FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:FOMCの結果を好感した買い優勢

注目されていた米連邦公開市場委員会(FOMC)の後に、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がテーパリング(量的緩和の縮小)について協議を始める時期ではないとの認識を示したことが安心感を誘い、幅広い業種で買い戻しの動きが活発化した。しかし、後場が始まるまでの昼休み中、日銀が長期金利の変動幅を小幅拡大すると伝わると、円高基調が強まったことで、上げ幅を縮小する動きになった。結局、前営業日比302円高の3万0216円と反発して終了した。3月第2週の外国人投資家は2週連続で3008億円の買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:日銀の金融政策修正報道で円買い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、109.13円付近までじり高となった。米長期金利が上昇したこともドルの押し上げにつながった。ただ、昼頃に、日経新聞が『日銀は明日まで開催されている金融政策会合で、長期金利の誘導策は変動を認める幅を現状より若干広げ、プラスマイナス0.25%程度とする方針だ』『上昇投資信託(ETF)の買い入れは年6兆円とする目安をなくし、市場の混乱時のみ購入する姿勢を明確にする見通し』などと報じた。これを受けて、日銀はある程度の金利上昇を容認するとの見方が広がったことから円買いが強まり、109円台を割り込んで108.62円付近まで急落した。その後、米長期金利が高止まりする中でドル買い・円売りが入り、109円付近へ持ち直す展開になった。しかし、英中銀(BOE)政策金利発表や日銀政策決定会合の結果を見極めたいとの雰囲気から様子見ムード強く、108.80円台へ下落する荒い値動きとなった。ユーロ/ドルは、1.1960ドル台を中心とした狭いレンジ取引となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日銀の金融政策修正報道

日本経済新聞によると、日銀は18日午後から19日まで開く金融政策決定会合で、金融緩和策の一段の長期化を見据えた政策修正を議論する。長期金利の誘導策は変動を認める幅を現状より若干広げ、プラスマイナス0.25%程度とする方向である。低金利環境を維持しつつ市場機能も働きやすくし、金融機関の収益改善につなげる。上場投資信託(ETF)の買い入れは年6兆円とする目安をなくし、市場の混乱時にのみ購入する姿勢を明確にする見通しである。

 

来週までは南アランドは動意づきにくい展開

南アからは来週に2月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)が発表され、その後に南ア準備銀行(SARB)の政策金利の発表があることで、これらの指標と中銀の金融政策委員会(MPC)までは南アの国内情勢でランドが動意づくのは難しい。

 

メキシコではウイルス感染状況は峠越え

メキシコでの新型コロナウイルス感染状況はようやく峠を越えたようである。1日当たりの新規感染者数は1月22日の2万2000人超をピークに、足もとでは6000人台まで減少した。死者数も累計20万人超えは避けられない状況ながら、こちらも1月をピークに着実に減少している。また、新型コロナワクチンは米ファイザー、英アストラゼネカ、中シノバック、露のスプートニクVなどを合わせて、すでに400万回分を接種済みである。政府は中国カンシノのワクチン接種も開始することで、4月中に60歳以上の全高齢者に接種を完了することを目標としている。

 

バイデン米大統領発言で駐米大使をモスクワに召喚

米大統領選介入に絡みロシアのプーチン大統領は『代償を払う』ことになるとバイデン米大統領が発言したのを受け、ロシアは17日、駐米大使をモスクワに召還した。両国関係の将来について協議するためという。
米国家情報官室(ODNI)は16日、2020年の米大統領選で当時現職だったドナルド・トランプ氏を勝たせようとロシアが行った政治工作は、プーチン大統領が指示していた公算が大きいとする報告書を公表した。在米ロシア大使館は17日、事実無根だと反論した。バイデン大統領はABCニュースとのインタビューで、プーチン大統領は『代償を払う』ことになると述べ、どのような代償かとの問いには『近く明らかになるだろう』と答えた。ロシア外務省は声明で、対米関係の将来について協議するためアナトリー・アントノフ駐米大使をモスクワに呼び戻したと明らかにした。

 

米連邦公開市場委員会(FOMC)では改めて金融緩和姿勢を確認

米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、17日の2日間に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。ワクチン接種ペースの加速で経済活動の再開に拍車がかかっているほか、大規模追加経済対策が回復を支援するため、四半期ごとに発表されるFRBメンバー予測の中で、2021年の国内総生産(GDP)成長率見通しを引き上げた。 金利に関しては、18人のメンバーのうち7名が23年までに少なくとも1回の利上げを予想したが、中央値では23年までゼロ金利を維持する可能性が示唆され、FRBの緩和姿勢が改めて確認された。

 

米ウェルズファーゴは米10年債は近く2%を超える可能性を予想

米FOMCが緩和的スタンスを維持し、パウエル米FRB議長が利上げを考え始める時期ではないとの認識を示唆したのを受け、ウェルズ・ファーゴは米10年債利回りが『数週間以内に』1.75%を付け、『年央までに』2%を超える可能性があると予想した。17日付けのリポートで、『パウエル議長は長期債利回りを押し下げるような発言は何もしなかった』と指摘した。『寛容なFOMCと大規模な国債供給が重なって利回りは引き続き押し上げられるというのがわれわれの見方だ』と述べた。リポートはドルがFOMC決定後に下落したが、『長続きはしない可能性がある』と予想した。『今日のFOMC発表をきっかけにドルにかなりの下押し圧力にさらされている。米国債利回り曲線のベリー部分の大幅低下が要因の公算が大きい。しかし、期間が長めの債券利回りは依然として比較的しっかりしており、米国の経済成長とワクチン接種の進展が今後数週間は少なくとも底堅い米ドルを支え続けるだろう』と分析した。

 

欧米市場イベント

○16:30   2月スイス生産者輸入価格
○17:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、議会証言
○17:30   2月スウェーデン失業率
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○19:00   1月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済290億ユーロの黒字)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:18.00%に引き上げ)
○20:00   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは8950億ポンドで据え置き)
○21:00   MPC議事要旨
○21:30   3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:23.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:70.0万件/407.0万人)
○21:30   ホールデン英MPC委員、講演
○22:00   デギンドスECB副総裁、講演
○23:00   2月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.3%)
○19日00:30   エルダーソンECB専務理事、講演
○19日00:55   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、あいさつ
○19日03:00   シュナーベルECB専務理事、講演

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