FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:パウエル議長の発言後に金利低下で買戻し優勢

NYダウは183.15ドル高の36252.02ドル、ナスダックは210.62ポイント高の15153.45ポイントで取引を終了した。上院銀行委の再任承認公聴会で、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が速やかな金融引き締めを強調するとの見方に金利が上昇し、警戒感に寄り付き後は大幅下落した。しかし、証言では、議長が段階的な引き締め軌道を示唆したため警戒感が後退した。金利も低下に転じたため買戻しに拍車がかかり、主要株式指数は上昇に転じた。また、米長期金利の上昇が一服し、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買い直しが広がった。VIX指数は19.40から18.41へ低下した。

 

NY外国為替市場:パウエル議長発言後にドル売り戻しの展開

ユーロ/ドルは、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の指名承認公聴会でのタカ派発言を期待した先取り的なドル買いが先行し、一時1.1313ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は一転買い戻しが優勢となった。パウエルFRB議長は米上院銀行委員会が開いた公聴会で『高インフレが続けば、さらに政策金利を引き上げなければならないだろう』と述べたほか、『米経済はもはや極めて緩和的な金融政策を必要としない』『バランスシート縮小は今年後半から開始されるだろう』などと発言した。同時に『金融政策正常化の時期について何も決定していない』『正常化への道のりは長い』などと語った。市場では『警戒したほどタカ派的な内容ではなかった』と受け止められ、米株高・債券高(金利低下)・ドル安につながり、一時1.1375ドルと日通し高値を更新した。 

 

ドル/円は、米金融政策の正常化が想定より速いペースで進むとの警戒から、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行すると一時115.68円と日通し高値を付けた。ただ、パウエルFRB議長の発言が伝わると、米長期金利が低下に転じ、ドルを売る動きが優勢となり、一時115.27円付近まで下押しする場面があった。

 

産油国通貨は堅調だった。WTI原油先物価格が一時4%超上昇し、約2カ月ぶりの高値を更新するとカナダドルやノルウェークローネに買いが入った。カナダドルは対米ドルで1.2567カナダドル、対ユーロで1.4286カナダドル、対円で91.80円まで値を上げた。また、ノルウェークローネは対ユーロで一時9.9693クローネ、対ドルで8.7673クローネ、対円で13.16円まで上昇した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:需要ひっ迫への懸念から買戻し

NY原油先物市場は78.36ドル-81.59ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)プラスの段階的な増産方針では需給ひっ迫への懸念を取り除けないとの見方が広がるなか、買い戻しが先行した。先週末に抑えられた80ドル台半ばを超えると上昇力が一気に強まり、11月半ば以来の高値81.50ドル台まで上値を伸ばした。米株が堅調に推移したことも、リスク資産でもある原油の支えとなった。アジア市場で78.6ドルまで売られたが、押し目買いが入ったことで反転した。中央アジア周辺における地政学的リスクは低下したが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受けて買いが一段と優勢となり、一時81.59ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は3日続伸:米長期金利低下とドル安で買い優勢

NY金先物市場は1799.70-1821.50ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安が進み、割安感が生じたドル建ての金に買いが集まった。パウエルFRB議長の上院・銀行委員会の公聴会を経て米金利の上昇が一服したことも、金利が付かない金の下支え要因となった。アジア市場の序盤に1799.70ドルまで下げたが、その後反転。ニューヨーク市場で金先物はじり高の相場展開となった。通常取引終了後の時間外取引で1821.50ドルまで買われている。

 

米国債券市場は上昇:金融引き締めへの警戒感後退で買い戻し

米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.88%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い1.73%で終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米上院銀行委員会での発言内容が『想定の範囲内』と受け止められ、金融引き締めへの警戒が和らぐと債券買いが進んだ。 

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