FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:東京都の感染者拡大で下げ幅拡大

前日の米国株式市場が軟調な動きとなったことに加え、ドル/円相場が104円台前半と円高に振れたことを受け、日本株市場も朝方から幅広い業種で売りが先行した。一時300円を超えるマイナスとなったが、その後は下げ渋り、下げ幅は縮小した。しかし、午後に『東京都で新たに確認された新型コロナウイルスの新規感染者数が493人と最多を更新した』と伝わると日経平均株価は下げ幅を広げた。市場では、短期間で急騰した後の健全な調整局面に入っている。今月末までは2万4500円辺りまでのレンジで調整して地固めをし、再び上昇するとの声もあった。結局、前営業日比286円安の2万5728円と3日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い強まり104円台割れ

ドル/円は、米国の新型コロナウイルス感染再拡大に歯止めがかからないことからドル売り・円買いが先行し104.04円付近まで下落した。日経平均株価の反落も、リスク回避の円買いを誘った。しかし、下値では本邦輸入勢などがドル買い・円売りに動き、104.10円前後で取引された。午後は、一部メディアが『都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに493人確認された』と報じた。この報道を嫌気して日経平均株価が急速に下げ幅を拡大すると、ドル/円は下値を模索する展開となり、104円台を割り込んだ。ユーロ/ドルは、このところ低調な米経済指標が相次いでいることから、海外勢などがユーロ買い・ドル売りを持ち込み1.1875ドルへ上昇した。

 

金のリサイクル料が8年ぶり高水準

貴金属の金のリサイクル量が急増している。国際調査期間のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると7-9月期のリサイクル量は世界全体で376.1トンと前期比で31%増加した。四半期では2012年10-12月期以来約8年ぶりの高水準となった。金相場の高止まりや経済低迷で貴金属店での消費者の売却が増加した。リサイクルは個人が持つ宝飾品などが9割を占め、パソコンやスマートフォンなど『都市鉱山』からの回収も1割程度ある。リサイクル量は年による変動も大きいが、10~19年の平均で年1300トン程度と金の供給全体の3割を占め、鉱山生産(年約3500トン)に次ぐ主要な供給源である。

 

英とEU間のFTA協議の承認作業は年内難しい

平行線が続く英国とEU間のFTA協議は、12月10-11日の欧州首脳会議までに合意に達した場合も、年内に欧州議会や加盟国議会での承認作業を終えることが既に難しくなりつつある。緊急措置として、議会承認を待たずにFTAを暫定発効する法的可能性や猶予期間の設定などが検討されている。

 

南アランドは明日の政策金利発表待ち

明日19日、SARBは今年最後のMPCを開き政策金利を発表するが、市場予想は現時点で金利据え置きが優勢となっている。消費者物価指数(CPI)が下がっていることで利下げ圧力がある反面、一部ではもしCPIが上昇した場合は実質マイナス金利となる可能性もあり、来年は利上げの可能性もあるのではと言われている。また、南アでは酒類の販売を全面解禁したのが今月からになるため、小売の回復は11月からになると思われる。

 

昨日のトルコリラ動向とインフレ懸念がリラ最大の重石

昨日リラが弱含んだ局面では、エルバン新トルコ財務相が20年の成長予測を0.3%増と述べたことが伝わった。この見通しは、アルバイラク前財務相が以前にも示し、楽観的過ぎるとされた数値と変わらなかった。経済界から不人気だった前任者をなぞっただけであり、市場の失望感に繋がった。また、米NYタイムズ紙による『トランプ米大統領がイラン攻撃を検討』との報道も、トルコ周辺域の地政学リスクの高まりが意識されてリラの重石となった。しかし、NY時間に入ると、エルバン財務相が『トルコ中銀は完全に独立している』と述べ、市場の懸念を和らげたことが支えになった。一部報道が、先週のリラ上昇局面でもトルコ国内からの外貨需要は旺盛であったと報じている。インフレ懸念が払しょくされない限りは同様の動きが続くと見込まれ、こちらもリラの反発力を弱めることになる。 

 

米上院多数派争いは1月決戦投票へ:全く異なる次期政権運営に

米大統領選と同時実施の連邦上院選(定数100)は、結果が判明していなかった南部ジョージア州の2議席がいずれも来年1月5日に決選投票となることが決まった。米主要メディアが16日までに伝えた。来年1月20日に発足する次期政権の任期4年間の行方を左右する共和、民主両党の多数派争いは、政権発足直前の年明けまで持ち越されることが確定した。大統領選は民主党バイデン前副大統領の勝利が確実になった。政権高官らの人事承認権などを持つ上院の多数派を民主党が奪還するか共和党が維持するかで、次期政権の運営は全く異なったものになる。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比0.6%)
       10月英CPIコア指数(予想:前年比1.3%)
       10月英小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.1%/前年比1.2%)
       10月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比0.4%)
○19:00   10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比▲0.3%)
○19:00   10月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.2%)
○19:30   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○20:00   9月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比▲2.3%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   10月米住宅着工件数(予想:146.0万件、前月比3.2%)
       10月米建設許可件数(予想:156.0万件、前月比1.5%)
○22:30   10月カナダCPI(予想:前月比0.2%/前年比0.4%)
○19日00:30   EIA週間在庫統計
○19日01:30   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○19日02:15   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○19日03:00   米財務省、20年債入札
○19日03:20   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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