★日経平均株価:上昇スピードへの警戒感による利益確定類
直近3日間の戻りが1000円を超え、スピードが速かったことから警戒感が生じ、利益確定や、やれやれの売りが先行した。日経平均株価は前場を通してマイナス圏での一進一退の値動きが継続した。市場では、当然の調整と言え、全体としての流れには変化はなく、今後も好業績を織り込む動きが続くとみている。香港や韓国等のアジア株が大幅安となり等しか心理が悪化し割高なグロース株注視に利益確定売りが優勢となった。結局、前営業日比304円安の2万8341円と4日ぶり反落して終了した。1月第4週では海外投資家が2週連続の748億円の売り越しとなった。
★東京外国為替市場:米長期金利上昇からドル買い優勢
ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、105.08円付近まで上昇した。米長期金利が上昇し、日米金利差が拡大したこともドル買い要因になった。午後に入ってもこの流れは続き、一時105.19円付近まで上昇して、昨年11月以来となるドル高・円安をつけた。ユーロやポンドなどの欧州通貨に対するドル高が波及した面もあった。ユーロ/ドルは、アジア株安や米株価指数先物の下落を背景にユーロ売り・ドル買いが進み、1.2010ドル台へ下落した。レモンド次期米商務省長官が『ファーウェイを禁輸リストから除外すべきではない』と発言、米中対立激化が再燃するとの警戒感が広がったことも、基軸通貨で流動性が高いドルを確保する動きにつながった。
★南アランドは材料不足から7円前後でのもみ合い予想
レベル3のロックダウン規制継続も、内容は大幅緩和されたことによるランド/円の買いの勢いも長くは続いていない。観光業界は緩和に対しては好意的なコメントを発表しているが、南アの変異株の悪影響が響き、規制が緩和されても観光業は当面浮上するのが難しいとしている。他の産業ではレストランなどの飲食は好感しているが、規制緩和での買いも一段落してしまったような動きである。本日のランド/円も、南アからは経済指標など発表予定はなく、7円前後でのもみ合いが予想される。
★トルコ中銀の金融政策決定会合に注目集まる
昨年11月から12月にかけてトルコ中銀が実施した大幅利上げの効果は今のところ見受けられない。消費者物価指数(CPI)の先行指標ともされる生産者物価指数(PPI)も1月は+26%台と1年9か月ぶりの水準まで上昇した。トルコ中銀は下げ渋る食料品・農産物価格の調査するため新たな部署を設立しインフレ対策を更に進める方針を示したが、具体的な影響力がどの程度あるのかは未知数である。市場の目は今後、18日のトルコ中銀金融政策決定会合に向かうことになる。懸念されることは、エルドアン大統領が新憲法作成に動き出したことである。大統領の権限強化も盛り込まれることは確かであり、そうなれば、トルコ中銀の独立性が保たれるかが危惧される。また、権限集中による構造的な硬直化でトルコ経済に歪みができ、持続的な成長の足かせとなる可能性もある 。
★メキシコ成長率は世界恐慌以来の落ち込み
メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)は1月29日、2020年の実質国内総生産(GDP)が前年比で8.5%減になると発表した。約90年前の世界恐慌以来で最大の落ち込みとなり、特に第2次産業は10.2%減と大幅に悪化した。新型コロナウイルスの感染拡大によって工場などの稼働が停止した結果、主力の自動車製造業が振るわなかった。もっとも、年間GDPはメキシコ銀行(中央銀行)の予測(9%減)よりは強い内容となっている。感染抑制のための経済活動規制によって深刻なダメージを受けた上半期から一転、経済活動が徐々に再開されたことで7-9月期は12%増、10-12月期は3.1%増とそれぞれプラス成長となり、年間での悪化を和らげた格好である。
★『ゲームストップ』乱高下に一服感
米国株市場でゲームストップ株の極端な乱高下に一服感が出ている。ヘッジファンドの買い戻しが一巡したほか、個人投資家の投機的な売買も減り、売買代金はピークから8割ほど減った。ただ、乱高下が再発するリスクは拭えず、相場操縦や取引制限を巡る議論が金融当局で広がっている。3日のゲームストップ株の値幅は前日比で6%安~25%高だった。通常なら乱高下だが、ゲームストップ株は最近、前日比2倍や80%安を繰り返していただけに『ひとまず収束に向かいつつある』(株式ブローカー)。3日の売買代金は前日比52%減の41億ドル(約4300億円)で、ピークだった1月27日と比べると87%減った。
★米IT企業大手では好業績相次ぐ
新型コロナウイルスの流行で多くの業界が打撃を受ける中、米IT大手の好調な業績がひときわ目立っている。2日までに発表された2020年10~12月期決算で、『GAFA』(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)などが相次いで過去最高の売上高や純利益を計上した。コロナ禍で加速する社会のデジタル化を追い風に、急速な成長を続けている。
★米国市場では5日に1月雇用統計が公表
雇用統計との相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の1月分は前月比+17.4万人と、12月▲7.8万人からプラスに改善した。12月分も▲12.3万人から▲7.8万人へ上方修正された。12月は新型コロナウイルス第3波の影響でカリフォルニア州などで外出規制が再び強化されたため企業の雇用削減に拍車をかけ、パンデミック危機の影響で経済封鎖が始まった4月来の雇用減少に落ち込んだ。米国経済の7割を消費が占めるため注目されていたISM非製造業指数1月分の雇用は55.2。12月に48.7と50を割り込み活動の縮小を示したのち再び拡大に回復した。労働省が発表する1月雇用統計でも雇用者数がプラスに改善する可能性を示唆している。
◆市場エコノミスト予想失業率:6.7%(12月6.7%)非農業部門雇用者数:前月比+8.8万人(-14万人)民間部門雇用者数:前月比+10.5万人(-9.5万人)平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+5.0%(+0.8%、+5.1%)
★欧米市場のイベント
○15:45 1月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲18.5)
○18:30 1月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.9)
○19:00 12月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比1.6%/前年比0.3%)
○21:00 英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.10%で据え置き、資産買取プログラムは8950億ポンドで据え置き)
○21:00 MPC議事要旨
○21:00 英中銀、金融政策報告書
○21:20 デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:30 1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 10-12月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比▲2.8%)
○22:30 10-12月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比4.0%)
○22:30 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:83.0万件/470.0万人)
○24:00 12月米製造業新規受注(予想:前月比0.7%)
○5日03:00 カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○5日04:00 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
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