FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米追加経済対策とワクチン早期開発期待

NYダウは113.37ドル高の28308.79ドル、ナスダックは37.61ポイント高の11516.50ポイントで取引を終了した。9月住宅着工件数の増加を好感し寄り付き後上昇した。米追加経済対策を巡る米与野党協議で民主党が設定した交渉期限を迎え、何らかの合意に至るとの期待から買いが広がった。新型コロナウイルスのワクチン早期開発への期待も相場の支援材料となり、一時370ドル超上げた。VIX指数は29.18から29.35へ上昇した。

 

NY外国為替市場:全般リスク選好のドル売り

ドル/円は、一時105.75円と日通し高値を付けたものの、12日の高値105.85円手前で失速した。米国株高に伴うリスク選好のドル売りが強まると一時105.39円付近まで下押しした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時93.00と9月21日以来約1カ月ぶりの低水準を付けた。この日発表の9月米住宅着工件数は141.5万件と予想を下回った一方、同建設許可件数は155.3万件と予想を上回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限定的だった。 

 

ユーロ/ドルは、ユーロ全面高となった欧州市場の流れを引き継いでユーロ買い・ドル売りが先行した。米追加経済対策や新型コロナウイルスワクチン開発への期待から米国株相場が堅調に推移すると、リスク選好のドル売りが加速し、一時1.1841ドルと9月21日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。ただ、一目均衡表雲の上限1.1848ドルがレジスタンスとして意識されるとやや伸び悩んだ。一時は370ドル超上昇したNYダウが引けにかけて上げ幅を縮めたこともドル売りの勢いを後退させた。米バイオ製薬モデルナの経営トップは『ワクチンの臨床試験で良好な結果が得られれば米政府は12月に緊急使用を認める可能性がある』と述べたほか、『英製薬大手アストラゼネカはワクチン治験を再開する可能性』との報道が伝わった。また、ペロシ米下院議長(民主党)はムニューシン米財務長官との会談前に『米追加経済対策巡り、まだ合意していないものの楽観している。経済には必要』と語った。なお、ペロシ氏とムニューシン氏のこの日の協議は取引終了間際に終了した。メドウズ米大統領首席補佐官は『協議で順調な前進があった』『明日午後に再度協議する』『全員が週末まで合意のため努力する』と述べた一方、『ペロシ氏は2.2-2.4兆ドル規模の提案を維持』『最大のハードルはペロシ氏』との見解を示した。 

 

NY原油先物市場は反発:ドル安・ユーロ高を好感した買い優勢

NY原油先物市場は40.46ドル-41.90ドルのレンジ相場となった。米追加経済対策をめぐる協議に注目が集まる中、ペロシ米下院議長の『米追加経済対策巡り、まだ合意していないが楽観している』との発言も好感し、合意期待がリスク選好ムードを強めた。また、米国株高に伴い原油相場も上昇した。ドル安・ユーロ高もドル建ての原油に割安感が生じ、原油価格を後押しした。ニューヨーク市場の序盤に40.46ドルまで下落する場面があったが、米国の追加経済対策を巡る協議進展への期待や株高を意識して一時41.90ドルまで上昇した。

 

NY金先物市場は小幅高:米経済対策の協議進展の不透明感から買い

NY金先物市場は1896.60-1917.60ドルのレンジ相場となった。米追加経済対策をめぐる与野党の協議に注目が集まるなか、売り買いが交錯したが、為替市場でのドル安・ユーロ高に伴う割安感で続伸した。アジア市場で1896.60ドルまで下げたが、その後反転した。そして、ニューヨーク市場では1916.00ドルまで反発した。株高を意識して金先物は一時1900ドルを下回ったが、米国の追加経済対策に関する協議が進展する可能性は低いとの理由で再度反転し、一時1917.60ドルまで買われる場面があった。

 

米国債券市場は続落:経済対策やワクチン開発期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.78%で終了した。米追加経済対策や新型コロナウイルスワクチン開発への期待から、相対的に安全資産とされる米国債が売られた。 

 

 

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