FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:追加経済対策期待と量的緩和策の長期化観測を好感

NYダウは44.77ドル安の30154.54ドル、ナスダックは63.13ポイント高の12658.19ポイントで取引は終了した。11月米小売売上高などが予想より弱い内容となったことで、景気回復鈍化を懸念する売りが先行した。ただ、米追加経済対策への期待や米量的緩和策の長期化観測を背景に買いが入ったため、下値は限定的だった。 VIX指数は22.89から22.50へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FOMC前後でドル波乱

ドル/円は、欧州市場では一時103.23円まで売られたものの、11月9日の安値103.19円や同月6日の安値103.18円がサポートとして意識されると徐々に買い戻しが優勢になった。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を控えたポジション調整目的の買いも入った。FOMC後は米長期金利の動きにつれて一時103.91円まで上げたあと、103.40円付近まで急速に押し戻された。なお、米連邦準備理事会(FRB)は15-16日に開いたFOMCで、市場予想通りFF金利の誘導目標を0.00-0.25%に据え置くことを全会一致で決定した。声明では『米経済を支援するためにあらゆる手段を行使し、雇用最大化と物価安定という目標を促進することに全力で取り組む』と改めて表明した。国債など資産購入については、これまでの『今後数カ月にわたり保有額を増やす』から『雇用の最大化と物価の安定目標に向けて、著しい進展があるまで』との文言に変更し、新たな指針を盛り込んだ。また、政策金利見通しでは、今後3年以上にわたりゼロ金利政策が続くとの見通しが維持された。 

 

ユーロ/ドルは、良好なユーロ圏経済指標を受けて、欧州市場では一時1.2212ドルと2018年4月25日以来約2年8カ月ぶりの高値を付けた。NY市場では、米重要イベントを前に持ち高調整目的のドル買いが先行したほか、FOMC結果公表直後はドル買いが強まったため一時1.2125ドルと日通し安値を更新した。ただ、FOMC後のドル買いは一時的だったことから、引けにかけては1.2202ドル付近まで持ち直している。 

 

ポンド/ドルは、英国と欧州連合(EU)が将来関係を巡る交渉で合意するとの思惑から、ポンド買い・ドル売りが先行した。NY序盤に一時1.3554ドルと18年5月17日以来約2年7カ月ぶりの高値を付けた。ただ、そのあとは米重要イベントを前にポジション調整目的の売りが出たため、一時1.3451ドル付近まで上値を切り下げた。

 

NY原油先物市場は3日続伸:需要増加への期待残る

NY原油先物市場は47.17ドル-47.94ドルのレンジ相場となった。昨日の引け後に発表となった米石油協会(API)の原油在庫が積み増しとなったことから売りが先行した。しかし、本日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(2020/12/11 時点)で、原油在庫が-313.5万バレル(前週 +1518.9万バレル)と取り崩しとなった結果を受けて上昇した。需要増加への期待は残されており、通常取引終了後の時間外取引で47.94ドルまで買われている。 

 

NY金先物市場は小幅続伸:ドルが弱含む展開で買い優勢に

NY金先物市場は1848.20-1870.00ドルのレンジ相場となった。対欧州通貨などでドル売りが先行したことが、ドル建て金相場の支えとなった。ドル相場が持ち直した後も、米国株の失速が安全資産とされる金を買う動きを支援した。ロンドン市場で1869.50ドルまで買われた後は1860ドルを挟んだ水準でのもみ合いがしばらく続いた。FOMCの結果判明後、一時1848.20ドルまで下げたが、まもなく1870.00ドルまで買われた。

 

米国債券市場は小幅続落:米国で量的緩和長期化観測から買戻し

米国債券市場で長期ゾーンは小幅続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.92%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えてポジション調整目的の売りが先行したものの、FOMCを受けて米国で量的緩和が長期化するとの観測が強まると買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。

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