FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ネット証券が取引規制強めたことでリスク選好の買い

NYダウは300.19ドル高の30603.36ドル、ナスダックは66.56ポイント高の13337.16ポイントで取引を終了した。前日に今年最大の下げ幅を記録したことで、短期的な戻りを期待した買いが入った。個人投資家の投機的な売買で乱高下している一部銘柄に対し、ネット証券が取引規制を強めたことで、市場に安心感が広がったことも相場の押し上げ要因。NYダウは一時640ドル超上昇する場面があった。
 米ネット証券ロビンフッドはGameStopやAMCなどの取引を制限すると発表した。すでに保有している持ち高の処分のみの取引に制限し、新規の売買は停止した。オプションなどの取引に必要な証拠金の比率も引き上げた。VIX指数は37.21から30.21へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク回避後退で全般ドル売り優勢

ユーロ/ドルは、欧州市場では、欧州株相場が下落して始まったことを受けて、リスク回避のドル買いが先行し一時1.2081ドルと日通し安値を付けた。ただ、NY市場に入ると一転上昇した。NYダウ先物が大幅に上昇したうえ、軟調に推移していた欧州株が持ち直したことを受けて、投資家のリスク回避姿勢が緩和した。全般ドル売りが優勢となった。目先上値の目処として意識されていた昨日NY時間の戻り高値1.2129ドルを上抜けるとストップロスを巻き込んで一時1.2142ドルまで上値を伸ばした。もっとも、買い戻し一巡後は新規材料難から次第に値動きが細った。なお、前日に今年最大の下げ幅を記録したNYダウは反発した。『個人投資家の売買で株価が乱高下しているGameStopやAMCなど一部銘柄の取引をネット証券が規制した』と伝わると、投機的な動きが弱まるとの見方から投資家心理が改善した。NYダウは一時640ドル超上昇する場面があった。 

 

ドル/円は、クロス円の上昇につれた買いが先行し一時104.46円と昨年12月10日以来の高値を付けたものの、対欧州通貨などでドル売りが強まると104.16円付近まで押し戻された。市場では『104.50-80円には断続的に売り注文が観測されている』との声が聞かれた。なお、10-12月期米国内総生産(GDP)速報値は前期比年率4.0%増と市場予想通りの結果となったが、個人消費やコアPCEは予想を下回った。12月米新築住宅販売件数も予想より弱い内容となった。 

 

NY原油先物市場は反落:原油需要の復調への不透明感から上値重い

NY原油先物市場は52.20ドル-53.58ドルのレンジ相場となった。米国株は急反発となったが、新型コロナウイルスの対応としての米追加経済対策の決定時期やワクチン普及に関する不透明感が残る状態となった。経済回復によるエネルギー需要の復調を確信しきれない部分もあり、原油相場の上値を重くした。ニューヨーク市場の序盤にかけて53.58ドルまで買われたが、不安定な米国株式相場やドル高継続を意識して原油先物は52.20ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引で下げ幅はやや縮小したが、52ドル台半ば近辺で上げ渋った。 

 

NY金先物市場は6営業日続落:上値の重さは払しょくされず

NY原油先物市場は1835.60-1867.00ドルのレンジ相場となった。ドル安を支援に1週間ぶりの反発でスタートしたが、ドル急落を受けた急激な反発局面では戻り待ちの売りも入って上昇幅を帳消し。上値の重さが嫌気されマイナス圏へ沈んだ。アジア市場で1835.60ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1867.00ドルまで反発したが、米長期金利の反発や不安定な米国株式を意識して金先物の買いは縮小した。安全逃避的なドル買いは一服したが、金先物の上値の重さは払しょくされなかった。

 

米国債券市場は反落:リスク回避の動き後退で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.04%で終了した。米国株市場で個人の投機売買に対する警戒が和らぎ、米国株相場が反発した。相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

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