FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:利益確定売り優勢も下値では押し目買い

昨日の米国株安を受け、3万円の大台を割り込んでスタートした。売り一巡後は3万円台を回復する場面はあったが、買いは続かず再び3万円を下回ると、終盤にかけて下げ幅を広げた。米国の金利上昇懸念から米国のグロース株が売られたこともあり、日本株式市場大型グロース株を中心に売りが優勢になった。また、日銀がETFの買い入れを見送ったとの観測が午後の相場の重荷となり、下げ幅が一時400円に迫る場面もあった。しかし、景気回復への期待は根強く下値では買いが入った。結局、前営業日比218円安の3万0017円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いで上値の重い展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、105.74円付近まで値を上げた。しかし、前日に発表された米雇用関連指標が予想外に低調な数字だったことが意識され、ドル買いは続かなかった。その後は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いも見られ、105.70円を挟んでもみ合いとなった。午後は週末を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、105.56円付近までじり安となった。アジア主要株価が総じて下落していることも、リスク回避の円買いを誘った。ユーロ/ドルは、本日発表の英国やユーロ圏の経済指標を見極めたいとのムードが広がり、1.20ドル台後半で小動きに終始した。

 

南ア大統領の施政方針演説にサプライズなし

昨日のラマポーザ南ア大統領の施政方針演説では、『南ア国内のワクチン投与が始まったことで、あまり悲観的になることをやめるべきだ』『雇用は数字が徐々に改善されるとデータが示している』と発言した。また再生エネルギーをはじめとしたエネルギー政策や、個人へのスキル投資などを促すことを発表した。ただ、ランドはプラチナ価格を中心としたコモディティの値動きに左右されることが多いことで、引き続き同価格の動きを注視する必要がある。

 

トルコの政策金利は据え置きも引き締めスタンスは維持

トルコ中銀は政策金利を市場予想通りに17%で据え置くことを決定した。据え置きは1月に続き2会合連続となった。中銀は声明で『インフレの長期的な低下や恒久的な物価安定が強く示される指標がでるまで、金融政策の引き締めスタンスは断固として維持』『必要に応じて追加の金融引き締めを実施』と述べた。 アーバル総裁が率いるトルコ中銀は昨日の声明で、今後3年間で物価上昇率が目標の5%に低下するまで、金融政策を引き締めて『強力なディスインフレ効果』を生み出すと強調した。1月のトルコ消費者物価指数(CPI、前年比)は15%に迫っており、目標まではかなり遠い道のりである。来月初旬に発表される2月CPI次第では、追加利上げが完全に視野に入ってきそうである。『中銀の独立性』への懸念もアーバル総裁の就任後は後退しており、トルコ金融当局に対する信頼感の高まりもリラの支えとなる。

 

米新規失業保険申請件数が予想外の増加で雇用依然低迷か

労働省が発表した13日までの先週分新規失業保険申請件数は前週比1.3万件増の86.1万件と前回から減少予想に反し2週連続の増加で1月中旬来で最高となった。失業保険継続受給者数は449.4万人と前回455.8万人から減少したものの予想442.5万人は上回った。ワクチンの普及にもかかわらず新型コロナウイルスの収束が遅れ経済活動の再開が思うように進まずレストランなど従業員の解雇を余儀なくされている。さらに、従業員が復職に消極的であることも加わり、失業保険申請件数の減少ペースは期待ほど加速しない。 テキサス州の寒波による混乱で今後の申請件数が増加する可能性も懸念される。また、3月初旬に発表予定の2月雇用統計で雇用の停滞が表明される可能性が強まりつつある。

 

バイデン大統領にとって初のG7首脳会議:コロナや中国対応を協議

バイデン米大統領は19日に開催される先進7カ国(G7)首脳のテレビ電話会議で、新型コロナウイルス対策や世界景気回復への取り組み、中国への対応などを巡り討議すると、ホワイトハウスのサキ報道官が18日明らかにした。
サキ報道官は『バイデン大統領はワクチン生産や供給を含む新型コロナを巡る国際的な対応に焦点を当てる』とし、『全ての先進国による回復に向けた経済支援継続の重要性など、世界経済回復についても議論する』とした。さらに『中国が呈する経済問題への対応に向けた国際的な役割の刷新』や気候変動問題についても協議すると明らかにした。バイデン大統領にとっては、就任後初のG7首脳会議となる。

 

米国市場では2月マークイット製造業PMIを公表

1月実績は59.2だった。ウイルス感染拡大を抑制するための制限措置は緩和されていないため、製造業景況感のさらなる改善は期待できない。ただし、感染者数は減少しつつあることから、新規受注や雇用はややしっかりとなる可能性がある。

 

米国市場では1月中古住宅販売件数を公表

12月実績は676万戸だった。1月については、在庫水準の回復は多少遅れていることや、雇用・所得環境の大幅な改善は期待できないことから、12月実績を下回る可能性が高い。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.8%)
○16:00   1月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲2.5%/前年比▲1.3%)
○16:00   1月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲2.6%/前年比2.2%)
○16:30   10-12月期スイス鉱工業生産指数
○16:45   1月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.2%/前年比0.6%)
○17:15   2月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:51.4)
○17:15   2月仏サービス部門PMI速報値(予想:47.0)
○17:30   2月独製造業PMI速報値(予想:56.5)
○17:30   2月独サービス部門PMI速報値(予想:46.5)
○18:00   2月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:54.3)
○18:00   2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:45.9)
○18:00   12月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:30   2月英製造業PMI速報値(予想:53.2)
○18:30   2月英サービス部門PMI速報値(予想:41.0)
○22:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30   12月カナダ小売売上高(予想:前月比▲2.5%/自動車を除く前月比▲2.0%)
○23:45   2月米製造業PMI速報値(予想:58.5)
○23:45   2月米サービス部門PMI速報値(予想:57.6)
○23:45   2月米総合PMI速報値
○24:00   1月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.5%/年率換算661万件)
○24:00   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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