FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米ハイテク株高を受け半導体や電子部品の買い戻し

朝方に高く始まった後、いったん300円超高に上昇したが、米消費者物価指数(CPI)の発表や国内の3連休を前に手仕舞い売りのが強まり上げ幅を縮め、一時はマイナスとなった。米ハイテク株高を受けて、半導体関連や電子部品の買い戻しが強まった。好決算を背景とした物色も相場を支えた。ただ、持ち高を一方向に傾ける動きは限られ、午後は小幅高の水準でこう着感を強めた。結局、前営業日比116円高の2万7696円と1月20にち以来の高値で終了した。2月第1週(31日~4日)の海外投資家(外国人)は1705億円を売り越し、売り越しは4週連続となった。個人投資家は468億円の売り越しとなり、売り越しは4週ぶり。信託銀行は2278億円の買い越しとなり、買い越しは2週連続となった。

 

東京外国為替市場:115円台半ば近辺での値動きに終始

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りが先行し、115.63円まで小幅に上昇した。しかし、大幅高となっていた日経平均株価が急速に伸び悩むと、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて一時115.48円付近まで下落した。米長期金利が小幅に低下したことも、ドル売り要因となった。午後は、国内3連休を控えた持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、115.65円付近まで上昇した。低下していた米長期金利が持ち直したことも、ドル買いにつながった。ただ、前日につけた高値115.69円に接近すると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、115.60円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1420ドル台を中心とする狭いレンジ相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ECB高官の講演に注目する展開

昨日は、『多くの欧州中央銀行(ECB)メンバーがインフレ見通しに不信感を抱いている』との報道を受けて早期利上げ期待感が高まった。本日は、ECBのハト派であるデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストの講演が予定されており、『インフレ見通しに不信感』との報道に対する見解を見極めることになる。昨日は、シュナーベルECB専務理事が、エネルギー価格高によって、インフレ期待がECBの目標である2%を超えて上昇するリスクが生じれば、利上げが必要となる可能性がある、述べた。また、ナーゲル独連銀総裁も、高インフレが一時期考えていたよりも持続性があるとしてECBが今年利上げする可能性がある、と述べており、インフレ見通しに不信感を抱いていることを示唆している。

 

トルコでは資源価格の高騰で財政圧迫の要因になる可能性も

原油相場が堅調なこともエネルギーを輸入に頼るトルコにとっては頭が痛い話である。資源価格の高騰を受け、政府は電気料金を最大120%引き上げることを決定した。当然ながら市民や企業からの反発は強く、その後に政府も電気代の抑制策を検討し始めた。しかしながら財政圧迫の要因にもなりかねず、リラにとっては上値の重さに繋がる可能性もある。なお、先週末に新型コロナウイルスに感染したエルドアン・トルコ大統領だったが、症状は軽症のようである。ただ、健康状態について侮辱的・挑発的なメッセージをSNSに投稿したとして、トルコ当局は26人を一時拘束した。全員が釈放されたが、6人は司法保護観察の対象とされた。

 

今晩ラマポーザ南ア大統領は国家演説を実施

日本時間では翌11日2時にラマポーザ南ア大統領は国家演説(通称SONA)が行われる。先日記載したが、SONAは幅広い政治、経済および社会問題を考察し、政府の役割について国民に向けて説明する。そして来年の政府の行動計画を設定することになっている。市場がこのSONAで大きく動く可能性は低いが、念のために注意はしておきたいところである。

 

メキシコペソは利上げ期待からペソ買いの流れは継続

日本時間の11日午前4時にロドリゲス新体制による今年初の金融政策決定会合を控えるなか、利上げ期待からのペソ買いの流れが継続しそうである。本日は最新の1月消費者物価指数(CPI)が予定されており、11月の+7.37%をピークに今月もやや鈍化することが予想されているが、依然として高水準を付けることが想定されている。今日の結果で中銀の利上げに対する思惑に影響を与えるとも思えず、予想とほぼかい離がなければ会合に向けては金利先高観を受けたペソの押し目買いとなる可能性が高い。

 

米国債の利回り予想を引き上げ:ゴールドマン・サックス・グループ

GSGは米国債利回りの予想を引き上げた。10年債利回りの2022年末目標を2.25%(従来予想2%)、23年末目標は2.45%(同2.3%)にそれぞれ上方修正した。見通しの変更幅は短期債で最も大きく、新たな予想は従来よりもフラットな利回り曲線を示唆している。予想通りとなれば、2年債と10年債の利回り差は23年末までに解消する。ゴールドマン・サックスでは2年債利回りについて、22年末に1.9%、23年末は2.45%と予想した。同行のエコノミストは米利上げが年内に5回、23年に3回、24年に2回実施されると見込んでいる。

 

米国市場では1月消費者物価コア指数が公表:予想は前年比+5.9%

12月実績は前年比+5.5%だった。中古自動車、新車、家具類の上昇が目立っており、供給制約の改善は遅れており、高い伸びとなった。1月については、状況が変わっていないため、インフレ率は12月実績をやや上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月トルコ失業率
○16:00   1月ノルウェーCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比4.2%)
○17:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○21:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:30   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:15   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:30   1月米CPI(予想:前月比0.5%/前年比7.3%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.5%/前年比5.9%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.0万件/161.5万人)
○11日02:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○11日03:00   米財務省、30年債入札
○11日04:00   1月米月次財政収支(予想:250億ドルの黒字)
○11日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:6.00%に引き上げ)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