FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:急騰警戒感から個別銘柄は利益確定売り

米大統領選の結果や新型コロナウイルスのワクチンの期待が株価を押し上げる構図は依然続いた。ただ、連日の年初来高値更新となったことで、短期急騰の警戒感も意識された。買い一巡後は利益確定売りで上げ幅を縮小する展開となった。午後はNYダウ先物が軟化したことが重石となり、プラス圏とマイナス圏を行ったり来たりする展開となった。結局、前営業日比171円高の2万5520円と8日連騰して終了した。TOPIXは前営業日比で2.84ポイント下落して1,726.23ポイントで終了した。11月第1週の海外投資家は3週ぶりに3572億円の買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:本邦輸出勢からの売りで円はじり高

ドル/円は、連日で本邦輸出企業から継続的なドル売りが持ち込まれるなど、本日の頭の重い展開となった。また、NYダウ先物が軟調に推移し、クロス円が売られたことにつれた面もあり、一時105.19円まで値を下げた。ユーロ/ドルは、円絡みの取引が中心だったため、総じて1.1780ドルを挟んで方向感が出ない展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では9月ユーロ圏鉱工業生産が公表

8月実績は前月比+0.7%だった。資本財の生産は前月比1%超の減少。耐久消費財の生産の伸びが寄与した。9月については資本財の生産がやや増加する見込みだが、耐久消費財の生産増は期待されていないため、小幅な伸びにとどまる可能性がある。

 

12月ECB定例理事会での追加緩和を再確認:ユーロの上値を抑制

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁はECBフォーラムで、新型コロナウイルスワクチン開発での飛躍的前進の報道に勇気づけられたものの、ウイルスの第2波は依然経済にとり新たなリスクとなると警告した。政策当局者の課題は予防接種が広まり、自律回復の勢いがつくまでの橋渡しをすることだと、金融刺激策を当面維持する方針を示した。ECBは10月の定例理事会で市場の予想通り大規模緩和の維持を決定したほか、全金融政策の手段を『再調整する』としたことに加えて、ラガルド総裁の発言で12月理事会での追加緩和が再確認された。ユーロの上値も引き続き抑制されることになる。

 

OPECは来年の石油需要を下方修正

石油輸出国機構(OPEC)は11日公表した月報で、新型コロナウイルスの感染者増加が続いていることを理由に、来年の世界全体の石油需要回復が従来の想定より鈍くなるとの見通しを示した。来年の世界石油需要最新見通しは、日量625万バレル増の9626万バレルで、1カ月前に比べて30万バレル下振れた。7月に示された当初見通しからは700万バレル下がったことになる。需要の戻りが鈍いことで、OPEC加盟国と非加盟産油国でつくる『OPECプラス」は来年の増産計画を先送りする可能性がある。アルジェリアは11日、必要ならOPECプラスはさらなる生産抑制に動くこともあり得ると表明した。OPECプラスは11月30日-12月1日に今後の生産方針を話し合う会合を開く。

 

ラマポーザ南ア大統領は国民に向けて政府の対策について言及

昨日ラマポーザ南ア大統領は、国民に向けて新型コロナウィルスの進行状況や、政府の対策などについて発表した。その中で、今まで販売時間が規制されていたアルコール販売の規制を全面的に解除するとした。そして、470万人以上の労働者に約530億ランド支給した、臨時雇用者・従業員救済制度を終了させる方向とも述べている。この大統領演説については、様々な意見がある。南アの債務超過が深刻なことで、この流れを断ち切るためには良いとポジティブな意見もある。その一方で、欧米の感染第2波は当然同じように南アでも可能性があることで、この時点での保障打ち切りや、経済再開を懸念する声もある。

 

南アでは7-9月期の失業率が公表

4-6月期は23.3%という好結果だったが、この結果は失業しているにもかかわらず就職を諦めた、ウイルス感染を恐れて申請をしに行かなかったなどの理由から参考にならない数値である。今期は30%を超える失業率の予想となっているが、実際の失業率からのかい離があるままなので、指標での発表は難しそうである。

 

アルバイラク財務相は突然の辞任:新経済成長戦略を発表につながる

トルコで権力が集中するエルドアン大統領の娘婿であるベラト・アルバイラク氏は9日、自身のインスタグラムで財務相を辞任することを明らかにした。今回の財務相辞任の件をアルバイラク氏は大統領に事前に伝えず、ただインスタグラムに投稿しただけだった。義息の行動にエルドアン大統領は驚きを隠せず、傷心の様子を見せていたとも一部で報じられている。また、突然の辞任に対し、与党・公正発展党(AKP)内からも批判が高まった。トルコ国内でも、エルドアン家族の分裂を囃し立てる声もある。 昨日、エルドアン大統領は新経済成長戦略を発表した。義息がもたらした混乱を自身が早々に納めなければならないとの思いもあったようである。そして今後、家族の後始末のため大統領が経済政策により深く介入することも考えられる。今回の件で、トルコ経済の先行きが1人の権力者にますます委ねられることになるかもしれない。

 

米上院の決着は21年1月に持ち越し:ブルーウエーブの可能性残る

米大統領選と同時に実施した連邦議会上院選をめぐり、アラスカ州で共和党現職が勝利する見通しとなった。複数の米メディアが11日報じた。共和党は非改選を含めて50議席、民主党は48議席を固めた。残る2議席は2021年1月に行う南部ジョージア州の決選投票で決着し、上院運営の主導権争いも決まる。共和党は政府高官人事や政策に影響力を維持するため過半数の議席確保を目指しており、ジョージア州で少なくても1議席を得る必要がある。11日には共和党の有力者、マルコ・ルビオ上院議員がジョージア州に入って、共和党候補の応援演説をした。民主党はジョージア州で2議席を確保すれば、獲得議席を50に伸ばせる。上院での人事承認などでは賛否が50対50になった場合、上院議長を務める副大統領の一票で最終決定する。民主党のハリス上院議員が次期副大統領に就く見通しで、民主党が50議席を確保すれば過半数を得たのとほぼ同等の影響力を行使できる。

 

欧米市場イベント

○16:00   9月英国内総生産(GDP、予想:前月比1.5%)
○16:00   7-9月期英国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比15.8%/前年比▲9.4%)
○16:00   9月英鉱工業生産指数(予想:前月比1.0%/前年比▲6.0%)
        製造業生産高(予想:前月比1.0%)
○16:00   9月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:95.00億ポンドの赤字/8.50億ポンドの黒字)
○16:00   10月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比▲0.2%)
○17:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○17:30   10月スウェーデンCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比0.4%)
        コア指数(予想:前月比▲0.1%/前年比0.3%)
○18:50   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○19:00   9月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.7%/前年比▲5.8%)
○21:00   9月インド鉱工業生産(予想:前年同月比▲2.0%)
○22:30   10月米CPI(予想:前月比0.1%/前年比1.3%)
       エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比1.7%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:73.5万件/690.0万人)
○13日01:00   7-9月期ロシアGDP速報値(予想:前年比▲4.0%)
○13日01:00   EIA週間在庫統計
○13日01:00   カンリフBOE副総裁、講演
○13日01:45   ラガルドECB総裁、ベイリーBOE総裁、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○13日03:00   米財務省、30年債入札
○13日03:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○13日04:00   10月米月次財政収支(予想:2750億ドルの赤字)
○13日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:4.00%に引き下げ)

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