FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、バイデン米大統領がロシアのプーチン大統領が協議することで原則合意したとの米政府の発表を受けたリスク選好改善の流れが持続し、ドルと円が軟調推移した。なお、欧州主要株価指数は反発した。露大統領府が「米露首脳会談の具体的な計画はまだない」と表明したことが伝わり、リスク選好のドル売り・円売りがやや後退した。欧州主要株価指数が軟調に推移、独仏はマイナス圏に転じ、NYダウ先物も上昇幅を一段と縮小したが、リスク回避のドル高は限定された。

前週末安値の114.79円が意識されると売りも一服したが、株安が進む中で戻りも限定的となった。ウクライナ情勢を巡る懸念は根強いものの、米国市場が休場のため、市場参加者が激減し商いは低調だった。日足一目均衡表・雲の上限114.81円を睨みながら狭い値幅で推移した。ウクライナ情勢への警戒感が高まったままであり、上値の重い展開となった。プーチン露大統領がウクライナ親ロシアは地域の独立を承認する予定だと伝わり、地域情勢の更なる緊迫化が危惧されてNYダウ先物は300ドル超安まで下げ幅拡大でリスク回避の円買いとなった。

★欧米市場のイベント

・独・2月製造業PMI速報値：58.5（予想：59.8、1月：59.8）
・独・2月サービス業PMI速報値：56.6（予想：53.1、1月：52.2）
・独・2月総合PMI速報値：56.2（予想：54.5、1月：53.8）
・ユーロ圏・2月製造業PMI速報値：58.4（予想：58.7、1月：58.7）
・ユーロ圏・2月サービス業PMI速報値：55.8（予想：52.1、1月：51.1）
・ユーロ圏・2月総合PMI速報値：55.8（予想：52.9、12月：52.3）
・英・2月製造業PMI速報値：57.3（予想：57.0、1月：57.3）
・英・2月サービス業PMI速報値：60.8（予想：55.5、1月：54.1）
・英・2月総合PMI速報値：60.2（予想：55.3、1月：54.2）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は114.70-115.01円のレンジ

・ロシア側から首脳会談の具体的な計画はないとする報道

・リスク回避姿勢の強まりから独株価指数が約11ヵ月ぶりの安値更新

・プーチン露大統領がウクライナ東部の親ロ派地域の独立を承認予定

・ウクライナとロシア軍の小競り合いが始まったとの報道

・米国が「プレジデンツデー」の祝日のため取引は閑散