FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:終盤利益確定売りに押される展開

NYダウは96.95ドル安の33430.24ドル、ナスダックは7.21ポイント安の13698.38ポイントで取引を終了した。史上最高値付近での利益確定売りが優勢となり寄り付き後は下落した。ただ、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを上方修正したことなどが支援材料となり、買いが入る場面もあったが、終盤売りに押された。前日に好調な米経済指標を支えに過去最高値を更新していただけに、上昇が目立っていた銘柄に短期的な利益確定売りが集まった。長期金利の低下でナスダック総合指数は底堅く推移したが引けにかけ、下落に転じた。VIX指数は17.33から18.12へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で全般ドル売り優勢

ユーロ/ドルは、この日は主要な米経済指標の発表もなく、新規の手掛かり材料に乏しかったが、前日と同様にNY勢が加わる時間帯に入ると全般ドル売りが優勢となった。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.65%台まで低下したことがドル売りを促し、一時1.1878ドルと3月23日以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.27と3月23日以来の低水準を付けた。なお、国際通貨基金(IMF)はこの日公表した最新の世界経済見通しで、2021年世界成長率予測を前回の5.5%から6.0%に上方修正した。新型コロナウイルスのパンデミックに米国などが過去に例のない大規模な対策を打ち出したことが寄与し、1976年以降で最も高い成長を見込む。一方、各国内および先進国と発展途上国との格差拡大や乖離には警鐘を鳴らした。 

 

ドル/円は、欧州市場では一時110.55円の本日高値まで買われる場面もあったが、NY市場ではさえない展開になった。『111.00円にかけて断続的に観測されている売りオーダーに上値を抑えられた』との声が聞かれる中、米長期金利の低下に伴うドル売りが優勢となり、前日の安値109.96円や一目均衡表転換線109.85円を下抜けて一時109.63円まで値を下げた。その後の戻りも109.93円付近にとどまった。 

 

NY原油先物市場は反発:需要増加への期待から買い優勢

NY原油先物市場は58.62ドル-60.90ドルのレンジ相場となった。中国3月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が昨年12月以来の高い水準となったことや、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを上方修正したことなどが支援材料となり、景気回復によるエネルギー需要増加への期待感で買いが優勢となった。米イランは核合意再建へ間接協議が行われ、米国による対イラン制裁解除とイランによる核合意履行に向けた具体的な計画を策定し、9日に協議を再開する方針で一致した。アジア市場の序盤で58.62ドルまで下げたが、米ドル高が一服していることや、米長期金利の低下を意識した買いが入った。ニューヨーク市場で一時60.90ドルまで反発。ただ、通常取引終了後の時間外取引では利食い売りも観測されており、上げ幅は縮小した。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利の低下を好感した買い

NY金先物市場は1728.20-1746.70ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことや米長期金利が低下したことが、金の買いを後押しし、中心限月ペースで約1カ月ぶりの高値をつけた。アジア市場の序盤で1728.20ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて1746.70ドルまで一段高となった。

 

米国債券市場は続伸:早期利上げ観測後退で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.66%で終了した。『米連邦準備理事会(FRB)による早期引き締め観測による相場の動きは行き過ぎ』との見方が広がり、債券買いを誘った。『4月は日本の機関投資家の新年度入りに当たり、期初計画に基づいた買いが入りやすい』との声も聞かれた。 

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