FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:政策に大きな転換がないとの楽観的な見方

NYダウは367.63d労高の27847.66ドル、ナスダックは430.21ポイント高の11590.78ポイントで取引を終了した。3日に投開票された米大統領選は4日に入っても勝敗の行方が決まらず不透明感が漂っているものの、米大統領選と同時に実施された米議会上院選では共和党が多数派を占める現状が続く見通しとなった。市場では『政策に大きな転換はなさそうだ』との楽観的な見方が広がり、株式への買いが集まった。『バイデン氏優位』との見方が広がったことも買いを促し、NYダウは一時820ドル超上昇する場面があった。また、連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を受け、連邦準備制度理事会(FRB)が当面、大規模緩和を維持するとの思惑やマコーネル上院院内総務が追加経済策を年内に取り組む姿勢を示したことも支援し終日堅調推移となった。VIX指数は35.55から29.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルは方向感を欠く展開が継続

ドル/円は、一時104.09円と日通し安値を付けたものの、10月30日の安値104.13円や29日の安値104.03円がサポートとして意識されると買い戻しが入り104.62円付近まで持ち直した。もっとも、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。3日に投開票された米大統領選は、4日に入っても勝敗の行方が決まらない大接戦となっており、市場では『ポジションを傾けにくい』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、アジア市場では一時1.1603ドルと7月24日以来の安値を付けたものの、海外市場では徐々に下値を切り上げる展開となった。欧米株価の上昇を背景にリスク選好のドル売りが入り、一時1.1746ドル付近まで値を上げた。その後の下押しも1.1680ドル付近にとどまった。米大統領選の結果については、4日に入っても大勢が判明せず、トランプ大統領が演説で一方的に勝利宣言する異例の事態となった。トランプ陣営はバイデン氏が勝利確実と伝わったミシガン州では投票結果の集計中止を求めて提訴したほか、ウィスコンシン州では票の再集計を要求。また、ペンシルベニア州については投票内容を巡り法的措置を取ると伝わった。市場では『勝敗の行方はラストベルトの3州を含む激戦州が勝敗の決め手となる』との指摘があるだけに、法廷闘争が泥仕合を加速させる可能性がある。『2000年のように長期間結果が分からない状態が続くシナリオの可能性が高まった』と先行きを警戒する声も聞かれた。 

 

NY原油先物市場は大幅続伸:原油在庫の減少から買い優勢

NY原油先物市場は37.26ドル-39.25ドルのレンジ相場となった。米原油在庫の減少を見込んだ買いが先行した。実際に在庫取り崩しが確認されたものの、ガソリン在庫や原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの原油在庫が積み増しへ転じたことから下押す場面もあった。 

 

NY金先物市場は反落:欧米株高から売り優勢に

NY金先物市場は1881.80-1917.90ドルのレンジ相場となった。米大統領選挙の開票の行方が不透明ななか、昨日までの買いの流れを維持できなかった。民主党候補のバイデン氏の勝利を織り込みつつあるものの、議会選で共和党が上院で優勢となるなど、トレンドを一方向へ強めにくい。欧米株高もあって、安全資産とされる金は売られやすかった。アジア市場で1917.90ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。ニューヨーク市場の序盤で1914.10ドルまで戻したものの、株高を意識して換金売りが再び優勢となった。

 

米国債券市場は反発:米上院選で共和党優勢との思惑から買戻し

米国債券市場で長期ゾーンは大幅に反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.14%低い(価格は上昇)0.76%で終了した。米大統領選と同時に実施された米議会上院選では、共和党が多数派を占める現状が続く見通しとなった。『ブルーウエーブ(大統領選と上下両院選で民主党がすべて勝利)』を見込み、大規模な財政出動による国債増発観測が強まっていただけに、前日までの取引を巻き戻す動きが優勢となった。 

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