FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!!

日経平均株価:地政学リスク改善から買い優勢に

ロシアとウクライナの国境付近での緊張緩和の兆しがみえたことで、米国株式市場ではリスク選好ムードが広がった流れを引き継いだ。東京市場では、半導体関連株などのハイテク株を中心に買い戻す動きがみられた。一方、FOMC議事要旨(1月25-26日開催分)や米1月小売売上高を見極めたいムードも出ており、下向きの25日SMAの27,474円近辺がレジスタンスとして意識された。結局、前営業日比595円の2万7640円と3営業日ぶりに反発して終了した。信用評価損益率は10日申し込み時点でマイナス10.9%と、前の週のマイナス12.18%からマイナス幅が1.28ポイント縮小した。改善は2週連続となった。

 

東京外国為替市場:方向感が出ず115.60円台を中心にレンジ相場

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、115.47円付近まで小幅に値を上げた。最近発表された米インフレ指標が強い数字だったため、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが加速するとの思惑が浮上していることも、ドルの押し上げ要因となった。ただ、前日の海外市場でつけた高値115.88円が視野入りすると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、115.70円を挟んでもみ合いとなった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、115.60円台を中心とする狭いレンジでの取引が続いた。ユーロ/ドルは、欧州勢待ちの様相が強く1.13ドル台半ばで小動きとなり積極的な売買は見送られた。

 

YCCの年限短期化の可能性を引き上げ:ドイツ証券

日銀が指し値オペを通知した後も国内で金利が高止まりする中、ドイツ証券は16日付のリポートで『日銀が指値オペなどで10年金利の上昇を抑えようとしても、10年金利から離れるほど日銀のコントロールの力が弱まるため、金利は上昇しやすい。特に当社が注目しているのは、10年以下の金利の上昇である』との見解を示した。リポートでは、日銀が総括的検証で示したように長期金利よりも短期金利の方が需給ギャップへの影響は大きいとしながら、『日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)の枠組みの下、10年金利の上昇を抑えたとしても10年よりも短い金利が上昇すると金融緩和度合いは低下してしまう』と指摘した。その上で10年以下の国債買入の一時的な増額、短期政策金利のフォワードガイダンスの強化などが手段としえ考えられるとしつつ、『緩和度合い低下の根本的な解決には繋がらないと当社は考えている』とも指摘した。一部では豪州準備銀行(RBA)のように5年物金利をターゲットにすべきとの意見も取り沙汰されているが、『当社はYCCの年限短期化が必要と考えている。当社はこれまで、YCC年限短期化の可能性を40%程度と想定していたが、10年以下の金利の上昇によってその可能性を50%へと引き上げる』とした。

 

ウクライナ情勢の緊迫中で顧客は3週連続で米国株を買い越し:BofA

BofAセキュリティーズの15日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は7~11日の1週間に米株を21億5800万ドル買い越した。3週連続の買い越しとなる。この週は10日に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る強い数字となったほか、週末にかけてウクライナ情勢への警戒感が強まったことでし、S&P500指数が週間で1.81%安となって3週ぶりに下げた時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が8億9300万ドルの売り越しで、2週ぶりの売り越しとなった。機関投資家は12億3000万ドルの買い越しで、3週連続の買い越しだった。個人投資家は3億3000万ドルの買い越しで、6週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは14億9100万ドルで4週移動平均(20億4300万ドル)をやや下回って低調だった。傾向としてはヘッジファンド以外の主体が買い越しとなり、下げ相場での押し目買い意欲がうかがえたが、買い越し額自体は小さかった。企業の自社株買いは1月にピークを迎えた後は鈍化傾向にあり、通常であれば決算シーズンの終盤である足元でピークを迎える。

 

エルドアントルコ大統領が9年ぶりにUAEを訪問

複数のメディアが報じているが、エルドアン・トルコ大統領は14日、約9年ぶりにアラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、同国首脳と会談した。両国の関係改善を目指す昨年からの流れの一環であり、今回のトップ会談では、防衛産業や貿易・医療など13の分野で協定が結ばれた。ただ、これらの動きに対するリラの反応はかなり限定的である。もっとも、主要産油国であり潤沢な資金を持つUAEが今後、トルコ投資を本格的に拡大する期待は高く、もしそうなればリラの下値も支えられるかもしれない。

