FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:引けにかけては押し目買いで下落幅縮小

米国株の大幅安を受けて、寄り付きから3桁の下落。節目の2万9000円をあっさり割り込んだことから下を試す流れとなり、開始早々に一気に下げ幅を400円超に広げた。しかし、売り一巡後は持ち直す展開になった。値上がり銘柄が比較的多かったことや、大型半導体株の下げがそれほど大きなものとならなかったことが安心材料となった。ただし、2万9000円台を回復したところでは戻り売りに上値が抑えられた。引けにかけては押し目買い意欲が強くなり下げ幅を縮小して終了した。結局、前営業日比167円安の2万9020円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇や株価下げ止まりでドル買い戻し

ドル/円は、前日のNY市場で伝わった富裕層を対象とした米キャピタルゲイン増税の報道を嫌気して軟調だった流れを引き継ぎ、107.80円付近まで下落し、約1ヵ月半ぶりのドル安・円高をつけた。日経平均株価の下げ幅が一時400円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。ただ、107.75円付近がテクニカル的に重要なサポートとして意識されており、下げは一服した。その後は、米長期金利上昇や日経平均株価の下げ幅縮小を眺めたドル買い・円売りが入り、107.95円付近へ値を切り返した。午後は、米長期金利や日経平均株価を睨みながら、107.90円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、夕方に発表されるフランスやドイツPMI(速報値)を見極めたいとの雰囲気から、1.2025ドルを挟んでこう着相場となった。

 

住友生命はオープン外債を増加:為替リスクは高まる

住友生命保険は、一般勘定資産の2021年度運用計画で、為替リスクをとらないヘッジ付き外債を1000億円単位で減少させる一方、オープン外債は利回りがとれる国を中心に1000億円単位で増加させる。一方、国内債券は金利リスク削減のため、超長期債をメインに数千億円規模で残高を積み増す方針とした。22日に開催した21年度運用方針説明会で明らかにした。オープン外債については、1000億円単位での増加を見込む。『米国も金利が上がってくれば投資できるが、今の水準では為替リスクを取るのには見合わない。オーストラリアなど利回りを取れる国を探して投資したい』としている。

 

ECBは6月会合での金融緩和縮小への協議開始に期待集まる

カナダ中央銀行は21日に開催した金融政策決定会合において、先進諸国の中央銀行の中で初めて緩和縮小を開始した。このため動向が注目されていた理事会で、欧州中央銀行(ECB)はパンデミック資産購入プロブラム(PEPP)の縮小を協議しなかったと、ラガルド総裁は会合後の会見で明らかにした。市場は新たな見通しが発表される6月の理事会に焦点を移した。アナリストは欧州でも今後、ワクチン接種ペースが加速し、ロックダウンも解消されるため景気の見通しをおしあげ、さらに、ドイツの付加価値税(VAT)の引き上げがインフレ見通しの引き上げにも繋がり、6月会合では緩和縮小の時期などに関し、真剣な協議が開始されると見ている。 

 

欧州市場では4月マークイットユーロ圏製造業PMIが公表

3月実績は62.5だった。ワクチン接種拡大によってユーロ圏の景気回復時期は多少早まる可能性がある。雇用情勢が急激に改善する可能性は低いものの、新規受注の増加が期待されることから、製造業PMIは3月実績には届かないものの、2ヵ月連続で60を上回る可能性が高いとみられる。

 

『ジェノサイド』を巡ってトルコと米国関係の悪化懸念

複数の海外メディアが報じたところによると、バイデン米大統領は、第一次世界大戦中にオスマン帝国が行ったアルメニア人への殺害行為を『ジェノサイド(民族虐殺)』として正式に認める模様である。米上院は2019年に既にジュノサイド認定決議を可決していたが、当時のトランプ政権は決議を支持しなかった。
第一次大戦でロシアの敵側で参戦していたオスマン帝国は、キリスト教徒であったアルメニア人がロシアと結託し帝国打倒を企てていると疑った。1915年から17年頃に同帝国は、反乱鎮圧のためという理由でアルメニア人の強制移住(シリア砂漠を行進)や拷問などを行い、そこで大量の犠牲者がでた。アルメニア側は死者数が150万人にも達したと主張している。一方、トルコは戦闘や病気で亡くなったのは30万人とし、欧州のキリスト教国による『ジュノサイド認定』に強く反発した。チャヴシュオール・トルコ外相も今週に入り、米国が認定するならば対米関係の見直しに繋がると警告していた。

 

米国のキャピタルゲイン税巡る報道でビットコインも下落

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが下落している。情報サイトのコインデスクによると、ドル建て価格は日本時間23日午前に一時1ビットコイン=48,600ドル台と、3月上旬以来約1ヵ月半ぶりに節目の5万ドルを割り込んだ。今月に付けた最高値(約64,800ドル)から2割以上下落した。バイデン米政権がキャピタルゲイン課税を大幅に引き上げる見通しが伝わり、嫌気した売りが広がった。足元では5万ドル前後で推移。

 

米国市場では4月マークイット製造業PMIが公表

3月実績は59.1だった。ワクチン接種の拡大によって足元の企業景況感は改善しつつある。また、雇用拡大や新規受注の増加なども期待されていることから、製造業PMIは3月実績を上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比1.5%/前年比3.5%)
○15:00   3月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比2.0%/前年比4.5%)
○16:15   4月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:59.0)
○16:15   4月仏サービス部門PMI速報値(予想:46.5)
○16:30   4月独製造業PMI速報値(予想:65.8)
○16:30   4月独サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○17:00   4月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:62.0)
○17:00   4月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:49.1)
○17:30   3月香港CPI(予想:前年同月比0.8%)
○17:30   4月英製造業PMI速報値(予想:59.0)
○17:30   4月英サービス部門PMI速報値(予想:59.0)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:4.75%に引き上げ)
○20:00   菅首相、新型コロナウイルス対応について記者会見
22:45   4月米製造業PMI速報値(予想:60.5)
○22:45   4月米サービス部門PMI速報値(予想:61.9)
○22:45   4月米総合PMI速報値
○23:00   3月米新築住宅販売件数(予想:前月比12.0%/88.6万件)
○トルコ(国民主権と子供の日)、休場

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