FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:NYダウ先物の底堅い展開を眺め買い優勢

新型コロナウイルスワクチンを巡り、米食品医薬品局(FDA)は緊急使用を11日に許可された。そのため、米国では14日から接種が始まる見通しで、これを受けNYダウ先物がしっかりとした動きが好感され日経平均は上げ幅を拡大した。年末のこの時期、クリスマス休暇を控えた海外投資家の動きが鈍るほか、国内機関投資家も新規のポジションを控える傾向があるため、商いが一気に細るところであるが、好地合いから個人投資家の意欲が強く、年末高を期待した動きになった。ただ、上昇一服後は短期的な過熱感や国内の新型コロナの感染拡大を警戒し、上げ幅を縮小した。結局、前営業日比79円高の2万6732円と3日ぶりに上昇して終了した。

 

東京外国為替市場:104.00円を挟んだもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢のドル買い・円売りや日経平均の反発に支えられ、104.06円付近まで小幅に値を上げた。しかし、米国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、ニューヨーク市などで経済活動が制限される見通しとなったため、上値を追う動きは限られた。その後は、FRBの低金利政策が長期化するとの思惑からドル売りも見られ、104.00円を挟んでもみ合う展開となった。午後に入っても、104.00円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。英国とEUの通商交渉を巡り先行き不透明感が強まっているため、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、夕方から参入して来る欧州勢待ちの様相を呈しており、1.21ドル台後半で小幅な値動きに終始した。

 

ドル/円の年足では5年連続の陰線の可能性高い

ドル/円は、2011年の75.55円が大底となり、翌2012年から下値・上値を切り上げる陽線になり、2015年の高値125.84円まで4年連続の陽線引けとなった。しかし、2015年のロウソク足が気迷いの『小陽線(コマ)』になった後、翌年から4年連続の陰線引けとなっている。2020年の始値が108.64円になっていることで、現状より約4.60円の円安にならなければ陰線引けになる。いよいよ、過去最長の5年連続の陰線引けとなる。

 

茶番劇続く英・EUの通商協議:ポンドの信頼感低下

日本時間13日の20時過ぎになって、BBCからはフォンデアライエン欧州委員長のかなり短めの声明がライブ中継された。『ジョンソン英首相と電話会談を行ったが、建設的な話し合いが出来た。我々には現時点で協議をまだ続ける責任がある』と共同声明を読み上げた。週末の11日には『合意の可能性は低い』とか『合意なき離脱の可能性が高い』とお互いを非難しあっていた両首脳は、13日のデッドライン当日には『建設的な話し合いが出来た』との茶番劇となった。市場では既に『12月31日が本当の期限』との物理的にも延長出来ない2020年最終日まで決着がつかないことを覚悟する向きも増えてきているが、あまりにもひどい乱高下を繰り返すうちに、ポンド自身に対する信頼感は低下する。荒い値動きを繰り返しながら、ダウントレンドになっていることとも無関係ではないのかもしれない。

 

ネガティブなニュースでも南アランドは底堅い展開継続

先週発表された7-9月期の国内総生産(GDP)は市場予想を上回った。ただし、GDPもポジティブなだけでなく、南ア統計局も『パンデミック前に戻るまでは長い道のり』としているように、1-9月のGDPは-7.9%となっている。加えて、今月から東ケープ州最大の都市であるネルソンマンデラ・ベイがウイルスのホットスポットと認められ、ロックダウンが再開されている。また、9日に6709人のウイルス新規感染者を記録したことで、南ア保健相が緊急テレビ放送で『第2波』と正式に認定した(10日は1日だけで8166人感染)。南アからはネガティブなニュースが出ているが、ランドは堅調地合いを維持している。市場がネガティブなニュースに目を向け始めるまでは、ランドはこのまま上値をトライする可能性が高い。

 

米国のトルコへの追加制裁を検討:トルコ経済への影響は限定的との見方

一部通信社は先週10日、トルコがロシアから地対空ミサイルシステムを購入し配備を進めていることに対し、米国が『敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)』に基づきトルコに追加制裁を科す準備を進めていると報じた。これまでも同様の話は出ていたが、トランプ米大統領はエルドアン・トルコ大統領との関係を重視し、慎重な姿勢を見せてきた。 今回、もし制裁発動となった場合でも、米政権移行期ということもあり、その効果には疑問が残る。トルコ側が方針を変えるとは思えず、北大西洋条約機構(NATO)同盟国内での関係悪化を招くだけということもあり得る。報道では制裁対象となるのはトルコの軍事産業のみとされており、これまでのところトルコ経済への影響は限定的という見方が多い。ただし、対象範囲が拡大されるようなことがあれば、リラにとってはネガティブ要因となる。

 

逆転狙い選挙捜査の特別検察官任命を模索:トランプ大統領

有力欧米紙であるウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ大統領がバイデン次期大統領の勝利した大統領選の結果を覆すため選挙不正疑惑を捜査する特別検察官の任命を模索している、と報じている。連邦最高裁が、訴訟を退けたことで法廷闘争による逆転の道はほぼ消滅したが、依然として別の方法を探っている。

 

欧米市場イベント

○15:30   11月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比1.70%)
○16:00   11月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   10月トルコ鉱工業生産(予想:前月比▲0.8%)
○17:00   10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○19:00   10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比1.9%/前年比▲4.2%)
○米大統領選、選挙人による投票
〇欧州議会本会議(ストラスブール、17日まで)

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