前の週のマイナス10.9%からマイナス幅が2.03ポイント悪化し、悪化は3週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:地政学リスクの高まりと米長期金利低下で円買い

ドル/円は、ブリンケン米国務長官が『夜が明けるまでにロシアがウクライナへ本格的に侵攻する可能性がある』と発言すると、リスク回避の円買いが先行、114.80円付近へ下落した。しかし、本邦輸入勢などから月末に絡むドル買い・円売りフローが持ち込まれ、115.10円付近へ値を上げた。ただ、昼前にロシアのプーチン大統領がウクライナで特別な軍事行動を開始することを表明すると、小幅に値を下げて115.00円を挟んでもみ合いとなった。午後に入ると、複数のメディアが『ロシア軍がウクライナで攻撃を開始し、首都キエフなどのウクライナ軍の軍事拠点がミサイル攻撃を受けた』と報じた。ロシア軍による本格的なウクライナ侵攻を嫌気して日経平均株価や米国株指数先物が大幅安になると、リスク回避のドル買い・円買いが強まり114.50円付近へ下落した。米長期金利が急低下したことも、ドルの押し下げ要因となった。ユーロ/ドルは、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが一段と高まっているため、ユーロ売り・ドル買いが優勢になり、1.12ドル台後半から1.12ドル台前半へ水準を切り下げた。

 

中国不動産会社の世茂集団の来月満期ABSの償還は不可能か

中国不動産開発会社の債務危機が続くなか、世茂集団が保証している資産担保証券(ABS)約11億元(1億7400万ドル)について、来月の満期に償還されない可能性があると報じている。ABSの受託会社が開示資料のなかで明らかにした。

 

ウクライナの複数都市で激しい爆発音で空爆始まった可能性も

ウクライナメディアによると同国内の複数の都市で24日未明、激しい爆発音が聞かれた。ロシア軍の空爆が始まった可能性がある。爆発音が響いたのは東部クラマトルスクや黒海に面した南部オデッサなど。首都キエフでも午前5時過ぎから朝日新聞記者が断続的に爆発音が響くのを聞いた。爆発音は30分以上にわたって続いている。ウクライナのウニアン通信によると、ロシアの航空当局は同国南部のウクライナ国境周辺の空域の飛行禁止を命じた。ウクライナ当局もロシアのプーチン大統領が軍事作戦開始を表明する前の24日未明に北東部ハリコフからロシア国境沿いの空域で飛行禁止を命じた。

 

ウクライナ問題でエルドアン大統領は難しい対応が求められる

エルドアン・トルコ大統領は昨日、ウクライナへの圧力で国際的な非難を受けているプーチン露大統領と電話会談をした。会談では、ロシアによるウクライナ東部2地域の独立承認はウクライナ領土保全への侵害だとし、トルコは認めない旨を再度伝えた。エルドアン大統領はロシアのリーダーに対し、軍事ではなく対話を通じた解決を改めて呼びかけた。一方ウクライナからは、もしロシアが侵攻してきた場合、露軍艦に対する黒海の海峡封鎖を要請された。海峡条約では外国軍艦の通過について、『トルコが差し迫った戦争の脅威に晒されたときには同国裁量に任される』とある。いずれにせよ本格的な地域紛争が勃発した場合、両方に良い顔をするわけにもいかず、エルドアン大統領は非常に難しい対応が求められる。

 

トルコの経済自由度ランクが大きく低下

米シンクタンクのヘリテージ財団とウォールストリートジャーナル紙によって世界各国の経済自由度が測られた『経済自由度指数』は先日、2022年版が発表された。トルコは指数ランキングで、177カ国中114位と前年の76位から大きく順位を下げた。この指数は、世界銀行や国際通貨基金(IMF)などの統計情報が使用される。自由経済度に関する項目『財産権の確保、汚職の少なさ、政府支出、財政の健全性、ビジネスや労働の自由度、通貨や貿易の自由度、投資、そして金融の自由度』について点数がつけられる。高騰するインフレと不安定な通貨に悩まされたトルコの総合スコアは100点満点中56.9点で、『やや不自由』と分類された。地域平均69.5を大きく下回り、世界平均の60にも届いていない。

 

南アの1月卸売物価指数に注目

南ア国内からは、本日は1月の卸売物価指数(PPI)に注目が集まる。消費者物価指数(CPI)が12月から1月にかけて低下したこともあり、PPIも市場予想は12月分よりも低い予想となっている。オミクロン株の影響でPPIの結果は振れやすいこともあり、市場予想と結果に大きなかい離が生じた場合には、ランド/円も動意づきそうである。

・1月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比10.5%)

 

米国市場では10-12月期国内総生産改定値が公表:予想は前期比年率+6.9%

参考となる速報値は前期比年率+6.9%だった。個人消費や設備投資が回復していること、在庫投資がしっかりと伸びたことが要因である。改定値については、上方修正が予想される項目が少ないことから、成長率は速報値と同水準となる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:45   2月仏消費者信頼感指数(予想:100)
○18:30   1月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比10.5%)
○22:15   ベイリー英中銀(BOE)総裁、あいさつ
○22:30   10-12月期米GDP改定値(予想:前期比年率7.0%)
           個人消費(改定値、予想:前期比年率3.4%)
           コアPCE(改定値、予想:前期比年率4.9%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.5万件/158.0万人)
○23:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00   1月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲1.0%/80.3万件)
○25日01:00   EIA週間在庫統計
○25日01:00   ブロードベントBOE副総裁、講演
○25日01:00   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○25日01:10   ボスティック米アトランタ連銀総裁、討議に参加
○25日02:00   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○25日03:00   米財務省、7年債入札
○25日03:00   ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○25日04:45   オアNZ準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○25日06:00   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○主要7カ国(G7)首脳会議(オンライン)
○欧州中央銀行(ECB)非公式会合(パリ)
○欧州連合(EU)緊急サミット

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