FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:景気回復を期待した買い優勢

NYダウは214.59ドル高の36799.65ドル、ナスダックは210.08ポイント安の15622.72ポイントで取引は終了した。本年のパンデミック終息に伴う強い回復を期待した景気循環株中心とした買いに寄り付き後は上昇した。ISM製造業指数や雇用関連指標が予想を下回ったため失速したもののNYダウは終日堅調に推移し、連日で史上最高値を更新して終了した。米長期金利の上昇を受けて、利ざや改善期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。原油高を背景に石油株も堅調だった。ハイテクは長期金利の上昇を受けて売られ、ナスダック総合指数は下落した。VIX指数は16.60から16.91へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢に

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.6840%前後と昨年11月24日以来の高水準を付けたことを受けて、円売り・ドル買いが先行し、一時116.35円と2017年1月以来約5年ぶりの高値を付けた。12月米ISM製造業景気指数が58.7と予想の60.0を下回ったことで一時115.96円付近まで上値を切り下げる場面もあったが、下押しは限定的だった。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン株』による経済への悪影響は限定的との見方が広がる中、米連邦準備理事会(FRB)による早期利上げ観測を背景に円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は『FRBは今年2回の利上げを実施する必要がある』との見解を示した。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.1272ドルと日通し安値を付けたものの、12月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったことが分かると買い戻しが優勢になり、一時1.1322ドルと日通し高値を更新した。もっとも、米長期金利が上昇傾向を維持したため、戻りは限定的だった。ユーロポンドなどユーロクロスの下落につれた売りも出た。 

 

NY原油先物市場は続伸:リスク選好ムード継続で買い優勢

NY原油先物市場は75.70ドル-77.64ドルのレンジ相場となった。世界でオミクロン株の感染が急速に拡大しているが、重症化リスクは低いとの見解が多く示されており、経済への影響は限定的との見方から投資家のリスク選好ムードが続いており、リスク資産の原油も買われた。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス』の閣僚級会合では小幅な増産方針を2月も維持することで合意した。アジア市場で75.70ドルまで売られたが、中期的な原油需要の増加への期待が広がり、ニューヨーク市場の序盤にかけて77.64ドルまで買われた。その後はドル高を意識した売りが増えており、通常取引終了後の時間外取引では77ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は反発:インフレヘッジ目的の買い

NY金先物市場は1798.10-1817.20ドルのレンジ相場となった。節目の1800ドル近辺がサポートとして意識され、下値の堅い動きとなった。オミクロン株の重症化リスクが低いとの見方が広がり、投資家のリスク選好志向が強まっていることや米長期金利の上昇が金の上値を圧迫するも、インフレヘッジ目的の買いが下値を支えている。ニューヨーク市場の序盤に1798.10ドルまで売られたが、中盤にかけて1817.20ドルまで反発した。米長期金利の高止まりや原油先物の上昇を意識して上昇一服となったが、通常取引終了後の時間外取引でも1815ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米FRBによる早期利上げ観測を嫌気

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.75%で終了した。また、長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.65%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)による早期利上げ観測を背景に債券売りが優勢となった。利回りは一時1.6840%前後と昨年11月24日以来の高水準を付けた。

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