FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:ウイルス異変種が米国内にも存在する可能性を嫌気

NYダウは200.94ドル安の30015.51ドル、ナスダックは65.40ポイント高の12807.92ポイントで取引を終了した。議会が追加経済対策を可決し法案成立が確実になったことは好感されたが、12月の消費者信頼感指数が予想外に大幅悪化したほか、11月中古住宅販売件数も前月から減少し景気回復に懸念が広がり寄り付き後、下落した。疾病管理予防センター(CDC)は新型コロナウイルス変異種がすでに国内にも存在する可能性を指摘し、懸念がくすぶり引けにかけては下げ幅を拡大した。ハイテク株は堅調で、ナスダック総合指数は史上最高値を更新した。VIX指数は25.156から24.23へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシング絡みのドル買いフロー観測

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の1月独消費者信頼感指数(Gfk調査)が予想を上回ったことを受けて、一時1.2257ドルと日通し高値を付けたものの、NY勢が本格参入する時間帯に入るとドル買い戻しが優勢になった。7-9月期米国内総生産(GDP)確定値が前期比年率33.4%増と予想の33.1%増を上回り、改定値から上方修正されたことが相場の重石となったほか、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されて一時1.2152ドルと日通し安値を更新した。市場では『17日の高値1.2273ドルにかけては売りオーダーが目立つ』との指摘があった。

 

ポンド/ドルは、難航している英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉を巡り、英国は漁業権について譲歩案を提示したと伝わり、合意への期待が高まる場面もあったが、『EUは英提案を拒否した』と報じられると、交渉が決裂に終わる可能性が警戒されてポンド売りが優勢となった。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測されて、一時1.3304ドルと日通し安値を更新した。なお、バルニエEU離脱首席交渉官は『英国との通商交渉で進展があった』とEU加盟国大使に報告した。『英国は漁業権で十分に動いていない。相違を埋めることは困難』としながらも『英国が漁業権で譲歩すれば、クリスマス前に合意は可能』との見解を示した。

 

ドル/円は、ユーロやポンドに対してドル高が進んだ影響を受けたほか、7-9月期米GDP確定値が予想を上回ったことがドル買いを誘った。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローが入ると、一時103.73円と日通し高値を更新した。ただ、前日の高値103.89円を上抜けることは出来なかった。一目均衡表基準線が位置する103.82円がレジスタンスとして意識されたほか、市場では『103.90円から上の水準には国内輸出企業の売りが観測されている』との声も聞かれた。 

 

NY原油先物市場は続落:早期正常化への期待後退

NY原油先物市場は46.60ドル-47.96ドルのレンジ相場となった。英国で感染が急増している新型コロナウイルスの変異種により、欧州で海外渡航の禁止などの経済活動の制限が強化され、景気減速に伴うエネルギー需要の先行き不透明感への懸念が引き続き原油相場の重石となった。世界経済の早期正常化への期待は後退していることから、原油先物は21日に続いてさえない値動きとなった。

 

NY金先物市場は続落:ユーロ安・ドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1864.60-1889.40ドルのレンジ相場となった。安全逃避的なユーロ売り・米ドル買いが活発となったことから、金先物の上値は重くなった。安全逃避的なドル買いは継続する可能性があるとみられており、金先物は22日のアジア市場で1889.40ドルまで戻したものの、その後はユーロ安を嫌気した売りに押される展開となった。また、7-9月期米個人消費・確定値が市場予想を上回り、改定値から上方修正されたことも、ドル売りを後押しした。 

 

米国債券市場は続伸:ウイルス異変種への警戒感から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.92%で終了した。新型コロナウイルス変異種への警戒感が広がる中、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

 

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