FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:SLRの打ち切りで銀行株中心に下落


NYダウは234.33ドル安の32627.97ドル、ナスダックは99.07ポイント高の13215.23ポイントで取引を終了した。アラスカ州で開催された米中外交トップ会談で、米中の対立が露呈し警戒感から寄り付き後に下落した。米連邦準備理事会(FRB)が米銀行の自己資本比率に影響する『補完的レバレッジ比率(SLR)』の特例措置を延長せず、予定通り3月末で終了すると発表すると、投融資への影響が警戒されて、ゴールドマン・サックスなど銀行株が下落した。『米当局はデビットカード決済を巡る反競争的行為の疑いでビザを調査している』と伝わり、同社株が6%超下落したことも相場の重石となった。一方、押し目からの買いにハイテクは持ち直し、ナスダック総合指数は堅調推移となった。VIX指数は21.58から20.95へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利のドル買いも引けにかけては持ち高調整

ドル/円は、欧州序盤に一時108.61円と日通し安値を付けたものの、米10年債利回りが1.74%台まで上昇すると買い戻しが優勢になった。米連邦準備理事会(FRB)が米銀行の自己資本比率に影響する『補完的レバレッジ比率(SLR)』の特例措置を延長せず、予定通り3月末で終了すると伝わると、米国債は売られ(金利は上昇)、米国株は金融株中心に売りが広がった。為替市場では米金利上昇に伴うドル買いや、米国株安に伴うリスク回避のドル買いが優勢となり、一時109.04円付近まで持ち直した。もっとも、NY中盤以降は週末を控えた持ち高調整の動きに終始し、108円台後半で値動きが鈍った。 

 

ユーロ/ドルは、欧州各国で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることからユーロ売りが出やすい中、FRBがSLRの緩和措置を延長しないと発表すると米長期金利が上昇した。全般ドル買いが優勢となり、一時1.1874ドルと日通し安値を更新した。ただ、NYダウが下げ渋ったうえ、ナスダック総合が持ち直すとリスク回避のドル買いが後退した。米10年債利回りが上昇幅を縮めたこともあり、1.1912ドル付近まで下げ渋った。 

 

NY原油先物市場反発:週末の持ち高調整の買い優勢

NY原油先物市場は59.01ドル-61.80ドルのレンジ相場となった。昨日に7%超急落し、5日続落したことで、週末を控えた持ち高調整の買いが入った。ただ、欧州でコロナ感染が再拡大していることや、ワクチン供給をめぐって混乱も出ていることなどで、景気回復の遅れへの懸念を背景とした売りも入り、下方向への懸念は払しょくされていない。ロンドン市場で61.41ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて日中安値の59.01ドルまで反落した。しかしながら、ドル高一服を意識した押し目買いが観測されており、通常取引終了後の時間外取引で61.80ドルまで上昇した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比9基増加の318基になった。

 

NY金先物市場は小幅高:インフレヘッジ目的の買い優勢

NY金先物市場は1727.10-1746.10ドルのレンジ相場となった。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を受けて早期の引き締め観測が後退したことが引き続き金の支えとなっている。また、景気回復に伴うインフレ警戒感も、インフレヘッジ目的の金の買いを後押しした。アジア市場で1727.10ドルまで売られたが株安を意識した買いが入ったことで下げ止まった。ニューヨーク市場の序盤にかけて再び伸び悩む展開となったが、通常取引終了時点にかけて持ち直し、通常取引終了後の時間外取引で1746.10ドルまで買われた。

 

米国債券市場は4日続落:銀行による国債売り懸念高まる

米国債券市場で長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.72%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)が米銀行の自己資本比率に影響する『補完的レバレッジ比率(SLR)』の特例措置を延長せず、予定通り3月末で終了すると発表すると、銀行による国債の売りが出るとの懸念が高まった。10年債利回りは一時1.7477%前後まで上昇する場面があった。 

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