FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:早期の金融引き締めへの警戒感後退で買い

NYダウは289.42ドル高の33015.37ドル、ナスダックは53.64ポイント高の13525.20ポイントで取引を終了した。長期金利の上昇を受けて、景気循環株を中心に買いが広がり、ダウは寄り付き後に上昇した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。注目されていた米連邦公開市場委員会(FOMC)金利・経済見通しで『2023年末まで利上げがない』との見方が示されると、早期利上げ観測が後退し株式への買いが広がった。パウエルFRB議長が会見で『一時的にインフレ率が2%を超えたとしても利上げの要件を満たさない』『テーパリング議論を始める時ではない』『今後も必要な限り支援を続ける』と述べたことも好感された。また、長期金利の上昇が一段落したため、ナスダック総合指数は下落から上昇に転じた。VIX指数は19.79から19.23へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FOMCの結果公表を受けドル失速

ユーロ/ドルは、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を前に様子見ムードが広がり、しばらくは1.1900ドルを挟んだもみ合いが続いていたが、FOMC結果公表後は全般ドル売りが優勢となった流れに沿って、一時1.1985ドルまで上値を伸ばした。FRBは16-17日に開いたFOMCで、市場予想通りFF金利の誘導目標を0.00-0.25%に据え置くことを全会一致で決定した。声明では経済活動と雇用について『回復ペースが穏やかになった後、最近は上向いてきた』と認識を引き上げた。インフレについては前回の『弱い需要と先の原油価格の下落は消費者物価の上昇を抑えている』との文言を削除したが、『引き続き2%を下回っている』と指摘した。なお、注目されていたFOMC参加者18人による経済・金利見通しでは、2023年までゼロ金利政策を維持する方針が改めて示された。米早期利上げ観測が後退したことで、一時は1.6868%前後と昨年1月以来約1年2カ月ぶりの高水準を付けていた米10年債利回りが1.61%台まで低下し、為替市場ではドル安が進んだ。パウエルFRB議長が会見で『全体的なインフレ率は2%の目標を下回っている』とし、『一時的にインフレ率が2%を超えたとしても利上げの要件を満たさない』『テーパリング議論を始める時ではない』との見解を示したこともドル売りを誘った。

 

ドル/円は、米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行し、一時109.32円まで上昇する場面があった。ただ、FOMC後は全般ドル売りが優勢となった影響を受けて、一時本日安値となる108.70円まで値を下げた。FOMC見通しでは21年経済成長率が大幅に上方修正されたものの、政策金利については23年末までゼロ金利政策が維持されるとの見通しが示された。市場では景気回復の加速を背景に『23年に1回の利上げに踏み切る』との見方が増えていただけに、米金利の低下とともにドル売りで反応した。 

 

NY原油先物市場は4日続落:需給不均衡懸念からやや売り優勢

NY原油先物市場は63.64ドル-65.40ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で、原油在庫は239.6万バレルの積み増しと市場予想ほど増加しなかったが、4週連続の在庫積み増しとなり、ガソリン在庫は減少予想に反して47.2万バレルの積み増しとなった。需給不均衡懸念が高まり、一時63.60ドルまで下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を受けて全般ドル売りが進み、引けにかけては買い戻しが入った。アジア市場で65.40ドルまで買われたが、利食い売りが強まり、まもなく反落。ニューヨーク市場で63.64ドルまで下落したが、押し目買いが入ったことで下げ幅は縮小した。米金融緩和策の長期継続が予想されたことで通常取引終了後の時間外取引では、一時64.79ドルまで戻す場面もあった。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:米FOMCの結果後は買い戻し

NY金先物市場は1722.00-1750.60ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、様子見ムードが強かったが、米長期金利の大幅上昇を背景にドル高が進み、ドル建ての金に割高感が生じたことが上値を圧迫した。FOMC結果公表を受けて早期の引き締め観測が後退し、為替相場ではドル売りが優勢となり、金に買い戻しが入った。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明を控え、ニューヨーク市場の序盤にかけて1722.00ドルまで売られた。しかしながら、現行の金融緩和策は長期間維持される可能性が高いとの見方が広がり、代替資産としての金の需要は増加した。通常取引終了後の時間外取引で1750.60ドルまで上昇した。

 

米国債券市場は続落:米FOMCの結果を受け下げ幅縮小

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.64%で終了した。米追加経済対策や新型コロナワクチン普及で米景気の回復基調が強まるとの楽観が続き、相対的に安全資産とされる米国債には売りが先行した。10年債利回りは一時1.6868%前後と昨年1月以来約1年2カ月ぶりの高水準を付けた。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて米早期利上げ観測が後退すると買い戻し(金利は低下)が優勢となり、下げ幅を縮めた。 

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