FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:高値警戒感から利食い売り優勢

NYダウは123.04ドル安の34077.63ドル、ナスダックは137.58ポイント安の13914.77ポイントで取引は終了した。前週末までに2日連続で史上最高値を更新したあとだけに、高値警戒感が台頭し利食い売りなどが優勢となった。このところ上昇が目立っていた景気敏感株が売られたほか、米長期金利が上昇したことで高PER(株価収益率)のハイテク株の一角に売りが出た。バイデン大統領が2.3兆ドル規模のインフラ法案を巡り合意に向けた交渉に応じる姿勢を示すと下げ止まったが戻りは限定的で、終日、軟調推移となった。VIX指数は16.25から17.29へ上昇した。

 

NY外国為替市場:新規の手掛かり材料乏しく方向感出ず

ドル/円は、欧州序盤に一時107.98円と3月5日以来の安値を付けたあとは、108.00円に観測されているまとまった規模の買いオーダーに下値を支えられて108.31円付近まで下げ渋った。米長期金利が上昇に転じたことも相場の下支え要因となった。ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。その後、再び107.99円まで下落した。もっとも、NY時間に限れば値幅30銭程度のレンジ取引に終始した。本日は主要な米経済指標の発表もなく、新規の手掛かり材料に乏しかったため大きな方向感は出なかった。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.5500%前後まで低下したことをきっかけに全般ドル売りが先行した。先週上値を抑えた節目の1.2000ドルを上抜けると、断続的にストップロスを巻き込んで一時1.2048ドルと3月4日以来の高値を付けた。ただ、米10年債利回りが1.6153%前後まで一転上昇するとドル売りの勢いは後退した。そのあとは1.20ドル台前半から半ばでのもみ合いに終始した。

 

ポンドは全面高となった。ポンド/ドルは一時本日高値となる1.3993ドル、ポンド/円は151.33円まで値を上げたほか、ユーロ/ポンドは0.8589ポンドまでユーロ安・ポンド高に振れた。英国では新型コロナウイルスワクチン接種が順調に進んでおり、経済正常化を期待したポンド買いが続いた。

 

NY原油先物市場は小反発:ドル安を意識した買いがやや優勢

NY原油先物市場は62.67ドル-63.69ドルのレンジ相場となった。先週末の反落の後を受けた自律反発となったものの小動きとなった。コロナ禍におけるエネルギー需要の行方に不透明感もあり、値幅は限られた。アジア市場で62.67ドルまで下げたが、ドル安を意識して、ニューヨーク市場の序盤にかけて63.69ドルまで買われた。ただ、米国株安を意識して上げ幅は縮小した。時間外取引では63ドル台半ば近辺で推移した。

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに反落:米長期金利下げ渋りで売り優勢

NY金先物市場は1766.60-1790.40ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りは不安定に振れつつも1.6%付近で持ち直し傾向を維持した。金利を生まない資産である金は売られやすかった。1790.4ドルまで2月25日以来の高値を更新したものの、失速した。金先物はロンドン市場の序盤にかけて1790.40ドルまで買われたが、その後は伸び悩み、ニューヨーク市場では1770ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:米経済の回復期が根強く売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.60%で終了した。新型コロナウイルスワクチンの普及に伴う米経済の回復期待は根強く、安全資産とされる米国債には売りが出た。

 

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