★日経平均株価:短期的過熱感から利益確定売り優勢
NYダウが連日で最高値を更新し、リスク選好の地合いから寄り付き直後に30500円台を回復した。しかし、短期的な過熱感への警戒もあり、徐々に値を消しマイナス圏に沈む動きとなった。主力銘柄を中心に利益確定売りが優勢となったものの、ファーストリテーリングが踏み上げの様相を呈し、この1銘柄だけで日経平均を支える格好となった。ファーストリテーリングは、空売り筋が高額な逆日歩に耐えられなくなり買い戻す『逆日歩攻め』によって買い戻しが活発化したとの見方もある。結局、前営業日比56円安の3万0236円と続落して終了した。2月第2週の海外投資家は3451億円の買い越しとなり2週連続となった。
★東京外国為替市場:手掛かり材料難から105円台後半でもみ合い
ドル/円は、米長期金利低下を眺めたドル売りに押され、105.70円付近まで下落した。しかし、前日に発表された1月米小売売上高や1月米生産者物価指数などの経済指標が予想を大きく上回り、米景気回復への期待が高まっていることから、下値を追う動きは限られた。その後、国内輸入企業のドル買い・円売りや低下していた米長期金利の持ち直しに支えられ、105.85円付近へ値を戻した。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、105.80円台を中心とした狭いレンジでの取引が続いた。今晩の米株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気から、積極的な売買は手控えられた。ユーロ/ドルは、1.2040度dる前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。
★金ETFGLD)から資金大量流出:過去1ヵ月間で26億ドル超
17日の米国市場で金価格に連動するSPDRゴールド・シェアーズ(GLD)から資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば2億1864万ドルの流出となり、これで過去1ヵ月で26億ドル超の流出を記録したことになる。この日の米国市場でGLDは4日続落し、前日比1.13%安の166.33ドルで終了した。米長期金利の上昇基調を受けて年明けからGLDは軟調な展開が続いており、一時は20年7月1日以来、7カ月半ぶりの安値水準まで下げた。GLDには米金融緩和の長期期待で過去1年で113億ドルの資金が流出しており、引き続き反動に伴う流出が警戒される。
★サウジが4月以降原油増産する可能性も
米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、サウジアラビアは向こう数カ月に原油生産量を増やす計画である。政府顧問らが明らかにした。最近の大幅な減産からの方向転換となり、価格回復に自信を深めている様子がうかがえる。サウジは先月、原油相場の下支えのため2、3月に生産量を日量100万バレル減らすと宣言し、市場では驚きが広がった。しかし、政府顧問らによると、サウジは足元の価格回復を踏まえ、3月の石油輸出国機構(OPEC)総会で減産を打ち切る方針を伝える考えである。増産は4月以降となる見込み。政府顧問らは、状況が変われば増産計画も変更する可能性があるとして注意を促した。また政府顧問やOPEC関係者への取材によると、サウジ政府はまだこうした意向をOPECに伝えていない。
★トルコ中銀の金融政策に注目が集まる:予想は17%の据え置き
日本時間20時にトルコ中銀が発表する金融政策が注目される。政策金利は1月に続き17%で据え置きが大方の予想である。ポイントは、声明で引き締めスタンスの長期化・強化を確認できるかである。アーバル中銀総裁はこれまでも『予想以上にインフレが上昇する兆候があれば、速やかな利上げを含めて市場に先回りして動く」と述べており、早期利上げを躊躇しない姿勢が示されてもおかしくはない。エルドアン大統領からの金利引き下げ圧力にも屈せず、中銀が独立性の維持を貫くことができれば、リラが上値を試す局面となる可能性もある。ただ、もし声明にこれといった変化がない場合は、一旦は調整売りとなる可能性も残る。なおエルドアン大統領は昨日、新型コロナウイルス感染を抑制するために実施している制限措置を3月から緩和させる方針を示した。1日から学校を再開し、その後も正常化に向けた制限の解除が順次行われる。大統領は、具体的な内容は近日中に発表するとしている。
★南アのラマポーザ大統領の施政方針演説に注意
経済指標では消費者物価指数(CPI)は市場予想に沿ったもので反応は限られたが、小売売上高は市場予想を上回ったことはランドの下支えになった。引き続きコモディティ価格に連れた動きが続いている。本日も同様な値動きになりそうだが、注意をしなくてはならないのは本日の夜にラマポーザ南ア大統領が施政方針演説を行うことである。多くのサプライズはないとは思われるが、予期せぬ発言には注意する必要はある。
★予想外に好調な米1月小売売上高
商務省が発表した1月小売売上高は前月比+5.3%と、昨年9月来のプラスに転じた。伸びは予想+1.1%を上回り6月来で最大を記録した。変動の激しい自動車を除いた小売売上高は前月比+5.9%と、伸びは6月来で最大になった。昨年末に成立した9000億ドル規模の追加経済対策の一環の政府による国民への現金供給が奏功した。家電製品への支出が14.7%増と項目別では最大の伸びを示した。そのほか、在宅勤務が続いたため家具や住宅関連への支出も目立ち12%増となった。オンラインストアでの支出は11%増となった。パンデミックによる外出規制で落ち込みが激しかったレストラン関連でさえ6.9%増となった。ガソリンスタンドでの支出は4%増。大幅な上昇は、パンデミックにより、季節調整が困難となったことも背景となっている模様である。
★米FRBは当面の金融緩和維持の方針を再表明:米長期金利上昇基調後退
米国では、インフレの上昇や速やかな回復で、一部投資家はFRBによる金融緩和の出口戦略の実施が早まるとの見方を強め始めた。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)は本年初めて開催された1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨において、依然目標達成には程遠く、資産購入策の縮小協議を開始するのは時期尚早との考えで、当面金融緩和の維持が必要との方針を再表明した。最近のインフレの上昇は世界的に数十年にわたったディスインフレの状況の中、パンデミックがさらにデフレの要因となったことへの反動に過ぎず一時的との見方を変えていない。市場が警戒していたテーパリンは現状では程遠いことを強調している。
★欧米市場イベント
○17:30 1月スウェーデンCPI(予想:前月比▲0.4%/前年比1.5%)
コア指数(予想:前月比▲0.3%/前年比1.5%)
○20:00 トルコ中銀、政策金利発表(予想:17.00%で据え置き)
○20:00 サンダース英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:30 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(1月21日分)
○22:00 ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:30 1月米住宅着工件数(予想:165.8万件、前月比▲0.5%)
○22:30 1月米建設許可件数(予想:167.9万件、前月比▲1.4%)
○22:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:76.5万件/441.3万人)
○22:30 1月米輸入物価指数(予想:前月比1.0%)
○22:30 2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:20.0)
○24:00 2月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲15.0)
○24:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○19日01:00 EIA週間在庫統計
○19日01:00 1月ロシア失業率(予想:6.0%)
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