FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:高値警戒感からの売り優勢

16日までの2日間で日経平均は1000円近く上昇しており、高値警戒感から売り優勢となった。売り一巡後に下げ渋る場面はあったが、値がさ株が軟調な値動きとなり、相場の重石となった。国内では、今日から医療時従事者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、ワクチンの普及を見据えた出遅れ株の物色が中心になった。結局、前営業日比175円安の3万0292円と3営業日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:高値警戒感から利食い売り優勢

ドル/円は、米長期金利の急上昇で日米金利差拡大が意識される中、106.22円付近まで上昇して昨年9月11日以来のドル高・円安を付ける場面があった。しかし、東京市場では高値警戒感から利食い売りなどに押される展開となり、106円を割り込んで105.90円付近へ下落した。東京市場では久しぶりに106円台へ乗せたことで、国内輸出企業によるドル売り・円買いも継続的に観測された。午後に入っても軟調地合いは続き、米長期金利の上昇一服を眺めてさらにドル売り・円買いが進み、105.84円付近まで下落した。ただ、NY時間に発表される1月米小売売上高や米FOMC議事要旨を前に、下値を追う動きは限られた。ユーロ/ドルは、1.2090ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀のタカ派姿勢がリラの支え

信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)をみると、昨日もトルコ5年物国債CDSは280台で推移した。11月初旬(アーバル中銀総裁やエルバン財務相の就任前)の530台から大きく水準が低下しており、トルコ金融市場への信頼度が増す中で外国からの資金流入はまだ暫く続く可能性がある。また、大統領サイドからは高金利をけん制する発言がでているにもかかわらず、トルコ中銀が18日の金融政策決定会合でタカ派姿勢を強めることへの期待感もリラの支えとなる。

 

南アでは1月の消費者物価指数が公表:結果次第では政策金利に影響も

ここ最近のランドの値動きはファンダメンタルズを基本的に無視していることで、非常に難しい相場状況である。昨日もプラチナ価格が2014年9月以来の水準まで上昇したことで強含んだが、これらのコモディティの値動きに連れる相場が続きそうである。本来ならば、本日発表される1月の南アフリカ消費者物価指数(CPI)や12月の小売売上高の経済指標に連れて動くと思われる。特にCPIは南ア準備銀行(SARB)の目標としている前年比3-6%の間に収まるかが注目される。市場予想は前月比0.4%/前年比3.2%増の予想だが、もし予想を下振れした場合はSARBの利下げ圧力が増す可能性がある。

 

猛烈な寒波の影響はメキシコ北部にも

米南部テキサス州を襲った猛烈な寒波は、国境を挟んだメキシコ北部にも影響を及ぼし、一時は470万世帯で停電が発生したと伝わっている。現在はかなり復旧が進んだようだが、こうした停電の影響で米国では石油精製施設が閉鎖されるなどの被害も出たことから、メキシコ側の産業活動に対する影響も気になるところである。

 

好調なNY連銀製造業景気指数の結果を受け景気期待広がる

米2月NY連銀製造業景気指数は12.1と1月3.5から予想以上に上昇し、9月来で最高となった。ニューヨーク州の企業は今後6カ月の状況も楽観視している。地区連銀は設備投資計画の拡大が目立つと指摘した。調査によると雇用の拡大も継続している。また、価格の上昇も際立った。仕入れ価格は57.8と、1月の45.5から上昇した。6カ月平均の37.1も上回った。販売価格は23.4と15.2から上昇。それぞれ2011年5月来で最高を記録した。他の地区連銀指数に先立ち発表されたNY連銀製造業景気指数の結果を受けて、期待が広がった。ウイルス収束が見られず消費が滞る中、製造業が米国経済の成長をしばらくけん引していく可能性がある。

 

米景気回復期待から米長期金利はほぼ1年ぶりのレベル

長期金利が1.3%台を付けるのは2020年2月27日以来で、米国でコロナ感染者が急増する直前にあたる。2020年夏には0.5%程度まで低下していたが、景気回復期待とともに徐々に上昇し、21年に入って上げが加速した。米国のコロナ新規感染者数は足元で1月のピークと比べて6割以上減っており、市場では今春以降の経済再開の期待が強まっている。バイデン政権は1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策の成立に向け、強気の交渉を続けており、『国民への現金給付やサービス産業での再雇用によって個人の購買力は急回復する』との予想が増えている。

 

米国市場では1月小売売上高が公表

12月実績は-0.7%に落ち込んだ。ウイルス感染の再拡大を警戒して個人消費はさえない状況が続いているが、1月については反動増が予想されており、やや高い伸びとなる見込みである。

 

欧米市場イベント

○16:00   1月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.4%/前年比0.6%)
○16:00   1月英CPIコア指数(予想:前年比1.3%)
○16:00   1月英小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.4%/前年比1.3%)
○17:00   1月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比3.2%)
○19:00   12月ユーロ圏建設支出
○20:00   12月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲3.5%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   1月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比0.9%)
○22:30   1月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比0.9%)
        食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.1%)
○22:30   1月米小売売上高(予想:前月比1.0%/自動車を除く前月比1.0%)
○23:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23:15   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○23:15   1月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
          設備稼働率(予想:74.8%)
○24:00   12月米企業在庫(予想:前月比0.5%)
○24:00   2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:83)
○18日01:00   ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○18日03:00   米財務省、20年債入札
○18日04:00  米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月26日-27日分)
○中国(旧正月)、ブラジル(カーニバル)、休場

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