FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国の金融引き締めへの警戒感後退で買い優勢

日経平均は、小安く寄り付いた後、短時間でプラス圏に切り返し、次第に水準を切り上げた。値がさの一角が買い戻されて指数をけん引した。市場では、米国の金融引き締めへの警戒感から売られてきた高PER銘柄のうち、成長性が見込める企業群の割高感が和らぎ、買い戻されたとの見方が聞かれた。結局、前営業日比284円高の2万7001円と3営業日ぶりに2万7000円を回復して終了した。

 

東京外交為替市場:115円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、月末に絡む本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、115.59円付近まで上昇した。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの押し上げ要因となった。ただ、28日の欧州市場でつけた高値115.68円に接近すると上げは一服した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、小幅に値を下げて115.40円台を中心とする狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1160ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となった。

 

前週はドル買い比率は56.8%に低下:ユーロ買い比率は上昇

QUICKが31日に算出した28日時点の外国為替証拠金5社合計(週間)の建玉状況にyると、円に対するドル買い比率は前の週末から14.0ポイント低下の56.8%だった。米長期金利の先高観から日米の金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが進む中で、相場の流れに逆らう『逆張り』の戦略が多いとされる個人投資家は円買い・ドル売りに持ち高を傾けたとみられる。米ドル以外の通貨に対しては、円売り・外貨買いの動きが目立った。円に対するユーロ買い比率は3.9ポイント上昇の38.1%だった。円に対するオーストラリアドル買い比率も6.0ポイント上昇の77.7%だった。

 

中国の景気回復は『不均一』で政策不透明感も問題視

国際通貨基金(IMF)は28日、中国経済の回復は非常に進展しているが、消費の弱さを背景に不均一になっている、との見方を示した。ハイテク分野への規制強化による不透明感や、生産性低下も問題視した。中国経済を分析した報告書で、比較対象となる前年の水準が高いことや、消費の弱さ、不動産投資低迷が今年の成長の重しになるとした。『中国の回復は極めて進んでいるが、バランスを欠いており、勢いは落ちている』と指摘した。新型コロナウイルスの消費支出への影響や、不動産市場の低迷を挙げた。IMFは、中国経済の成長率を2022年は4.8%、23年は5.2%とし、昨年の8.1%から鈍化すると予想した。またIMFは報告書で、ハイテク企業やその他セクターへの『一貫性がなさそうな』一連の規制措置が、市場では『民間企業の役割を弱める』と見なされていると指摘し、透明性と予測可能性の向上を促した。


 

トルコの1月消費者物価指数を見極める展開

3日の1月トルコ消費者物価指数(CPI)見極める展開である。1月トルコCPIは前年比46-48%が予想の中心値とされ、前回36.08%から大きく上振れすることが確実視されている。トルコ中銀は先週、四半期インフレレポートを発表し、2022年末インフレ見通しは23.2%と従来11.8%から上方修正した。中銀は、インフレは1月に50%に近づき、その後5月にかけて55%前後まで上昇し、年後半にかけて急速に低下すると見込んでいる。インフレの高止まりは、市場にとってビッグサプライズではないかもしれない。ただし物価上昇が予想より加速するようであれば、実質金利マイナス幅の拡大による通貨価値の下落が意識され、リラ/円のレンジ下振れもあり得る。

 

南アでは利上げで国民の不満が高まるリスクに警戒

先週、南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)は2会合連続で利上げを行ったたが、株安の影響もあり頭が抑えられている。もっとも、南アのインフレ高進は他国と比較してもスピードが速いことを考えると、次回(3月24日)も再々利上げの可能性があり、金利先高観はランドの支えとなる。ただし、国民の3人に1人以上、若年層に限っては半数以上が失業している現状では利上げは諸刃の剣でもある。度重なる利上げで国民の不満が高まり、治安が乱れるリスクには警戒しておきたいところである。

 

メキシコは景気後退入りした可能性が高くペソ相場の下値リスクに注意

メキシコ国内の材料としては本日発表予定の10-12月期メキシコGDP速報値に注目が集まる。今月発表された12月メキシコGDPが前年同月比0.2%減となったことを受けて、メキシコ銀行(中央銀行)のヒース副総裁は今後改定が入らなければ10-12月期GDPが前期比で0.5%減になると指摘した。2期連続でのマイナス成長は定義上、メキシコがリセッション(景気後退)入りしたことになる。 一方でインフレの高止まりが続くなか、メキシコ中銀は今後も金融引き締め方針を維持していく可能性が高く、メキシコ景気に対する先行き懸念はさらに高まることになる。米金融政策の早期正常化に伴って新興国通貨から資金が流出する可能性なども考慮すると、ペソ相場に対する中長期的な下値リスクに警戒が高まる。

 

米Q4雇用コスト指数が予想下回ったことで大幅利上げ予想はやや後退

米商務省が発表した12月個人所得は前月比+0.3%となった。伸びは11月+0.4%から拡大予想に反し縮小し8月来で最小した。米12月個人消費支出(PCE)は前月比-0.6%と、予想通り11月+0.6%から2月来のマイナスに落ち込んだ。オミクロン変異株流行が影響した。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している変動の激しい燃料、食料品を除いた12月コアPCE価格指数は前年比+4.9%。伸びは11月+4.7%から予想以上に拡大し1983年1月以降38年ぶり最大を記録した。
注目の米10-12月期雇用コスト指数(ECI)は前期比+1.0%と、統計開始以降最大の伸びを記録した7-9月期+1.3%から予想以上に鈍化。7-9月期のECIが12月連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派に転じた要因となったが、10-12月期に予想以上に鈍化したため大幅利上げの思惑が後退した。

 

欧米市場のイベント

○16:00   12月トルコ貿易収支(予想:66億ドルの赤字)
○19:00   10-12月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比0.3%/前年比4.7%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○21:00   12月南アフリカ貿易収支(予想:310億ランドの黒字)
○21:00   10-12月期メキシコGDP速報値(予想:前期比▲0.2%/前年比1.6%)
○22:00   1月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.3%/前年比4.4%)
○22:30   12月カナダ鉱工業製品価格
○22:30   12月カナダ原料価格指数
○23:45   1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:61.7)
○1日01:30   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演
○韓国、中国(旧正月)、休場

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