 

南アの1月CPIと12月小売売上高に注目

本日の1月の南ア消費者物価指数(CPI)と、12月南ア小売売上高に注目である。CPIは1月も原油価格が上昇傾向を辿ったことで、再び南ア準備銀行(SARB)の目標中心値4.5%を大幅に上回ることになる可能性が高く、市場は12月の5.9%を若干下回る5.7%程度が予想となっている。今月はSARBの金融政策委員会(MPC)は行なわれないが、CPIの結果が予想を上回ると3月の再々利上げ期待が高まる。一方で、小売売上高は12月の数値のため、好結果を期待するのは難しい。11月後半にオミクロン株が確認されたことで、12月は南アで規制が強化されただけではなく、海外が南アに対する渡航制限を発令していた期間にあたる。市場予想では前年比で11月の+3.3%よりも弱く、+2.7%程度が予想される。

 

米1月PPIはCPIに引き続き予想上振れでFRBの引き締め観測強まる

米1月生産者物価指数(PPI)は前月比+1.0%となった。伸びは12月+0.4%から拡大し予想のほぼ2倍で、昨年5月来で最大となった。前年比では+9.7%と、伸びは過去最大となった12月から鈍化も予想+9.1%は上回った。12月分は+9.8%へ+9.7%から上方修正された。変動の激しい燃料や食品を除いたコア指数は前月比+0.8%。伸びは12月+0.6%から拡大した。前年比では+8.3%。伸びは過去最大となった12月+8.5%から鈍化も予想を上回った。PPIは特に、ビジネスにおける物価圧力を示唆した。PPIの上昇は今後、商品価格の上昇に反映され、消費者物価指数(CPI)を押し上げることになる。1月CPIは40年ぶり最大の伸びとなったことに続き予想を上回ったPPIを受けて、FRBが金融政策で立ち遅れているとの見方が一段と強まった。FRBは3月にテーパリング終了後、連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げに踏み切ると見られている。一部では50ベーシスポイントの大幅利上げの思惑も強まりつつあり、明日FRBが公表する1月開催のFOMC議事要旨でその可能性を探る。金利先物市場では依然6回超、7回近くの利上げを織り込んでおり、引き続きドルの支援材料となっている。

 

米国市場では1月小売売上高が公表:予想は前月比+1.7%

12月実績は前月比-1.9%と大幅な減少となった。消費者が品不足やインフレを警戒して製品の購買時期を早めたことが影響したとみられている。12月の減少幅は大きかったことから、1月は反動増が予想される。ただし、供給制約の状態を改善されておらず、高インフレが引き続き警戒されていることから、市場予想を下回る増加幅にとどまる可能性もある。

 

欧米市場イベント

○16:00   10-12月期ノルウェー国内総生産(GDP)
○16:00   1月英CPI(予想:前月比▲0.2%/前年比5.4%)
○16:00      CPIコア指数(予想:前年比4.3%)
          小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.4%/前年比7.5%)
○17:00   1月南アフリカCPI(予想:前月比0.2%/前年比5.7%)
○19:00   12月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年比▲0.5%)
○20:00   12月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.7%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   12月カナダ卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○22:30   12月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.6%)
○22:30   1月カナダCPI(予想:前月比0.6%/前年比4.8%)
○22:30   1月米小売売上高(予想:前月比2.0%/自動車を除く前月比0.8%)
○22:30   1月米輸入物価指数(予想:前月比1.3%)
○23:15   1月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
          設備稼働率(予想:76.8%)
○24:00   12月米企業在庫(予想:前月比2.1%)
○24:00   2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:83)
○17日00:30   EIA週間在庫統計
○17日01:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○17日03:00   米財務省、20年債入札
○17日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月25日-26日分)

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