FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:世界的な感染急増や規制強化を嫌気した売り

NYダウは433.28ドル安の34932.16ドル、ナスダックは188.73ポイント安の14980.95で取引を終了した。世界中で新型コロナ感染急増や規制強化が発表され、回復鈍化懸念が引き続き重石となり寄り付き後は下落した。世界経済フォーラムが来年1月にスイスで開催される予定だったダボス会議の延期を発表すると、投資家心理がさらに悪化した。また、バイデン政権が推し進めている大規模歳出案『ビルド・バック・ベター』の早期成立の見込みがたたず、エコノミストが成長見通しを引き下げると、さらなる下落に繋がった。ただ、序盤に大きく突っ込んだ後は持ち直し、終盤に切り返して終えた。VIX指数は21.57から22.87へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の展開のなかドルは行って来い相場

ユーロ/ドルは、『先週の欧州中央銀行(ECB)理事会で多数のメンバーがインフレの上振れリスクを認めるべきと主張していた』との一部報道を受けて独長期金利が上昇したことで欧州時間からユーロは堅調だったが、NY時間に入っても地合いを継続した。一時1.1304ドルまで上値を伸ばした。ただ、1.13ドル台での滞空時間は短く、引けにかけては米10年債利回りが上昇したことを重石に1.1270ドル台まで押し戻された。 

 

ドル/円は、NYダウが一時700ドル近く下げ、クロス円が売られた場面では一時113.33円と本日安値をわずかに更新した。ただ、米長期金利が上昇したため、その後は下値を切り上げ早朝に付けた高値113.73円に一時面合わせした。 

 

トルコリラは乱高下した。エルドアン・トルコ大統領が19日の演説で『私からは利下げ以外を期待しないでほしい』と発言したことが失望売りを招き、対ドルで18.3633リラ、対円で6.17円とそれぞれ史上最安値を更新した。もっとも、同大統領がリラ預金の新たな保護策を講じる姿勢を示すと一転して急反発した。インターバンク市場では12.2756リラ、9.86円まで大幅にリラは買い戻された。クリスマスを前に市場の流動性が極端に低いなかで値が振れやすかったことも影響している。

 

NY原油先物市場は続落:欧米株安を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は66.12ドル-69.98ドルのレンジ相場となった。オミクロン株の感染拡大を受け、エネルギー需要減への懸念が高まった。時間外から売り優勢となり、一時66ドル前半まで大きく値を下げた。ただ6%を超える下げ幅となると流石に売られ過ぎ感も強まり、一巡後はショートカバーが進んだ。欧米株安を嫌気した売りが強まり、ニューヨーク市場の中盤にかけて66.12ドルまで一段安となった。ただ、押し目買い興味も観測されており、通常取引終了後の時間外取引で69.08ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:リスク回避による換気目的売り優勢

NY金先物市場は1789.00-1804.60ドルのレンジ相場となった。オミクロン株・感染拡大への警戒感から世界株安が進み、金は換金を目的とした売りに押された。NY午後には為替相場でドルが底堅さを取り戻したことも、ドル建ての金の重石となった。アジア市場で1804.60ドルまで買われたが、戻り売りが強まり、ニューヨーク市場では1800ドルを下回る状態が続いた。株安を受けて換金目的の売りも増えており、通常取引終了後の時間外取引で1789.00ドルまで一段安となった。

 

米国債券市場はまちまち:翌日の米20年債入札控え売りが優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.63%で終了した。長期ゾーンは3日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.42%で終了した。新型コロナ・オミクロン株への懸念から時間外で債券買いが進み、10年債利回りは一時1.35%台まで低下した。ただ、明日の20年債入札への警戒感から引けにかけては売りが優勢となった。

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