FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米長期金利の上昇が落ち着き買いが優勢

NYダウは603.14ドル高の31535.51ドル、ナスダックは396.48ポイント高の13588.83ポイントで取引が終了した。米下院が1.9兆ドル規模の追加経済対策を可決したほか、米食品医薬品局(FDA)が米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンに緊急使用許可を出したことを受けて、早期の経済正常化への期待が高まった。前週の株価急落のきっかけとなった米長期金利の上昇がひとまず落ち着いたほか、2月ISM製造業景況指数が予想を上回ると上げ幅を拡大した。投資家心理の改善につながり一時730ドル超上昇する場面があった。VIX指数は27.95から23.35へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利動向に振れる展開

ドル/円は、時間外の米10年債利回りが1.45%台まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが先行し、一時106.77円まで値を上げた。米10年債利回りが1.41%台まで上昇幅を縮めると106.52円付近まで下押しする場面もあったが、NYダウが一時730ドル超上昇し、豪ドル/円などクロス円が上昇するとドル/円も再び強含む展開になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するバーキン米リッチモンド連銀総裁が『イールドカーブの状況は見通しに対する自然な反応』『インフレ期待が上昇している兆候はない』と発言したことで、米10年債利回りが1.4582%前後と本日高値を付けるとドル高が進み、一時106.89円と昨年8月28日以来の高値を更新した。もっとも、同日高値106.95円が目先レジスタンスとして意識されると、引けにかけてはやや伸び悩んでいる。なお、2月米ISM製造業景気指数は60.8と予想の58.6を上回り、2018年2月以来3年ぶりの高水準となった。

 

ユーロ/ドルは、米国株相場の上昇に伴うリスク選好のドル売りが出ると1.2067ドル付近まで持ち直したものの、ビルロワドガロー仏中銀総裁が『最近の利回りの上昇は不当であり、欧州中央銀行(ECB)はそれに対応する必要がある』『選択肢には必要に応じて預金金利の引き下げが含まれる』などと発言すると、一時1.2028ドル付近下落し欧州時間に付けた日通し安値に面合わせした。

 

暗号資産(仮想通貨)ビットコインは持ち直しの動き。2月28日には一時43100ドル台まで下落していたものの、そこから急反発に転じ、昨日ついに49400ドル台と再び5万ドルを意識するレベルまで回復してきた。足もとは小緩んだ48600ドル台。ここから上値は重そうだが、下値リスクが軽減した感は否めず、じり高推移が続くとの見方も少なくない。

 

NY原油先物市場は続落:協調減産の緩和観測が相場の重石

NY原油先物市場は59.96ドル-62.92ドルのレンジ相場となった。米国では先週末、大規模な追加コロナ対策が下院で可決され、また同国で3番目となる新型コロナウイルスワクチンが承認された。経済正常化への期待が高まるなか原油先物は時間外から買い戻しが強まり、一時63ドル手前まで上昇した。しかしながら、NY勢の本格参入後は上値が重い展開になった。為替相場でドル高が進んだことや、今週の石油輸出国機構(OPEC)会合における協調減産の緩和観測が依然として重石となった。一時60ドル割れまで売り込まれる場面があった。アジア市場の序盤で62.92ドルまで戻したが、買いは続かず、62ドル台半ば近辺でのもみ合いが続いた。ニューヨーク市場ではドル高や長期金利の上昇を嫌気してポジション調整的な売りが強まり、一時60ドルを下回った。 

 

NY金先物市場は5日続落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1717.20-1757.40ドルのレンジ相場となった。先週末の大幅下落の反動で時間外では買い戻しが先行した。しかしながら為替相場でドルがユーロに対し再び強含むと、ドル建ての金先物は上値を切り下げる展開になった。NY午後には米長期金利の上昇が重石となり、一時1720ドルを割り込む場面もあった。アジア市場で1757.40ドルまで買われたが、欧米諸国の株高を意識して上値は次第に重くなった。ニューヨーク市場では、米長期金利の反発が観測されており、通常取引終了後の時間外取引で1717.20ドルまで下落した。

 

米国債券市場は小幅反落:米追加か経済対策やワクチン普及期待から売り

米国債券市場で長期ゾーンは小幅反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.42%で終了した。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から債券売りが先行した。バーキン米リッチモンド連銀総裁が『イールドカーブの状況は見通しに対する自然な反応』『インフレ期待が上昇している兆候はない』と発言したことも相場の重石になった。ただ、前週末に大幅下落したことから、値ごろ感からの買いも入ったため下値は堅かった。

 

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