FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、アジア市場で加速した円安の流れが持続、115円台後半と5年ぶり高値圏を維持した。なお、欧州株は堅調に取引をスタートした。欧州株式市場も休場明けの英FT100が上昇するなど堅調な動きを見せ、年内最終5営業日と年初の2営業日の株高アノマリー通りの展開でドル/円は堅調推移となった。米長期金利は上昇基調を維持し、ドル買いの地合いは継続した。株高・原油高を好感した円売りが強まった。116.00円手前でもみ合うこともほぼなく、ストップロスを巻き込み上値を広げた。なお、米長期金利は1.63％台で推移し、NYダウ先物は130ドル超上昇した。そして、明確な上値目処が見当たらない中、上値をさらに拡大させた。

NY市場では日米金利差拡大観測に伴うドル買い・円売りに拍車がかかった。12月米ISM製造業景気指数や11月JOLT求人件数が市場予想を下回りとドル売りがやや優勢になった。ミネアポリス連銀総裁が「高インフレが想定以上の水準で想定以上に長期化した」と言及し、2022年に2回の利上げを想定しているとしたことでドルはじり高推移となった。

★欧米主要経済指標

・独・12月失業率：5.2％（予想：5.3％、11月：5.3％）
・独・12月失業者数：-2.3万人（予想：-1.5万人、11月：-3.4万人）
・英・12月製造業PMI改定値：57.9（予想：57.6、速報値：57.6）
・英・11月住宅ローン承認件数(中銀)：6.70万件（予想：6.60万件、10月：6.71万件←6.72万件）

・米・12月ISM製造業景況指数：58.7（予想：60.0、11月：61.1）
・米・11月JOLT求人件数：1056.2万件（予想1107.9万件、10月：1109.1万件←1103.3万件）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は115.64-116.35円のレンジ

・「オミクロン株」の感染者数拡大も経済への悪影響は限定的との見方

・米FRBによる早期利上げ観測を背景に円売り・ドル買いが進行

・米10年債利回りが一時1.6840％前後と昨年11月24日以来の高水準

・12月米ISM製造業景気指数が予想を下回った

・VIX指数は16.60から16.91へ上昇