FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米追加経済対策を巡る不透明感を嫌気

NYダウは28.09ドル安の28335.57ドル、ナスダックは42.28歩インtの高の11548.28ポイントで取引を終了した。10月製造業PMI速報値の改善を好感したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチン開発の進展期待などを背景に買いが入った。しかし、米追加経済対策を巡る与野党協議への不透明感から売りが出ると下げに転じた。インテルが前日発表した四半期決算を受けて、アナリストによる目標株価の引き下げが相次ぐと同社株が10%超急落し、相場全体の重石となった。VIX指数は28.11から27.55へ低下した。

 

NY外国為替市場:米追加経済対策への不透明感がドルの重石に

英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る交渉が最終盤に入る中、『フランスは英海域の漁業権について譲歩する意向を示している』との報道が伝わるとポンド買いが先行したものの、その後は一転下落した。市場では『25日まで行われる英EU交渉を見極める必要がある』との指摘があった。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された10月の独・ユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを受けて全般ユーロ買いが強まった。高く始まったNYダウが一時210ドル超下落するとリスク回避のドル買いが入り1.1825ドル付近まで下押しする場面もあったが、下値は堅かった。引けかけては再びユーロ買いが優勢となり、一時1.1865ドルと日通し高値を更新した。なお、イタリアやフランスでは日別の新型コロナウイルス感染者が過去最多を更新したものの、相場への影響は限られた。米食品医薬品局(FDA)が前日に新型コロナ治療薬として、バイオ製薬のギリアド・サイエンシズの『レムデシビル』を承認したことで、市場ではワクチン開発の進展期待が高まっている。『米日用品・医療大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は新型コロナワクチンの臨床試験(治験)を近く再開する』との報道も伝わった。 

 

ドル/円は、ポンド/ドルの下落や米国株相場の失速でドル買い戻しが進み、一時104.88円付近まで持ち直す場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値104.94円を上抜けることは出来なかった。この水準はトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染が判明して付けた2日の安値であり、重要な戻りの目途として意識される。米長期金利の低下なども相場の重石となった。 

 

NY原油先物市場は反落:需要減速懸念から売り優勢

NY原油先物市場は39.57ドル-40.92ドルのレンジ相場となった。欧米でコロナ感染の拡大が止まらず、規制強化などにより景気回復ペースが鈍化し、エネルギー需要が減退するとの懸念が重石となった。米大手石油ガス開発のベーカー・ヒューズが発表した、今週の米国内の原油・天然ガスを合わせた掘削装置(リグ)稼動数は先週から5基増加して287基となったことも、原油の上値を圧迫した。ロンドン市場で40.92ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では、リビアの輸出拡大、欧州におけるウイルス感染の増加など需要鈍化の思惑が広がり、一時39.57ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は横ばい:方向感に欠ける動きでも1,900ドル台回復

NY金先物市場は1895.20-1917.30ドルのレンジ相場となった。米追加経済対策が大統領選前の前に合意するか、それとも大統領選後に先送りされるかが不透明で、週末を控えていることもあり、方向感に欠ける動きとなった。ニューヨーク市場の序盤で1917.30ドルまで買われたが、10月マークイットサービス業PMIの改善を意識した売りが入ったことで、一時1895.20ドルまで反落した。ただ、米国株式の動向を意識した買いが入り引けにかけて1900ドル台を回復した。

 

米国債券市場では反発:週末のポジション調整の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは7営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.84%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに週末を控えたポジション調整目的の買いが入った。米追加経済対策を巡る与野党協議への不透明感も債券買いにつながった。 

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