FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:米国株市場の下落した流れを引き継ぐ

前日の米国株式市場が下落した流れを引き継いだ。ただ、外国為替市場では円安が進行したことで主力輸出株には追い風となった。また、為替と連動する先物買いが入り、下げ幅を縮小する場面が見られたが、その後は安値圏へ沈んだ。結局、前営業日比253円安の2万9178円と5日ぶりに反落して終了した。信用評価損率は26日申し込み時点でマイナス7.41%と、前の週(マイナス5.9)%)から3週ぶりにマイナス幅が1.42ポイント悪化した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇からドル買い優勢

ドル/円は、本邦国内勢や海外勢などから月末・期末に絡むドル買い・円売りフローが持ち込まれ、110.85円付近へ上伸した。米長期金利が1.74%付近へ上昇し、日米金利差が拡大したこともドルの押し上げにつながった。午後に入っても、堅調地合いは続いて一時110.97円付近まで上昇、およそ1年ぶりとなるドル高・円安をつけた。ただ、心理的節目の111.00円に接近すると上げは一服した。その後は、急ピッチの上昇に対する警戒感から利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、110.80円台を中心に取引された。海外時間にバイデン米大統領が公表するインフラ投資計画の内容を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.1710ドル前後でこう着相場になった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ大統領の中銀人事への介入を嫌気:CDSは高止まり

エルドアン・トルコ大統領は30日、トルコ中銀副総裁の更迭を発表。20日の総裁解任に続く大統領の中銀人事への介入が嫌気された。大統領が2週間弱で中央銀行の総裁と副総裁を入れ替えたことで、中銀独立性への信認は大きく揺らいだままである。信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)もトルコ5年物国債CDSは460ベーシスポイント(bps)台と高止まりしている。リラの買い難さは依然として続き、実際に新たな総裁の下での政策内容を確認するまでは上値の伸びも限定される。

 

南アの今週末のロックダウンの規模は変更なし

昨日ラマポーザ大統領が首相と会談を行ったが、現地ニュースによると、今週末のイースター休暇時はロックダウンの規模(現在はレベル1)の変更は行われないと報じている。南アでも感染が拡大していることで、一部ではレベル2への引き上げの可能性も話し合われた。本日の南ア経済指標は2月の貿易収支が発表されるが、市場が動意づくのは難しそうである。

2月南アフリカ貿易収支(予想:195億ランドの黒字)

 

アトランタ連銀総裁は米債利回り上昇を容認

米連邦準備制度理事会(FRB)のクオールズ副議長はオンライン討論会(金融安定化関連)に参加し、FRBがインフレを2%以上に押し上げることを公約していると主張した。 また、ボスティック米アトランタ連銀総裁は、今後の雇用の大幅増を期待しているとしたほか、利回りの上昇においてFRBの対処の必要性はないとの考えを示した。

 

3月消費者信頼感指数は高水準:米経済の成長に強気の向き増える

コンファレンスボードが発表した3月消費者信頼感指数は109.7と、2月90.4から予想以上に上昇し、パンデミックが開始した昨年3月以降1年ぶり高水準となった。2月からの19.3の上昇は18年近くで最大となった。現況指数は110.0と、やはり昨年3月来で最高となった。期待指数は109.6と、2019年7月以降ほぼ1年半ぶり高水準となった。ワクチン接種ペースの加速が経済活動の再開を助け、さらに、追加経済対策が回復を後押しするとの期待が高まった。また、今後数か月の労働市場への期待も広がった。
消費者信頼感の回復が消費の拡大に繋がると、アナリストは米国経済の成長により強気になっている。本年の米国経済が7%、来年の経済が5%と力強い成長を予想している。また、3月の雇用統計でも100万人の雇用増予想も出始めた。

 

バイデン米大統領のインフラ計画に注目集まる

バイデン米大統領は31日、ピッツバーグでの演説でインフラ計画「ビルド・バック・ベター(より良き再建)」を公表し、税制改革案についても説明を始める見通しである。そして、約2兆ドル規模の雇用・インフラ支出計画を公表する。8年間にわたる雇用対策と道路・橋梁プロジェクト向けの支出計画となる。また、年間40万ドルを超える個人所得に対する最高税率を39.6%に戻したい意向である。さらに、法人税率を21%から28%に引き上げることや、外国子会社からの利益に対するグローバルミニマム税の導入などが含まれるという。

 

米国市場では3月ADP雇用統計が公表

新規失業保険申請件数は緩やかに減少している。さらに、米国各州で経済活動の拡大が報告されていることから、3月における民間部門の雇用者増加数は直近数カ月の実績を上回る可能性が高いとみられる。

 

欧米市場のイベント

○15:00   10-12月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比1.0%/前年比▲7.8%)
○15:00   10-12月期英経常収支(予想:340億ポンドの赤字)
○15:00   3月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
○15:45   3月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.7%/前年比1.2%)
○15:45   2月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   2月仏消費支出(予想:前月比2.0%)
○16:00   2月トルコ貿易収支(予想:34億ドルの赤字)
○16:55   3月独雇用統計(予想:失業率6.0%/失業者数変化▲0.3万人)
○18:00   3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.3%)
○18:00   3月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.1%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   2月南アフリカ貿易収支(予想:195億ランドの黒字)
○21:15   3月ADP全米雇用報告(予想:55.0万人)
○21:30   1月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.5%/前年比▲2.6%)
○21:30   2月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比2.5%)
○21:30   2月カナダ原料価格指数
○22:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○22:45   3月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:60.7)
○23:00   2月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲2.9%/前年比6.5%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○バイデン米大統領、インフラ再構築計画を発表

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