FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:明確な方向性を欠く展開で推移

米国株は前週末には下落したもののNYダウ先物が堅調となり、日経平均は終始強含み地合いの展開となった。ただ、明確な方向性は感じられず、一気に高値を取りに行くような動きにはならなかった。今週から3月期企業の第3四半期決算発表が本格化する日本の株式市場も決算への注目度が高まる。大引け間際に買いが強まった。結局、前営業日比190円高の2万8822円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:株価の動向を睨みながら103円台後半でもみ合い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、103.89円付近まで上昇した。日経平均の上げ幅が100円を超えたことも、リスク選好の円売りを誘った。しかし、バイデン米政権が打ち出した大型経済対策の早期成立に対する期待がやや後退しているため、上値を追う動きには限られた。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いに押されて103.75円付近へ下落した。午後は、日経平均やアジア主要株価の動向を睨みながら、103.70円を挟んでもみ合う展開になった。ユーロ/ドルは、夕方に予定されているラガルドECB総裁の講演や1月独IFO景況感指数を控えて上下に動きにくく、1.21ドル台後半で小幅な値動きに終始した。

 

欧州要人からのユーロ高への言及に要警戒

先週の欧州中央銀行(ECB)理事会では、ユーロ高に対する牽制はなかったものの、ラガルドECB総裁は『為替レートの動向が中期的なインフレ見通しに与える影響について引き続き注視していく。全ての政策手段は調整可能で、いかなる選択肢も排除されていない』と警戒感を示していた。本日も、ラガルドECB総裁、パネッタECB専務理事、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、バイトマン独連銀総裁の講演で、ユーロ高への言及に要警戒となる。

 

トルコはギリシャとの協議と米国との今後の関係が注目

25日にイスタンブールで開催されるトルコ・ギリシャ協議も注目材料である。両国間の海域(エーゲ海)問題の解決に向けた土台となる協議は2002年に始まり、今回は約5年ぶり61回目となる。歴史的な経緯からこれまでの60回は一進一退だったが、欧州連合(EU)は久しぶりの協議再開への期待感を表明している。トルコとしても、経済的に結びつきが強いEUとの関係改善のきっかけにしたいところである。ただ、協議内容に対する両者の思惑の違いが報じられており、双方の溝はそう簡単には埋まらないかもしれない。
トルコと米国の今後の関係だが、米国側でカギとなる人物の1人・国務長官に指名されたアントニー・ブリンケン氏が先日、承認公聴会に臨んだ。同氏は、トルコのロシア製ミサイル配備は北大西洋条約機構(NATO)同盟国として容認できないと述べながらも、更なる制裁に関しては慎重な姿勢を示した。ただ、トルコは同盟国としての役割を十分に果たしていないとも発言しており、バイデン新政権が前政権よりも強硬な態度でトルコに臨む可能性はまだ残っている。

 

南アランドはネガティブ要素も多く上値の重石

ウイルス感染による景気悪化に備えた利下げ論も出ていたが、先週発表された消費者物価指数(CPI)では食品価格が前年比で7%以上上がり、他の日用品やガソリンなども上昇傾向にあることで、南ア準備銀行(SARB)の利下げ論が後退したことでランド/円を下支えする。しかしながら、中長期的にはウイルスのワクチン確保のために増税が議論され、感染を抑えるロックダウンにより企業が人員削減に走るなど、ネガティブな要素も多い。

 

バイデン政権はパンデミック集束を見極め増税実施

米上院指名承認本会議でイエレン財務長官の採決を予定している。イエレン氏は上院指名承認公聴会での議員の質問への返答書の中で、バイデン政権の給与税や法人税の引き上げ計画を明確にしたほか、議会と協力し中国などへの為替操作に対処していく方針を示している。バイデン政権は、年末、パンデミック終息を見極め増税実施の構えである。トランプ前大統領が21%まで引き下げた法人税は28-35%とオバマ政権の水準まで再び引き上げられる見通し。給与税は年収40万ドル以上の国民対象に引上げを予定しており、経済への影響が懸念される。

 

トランプ前大統領の弾劾裁判で有罪望むが過半数

米連邦議会議事堂襲撃事件を巡るトランプ前大統領の弾劾裁判について、最新のロイター/イプソン世論調査ではトランプ氏の有罪と公職資格剥奪を望む人が全体の過半数を占めた。20日、21日に実施した調査によると、トランプ氏を議事堂襲撃における『反乱扇動』で有罪とすべきだと答えたのは51%、無罪判決を決めたのが37%、「分からない」が12%だった。また、将来公職に就くことを禁止するのに賛成は55%、反対は34%、「分からない」は11%だった。上院がトランプ氏の有罪を認定しても、公職資格を剥奪するには改めて採決を行う必要がある。

 

欧米イベント

○17:45   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18:00   1月独Ifo企業景況感指数(予想:91.4)
○19:45   パネッタECB専務理事、講演
○22:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:45   バイトマン独連銀総裁、講演
○26日01:00   12月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲3.0%)
○26日02:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○26日03:00   米財務省、2年債入札
○世界経済フォーラム「ダボス・アジェンダ」(オンライン、29日まで)

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