FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:高値警戒感のなかでも続伸

前日の米国株式市場が上昇したことを受け、買い優勢の展開となり、取引時間中としては1991年6月3日以来、29年ぶりに2万6000円を回復した。ただ、これまでの上昇で高値警戒感が強くなっているため、徐々に伸び悩む展開となり、一時マイナスに沈む場面もあった。結局、前営業日比107円高の2万6014円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:104円台半ばで方向感欠くもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅縮小を眺めたドル売り・円買いが先行し、104.42円付近まで下落した。しかし、前日の海外市場で付けた104.37円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後は、新型コロナウイルスのワクチン開発に対する期待からドル買い・円売りも見られ、104.50円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台半ばで小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

保有銘柄の入れ替え:バークシャー・ハザウェイ

著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイは16日、9月末までに米ファイザーや米メルクなど医薬品株を新規に購入したことを明らかにした。一方、会員制卸売り大手コストコ・ホールセール株を全て売却したほか、米銀大手ウェルズ・ファーゴ株の保有も減らした。バークシャーは9月末時点の保有状況を、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類を通じて明らかにした。市場の注目を集めたのは医薬品株の新規購入だ。保有株にはファイザーやメルクに加え、米ブリストル・マイヤーズスクイブや米アッヴィの名前があった。バークシャーは新規投資の目的や狙いなどは開示していない。バークシャーは保有銘柄の入れ替えを進めている。5月の年次株主総会で米デルタ航空など保有する全てのエアライン株を売却したと明らかにした。

 

19日の南アのMPCを控えランドは底堅さが維持されやすい

11月19日に南ア準備銀行(SARB)が今年最後の金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利を発表する。今年すでに300ベーシス下げたこともあり、来年までは現行水準を保つとの予想が多いが、ランド高と原油安の影響もあり利下げ期待の声も出ている。また、SARBが同時に発表する今年のGDP予想は現行の-8.2%から小幅に下方修正する声も出ているが、大きな修正にはならないだろうとされている。19日までは据え置き期待が高いことでランド/円は堅調地合が維持される。

 

トルコリラの重石要因とは

トルコリラは先週の大幅上昇の反動からポジション調整の売りが散見されている。10月トルコ住宅販売が前年比16.3%減と前回6.9%減から減少幅を拡大したことも嫌気された。また、米モルガンスタンレーのエコノミストが、19日トルコ中銀会合で予想される金利引き上げ幅を150ベーシスポイント(bp)とし、先週急速に高まった大幅な利上げへの期待感(市場予想の中心は475bp引き上げ)に『待った』をかけたこともリラの重石となった。また、トルコと欧州連合(EU)の関係も依然として注視すべき材料である。トルコが人権や国際法を尊重していないとし、欧州議会は『トルコ政府への資金提供を停止』を承認した。一部メディアによれば、トルコは2014年から4年間で合計約36億ユーロをEUから受け取っていた。しかし、今年は1.6億ユーロまで制限されている。トルコとEUの溝が更に広がるようであれば、やはりリラの上値は追い難くなってしまう。

 

コロナワクチン開発進展で米経済のV字型回復期待も

世界中の製薬会社が開発中の新型コロナワクチンの最終治験でかなりの有効な結果が出ている。少なくとも来年の上半期には、大量のワクチン供給が可能になることが現実味を帯びてきた。今まで、悲観的だった国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は来年4月までに、経済が一段と正常化するだろうと楽観的な姿勢に転じた。市場関係者も米国経済のV字型回復への期待を再燃させている。①ワクチンが実用化した場合、全国的で大規模な経済封鎖が避けられる見通しが強まる。加えて、②来年1月に新政権が発足すれば自ずと追加経済対策もまとまる。また、③中国やアジアはすでに回復の勢いを増していることが見通し改善の要因となった。 モルガン・スタンレーは10年債利回りが来年末に1.45%まで上昇すると見ている。

 

米国市場では10月小売売上高が公表

9月実績は前月比+1.9%で市場予想を上回った。自動車、衣料、外食、娯楽の伸びが目立った。10日については新型コロナウイルスの感染再拡大の影響があることから、伸び率は9月実績を大幅に下回る見込み。自動車を除く数字も9月実績の+1.5%を下回ると予想される。

 

欧米市場イベント

○16:00   7-9月期ノルウェー国内総生産(GDP、予想:前期比4.4%)
○21:00   10月メキシコ失業率(季節調整前)
○22:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:15   10月カナダ住宅着工件数(予想:22.20万件)
○22:30   9月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.4%)
○22:30   9月対カナダ証券投資
○22:30   10月米小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.6%)
○22:30   10月米輸入物価指数(予想:前月比0.2%)
○23:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○23:15   10月米鉱工業生産指数(予想:前月比1.0%)
          設備稼働率(予想:72.3%)
○24:00   11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:85)
○24:00   9月米企業在庫(予想:前月比0.6%)
○18日01:00   10月ロシア鉱工業生産(予想:前年比▲6.1%)
○18日02:00   ラムスデンBOE副総裁、講演
○18日05:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○18日05:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○18日06:00   9月対米証券投資動向
○BRICS首脳会議(テレビ会議)

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