FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米追加経済対策への期待が相場を下支え

NYダウは8.22ドル安の31060.47ドル、ナスダックは56.52ポイント高の13128.95ポイントで取引を終了した。下院がトランプ大統領の弾劾手続きに入り政局不安に寄り付き後下落した。12月消費者物価指数(CPI)でインフレの急伸が見られず連邦準備制度理事会(FRB)が長期にわたり大規模緩和を維持するとの見方が強まった。また、バイデン次期大統領が明日発表する追加経済対策への期待が相場を支えたものの、高値警戒感から景気敏感株に利食い売りなどが出たため小幅に下げた。もっとも、米経済対策発表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演などを控えて、様子見気分も強く大きな方向感は出なかった。VIX指数は23.33から22.21へ低下した。

 

NY外国為替市場:伊政局不安が高まりユーロが不安定に

ユーロ/ドルは、欧州各国で新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)延長や制限措置強化が相次いで実施されており、景気への悪影響が懸念され一時1.2140ドルと日通し安値を付けた。また、イタリアのレンツィ元首相が党首を務める『イタリア・ビバ』出身の閣僚らが辞任したことを受けて、レンツィ氏は連立政権からの離脱を表明。伊政局不安が一段と高まりユーロ売りを誘った。ただ、レンツィ氏が解散総選挙の可能性を否定したほか、『コンテ首相の今後の対応次第では、コンテ氏が率いる政権に再び参加する可能性』を示唆したためユーロ売りはひとまず一服した。

 

ドル/円は、対ユーロ中心にドル買いが進んだ流れに沿って、一時104.00円付近まで上昇したものの、同水準に観測されている売りをこなすことが出来ず失速した。米長期金利の低下も相場の重しとなり、一時103.75円付近まで下押しした。もっとも、NY市場では値幅25銭程度の狭いレンジ取引に終始した。なお、米10年債利回りは一時1.0713%前後まで低下した。前日の10年債入札に続き、本日実施された30年債入札も好調だったことを受けた。米連邦準備理事会(FRB)の一部高官から債券購入のテーパリング期待を鎮静化させるような発言が伝わったことも米金利低下につながった。ブレイナードFRB理事はこの日の講演で『FRBの資産購入ペースはかなりの期間、現行水準に維持される』と述べたほか、『正当化されると判断すれば、FRBは資産購入額を増やす用意がある』との見解を示した。

 

NY原油先物市場は7日ぶりに小反落:欧米のウイルス感染拡大を嫌気した売り

NY原油先物市場は52.58ドル-53.93ドルのレンジ相場となった。欧米におけるウイルス感染拡大などを嫌気した売りが入ったほか、為替市場でドル高・ユーロ安が進み、ドル建ての原油に割高感が生じ、約11カ月ぶりの高い水準まで上昇した原油は利益確定売りが優勢となった。ただ、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で、原油在庫が324.8万バレルの取り崩しと予想以上に減少したことが下支えとなり、下値は限られた。 

 

NY金先物市場は反発:大型財政出動期待から買い優勢

NY原油先物市場は1849.10-1863.00ドルのレンジ相場となった。バイデン次期大統領が14日にも経済対策方針を発表する予定で、大型財政出動期待が金の買いにつながった。また、米長期金利の低下も金の買いを後押しした。アジア市場で1863.00ドルまで買われた後、ロンドン市場の序盤にかけて1849.10ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて一時1861.80ドルまで戻した。

 

米国債券市場は続伸:好調な入札結果を受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.08%で終了した。前日の10年債入札に続き、本日実施された30年債入札も好調だったことを受けて買いが広がった。米連邦準備理事会(FRB)の一部高官から債券購入のテーパリング期待を鎮静化させるような発言が伝わったことも債券買いにつながった。利回りは一時1.0713%前後まで低下した。 

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