FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:前日終値を挟んでの一進一退の動き

日経平均は、前日米国株高を好感して高く始まった後、一時150円超高に上値を伸ばしたが、その後は勢いを失って上げ幅を縮小した。朝方の取引一巡後は、前日終値を挟んでの一進一退となった。オミクロン株を巡って市場では達観と悲観が交錯している。感染力が強いものの重症化率は低いとの見方が優勢な中で、デルタ株と異なり、さほど相場の重石となる話ではないとの見方がある。一方で、重症化しなくても感染すれば行動制限がかかり、経済の停滞を招きかねないとの見方も根強かった。結局、前営業日比44円高の2万8562円と小幅続伸した。信用評価損益率は17日申し込み時点でマイナス11.21%と、前週のマイナス10.87%からマイナス幅が0.34ポイント悪化した。悪化は8週連続となった。

 

東京外国為替市場:手掛かり材料難から114.10円前後でこう着

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ114.81円までじり高となった。しかし、前日の海外市場でつけた高値114.22円に接近すると上げは一服した。その後は、日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて114.10円を挟んでもみ合いとなった。午後に入ると、手掛かり材料難から積極的な売り買いは目立たず、114.10円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。今晩発表される米経済指標や新型コロナウイルスの変異株(オミクロン株)に関する続報を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台後半でもみ合う展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

1年物LPRの引き下げの市場の受け止めは『ネガティブ』:JPモルガン

JPモルガンは最新リポートで、20日に発表された中国の12月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)が引き下げられたことについて、市場でネガティブに受け止められたとの見方を示した。LPRの引き下げはある程度想定されていたものの、調整が1年物にとどまり、住宅ローン金利の参考基準となる5年物は据え置きとなったことから、不動産市場を支えるための政策緩和は限定的なものだと指摘した。『香港経済日報』が22日伝えた。また、今回のLPRは、利下げサイクルの始まりを意味するわけではないとの見方を示した。中国経済が今年10-12月期に底打ちするとみられるため、追加緩和の可能性は低く、22年1-3月期と4-6月期に利下げを実施する可能性も薄まっているとした。

 

今回のトルコの預金保護政策はハイパーインフレへの序曲

昨日は、事実上のドルペッグ制となる預金保護政策の詳細が発表されたが、簡単に言えば、3カ月以上の定期預金の預入日と満期日における対ドルでの為替差損分と、本来の預金金利(政策金利を使用)分を比べて大きい方を採用してリラを補填するということである。市場では『ステルスハイパー利上げ』との声も聞かれているが、普通に考えればハイパーインフレへの序曲となる。イスラム金融を基本にするのであれば、シンガポールなどが採用しているように、金融政策を金利ではなく、実質実効為替レートの傾きや中央値、そのバンド幅の調整などによって行うことが理想である。イスラム金融にとって、元々概念として存在していない『金利』にこだわらざる得ないといった自己矛盾を伴うトルコの金融政策に対して、この尋常ではない乱高下は、グローバルな金融市場からの警告でもある。

 

米年末商戦序盤:宝飾品消費が78%増加

ホリデーシーズンの米国で金やダイヤモンドなど宝飾品の消費が活況を呈している。クレジットカード大手の米マスターズカードの調査では商戦の序盤に前年比8割近く増えた。新型コロナウイルスの変異株『オミクロン型』の発生により各国の渡航制限が強化されるあんど行動制限が続く中、消費が宝飾品などの高額品に向かっている。11月下旬の感謝祭を皮切りに、12月のクリスマス前までは米国の個人消費が年間を通して最も盛り上がる時期である。マスターカードの調査によると、最初の週末である11月26~28日にかけての宝飾品の売上高は前年に比べて78.4%増加した。同社は11月1日~12月24日までのホリデーシーズン全体での宝飾品の伸びを前年比59%増と予測しており、シーズン序盤の実績は予想を上回っている。

 

米国経済成長率予想を引き下げ:ゴールドマン・サックス・グループ

米国内でも新型コロナのオミクロン変異株流行急拡大で、主流になりつつある。予定されていたイベントなどのキャンセルも目立ってきた。世界経済フォーラムは20日、来年1月にスイスで開催予定だった年次総会(ダボス会議)を延期すると発表した。消費の鈍化も懸念される。ゴールドマン・サックス・グループはオミクロン感染拡大に加え、バイデン政権が進めている環境問題への対処や社会福祉関連を含む大規模な歳出策が当面成立の見込みがなくなったことを理由に経済成長率予想を引き下げた。同社のエコノミストは来年の国内総生産(GDP)成長率で、1-3月期を2%(従来3%)、4-6月期を3%(同3.5%)、7-9月期を2.75%(同3%)へそれぞれ下方修正した。

 

バイデン米政権はロックダウンしない方針:先物市場は2.5回の利上げを継続

米国内でオミクロン変異株感染が拡大する中、バイデン政権はコロナ試験キットの無料配布計画を発表したがロックダウンはしない方針を示したため、ドルは底堅い展開が予想される。市場は連邦準備制度理事会(FRB)が依然QE縮小、利上げ軌道にあると見ている。米金利先物市場は依然2022年2.5回の利上げを織り込んでいる。

 

米国市場ではCB12月消費者信頼感指数が公表:予想は110.8

参考となる11月実績は109.5で2月以来の低水準だった。インフレ高進が消費者の購買動向に影響を及ぼしている。12月については、供給不足などによる物価上昇が引き続き嫌気される可能性が高いため、大幅な改善は期待できない。

 

欧米市場イベント

○16:00   7-9月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比1.3%/前年比6.6%)
○16:00   7-9月期英経常収支(予想:156億ポンドの赤字)
○16:45   11月仏卸売物価指数(PPI)
○18:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   7-9月期米国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比年率2.1%)
○22:30   7-9月期米個人消費(確定値、予想:前期比1.7%)
○22:30   7-9月期米コアPCE(確定値、予想:前期比4.5%)
○24:00   12月米消費者信頼感指数(予想:110.8)
○24:00   11月米中古住宅販売件数(予想:前月比2.8%/年率換算652万件)
○23日00:30   EIA週間在庫統計

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