FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:良好な企業決算を好感した買い優勢

NYダウは238.20ドル高の35061.55ドル、ナスダックは152.39ポイント高の14836.99ポイントで取引を終了した。長期金利が再び上昇したため、新型コロナ流行再燃による景気回復鈍化への警戒感が後退して寄り付き後に上昇した。良好な企業決算も手伝い、終日堅調に推移した。来週に決算を控えているハイテク関連にも期待感から買いが向かい、主要株式指数は史上最高値を更新して引けた。NYダウが終値で3万5000ドルを超えるのは初めて。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。VIX指数は17.69から17.20へ低下した。

 

NY外国為替市場:円安でも110.60円に届かず

ドル/円は、米国株式相場が堅調に推移し、主要3指数が史上最高値を更新すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが出て、一時本日高値となる110.58円まで値を上げた。ただ、110.60円には厚めの売りオーダーが観測されているほか、14日の高値110.70円がレジスタンスとして意識されると上昇は一服した。NY午後に入ると、週末とあって次第に値動きが鈍った。来週27-28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見気分も強かった。 

 

ユーロ/ドルは、前日に重要イベントである欧州中央銀行(ECB)定例理事会を通過したことから、終日方向感に乏しい展開だった。NY時間に限れば安値1.1755ドル、高値1.1781ドルで値幅は0.0026ドル程度だった。なお、バイトマン独連銀総裁は『ECBの低金利環境が過度に長期間維持される見通しについて懸念している』と述べたものの、相場の反応は限られた。バイトマン氏は前日のECB理事会でウンシュ・ベルギー中銀総裁と共にフォワードガイダンス変更に反対した。 

 

南アフリカランドは軟調だった。対ドルでは一時14.8632ランド、対円では7.44円といずれも3月31日以来の安値を更新した。南アフリカ準備銀行(SARB)が前日に、『ズマ前大統領の収監に抗議するデモを発端として今月発生した暴動で、コロナ禍からの景気回復が遅れる恐れがある』と警告し、低金利維持を示唆したことが引き続きランド売りを促した。SARBは22日、近く利上げが実施されるとの見方も出る中、政策金利を現行の3.50%に据え置くことを全会一致で決定した。一部では『利上げを主張するメンバーが出るのではないか』との思惑があっただけにランド売りが優勢となっていた。

 

NY原油先物市場は小幅に4日続伸:株高を意識した買い優勢

NY原油先物市場は71.39ドル-72.21ドルのレンジ相場となった。投資家のリスクオフや、18日に石油輸出国機構(OPEC)プラスが協調減産の段階的な縮小で合意したことを受けて週明けの19日は暴落したが、その後は米国株の巻き戻しやエネルギー需要見通しへの根強い期待感を背景に4日続けて買い戻しが入った。ただ、為替市場でユーロが対ドルで上値が重く、ドル建ての原油は割高感から売りも入り、上値は限られた。ニューヨーク市場の序盤に71.39ドルまで下げたが、株高を意識して下げ止まり、通常取引終了後の時間外取引で72.21ドルまで買われた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比7基増加の387基になった。

 

NY金先物市場は小反落:株高と米長期金利上昇で伸び悩み

NY金先物市場は1789.10-1810.70ドルのレンジ相場となった。米国株が堅調な動きになるなど、投資家のリスク回避姿勢の後退で安全資産の金に売りが入った。米長期金利の上昇も、金利を生まない金の上値を圧迫した。ロンドン市場で1810.70ドルまで買われた後、1789.10ドルまで反落。ニューヨーク市場では株高を意識して伸び悩み、1800ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は横ばい:米FOMCを控えて様子見ムード強く方向感欠く

米国債券市場で中長期ゾーンは横ばいとなった。米2年債国債利回りは前日比変わらずの0.20%、米10年物国債利回りは前営業日比変わらずの1.28%で終了した。来週27-28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。なお、7月米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は予想を上回った一方、同サービス部門PMI速報値は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。 

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