FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:配当再投資の買いも相まってプラス圏まで回復

前日の欧州株高やNYダウ410ドル高の3日続伸などを支えに先物に買いが入り、年金基金などの配当再投資の買いと相まって次第に下げ幅を縮小する展開となった。本日は9月末配当権利落ちの影響度は142.82円となった。主力の値がさ株を中心に上昇し、日経平均の上げ幅は100円に達する場面もあった。半面、米大統領選に向けたテレビ討論会に対する様子見ムードは上値を抑えた。結局、前営業日比27円高の2万3539円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:105円半ばでもみ合う展開

ドル/円は、国内輸出企業などから月末に絡むドル売り・円買いフローが持ち込まれ、105.34円付近まで下落した。しかし、前日につけた105.26円が下値の目処として意識されると、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、105.50円付近へ値を切り返した。午後は、日経平均株価の持ち直しや中国株高に支えられてドル買い・円売りが進み105.59付近までじり高となった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

南アフリカでは4-6月期の失業率が公表

昨日発表された8月卸売物価指数は、前月比+0.7%となり市場予想の前月比+0.4%を上回った。また、前年比でも+2.4%となり市場予想の前年比+2.1%を上回る結果となった。本日の注目は4-6月期の南アの失業率になる。1-3月期は30.1%まで上昇したが、4-6月期はこれまでで最悪となる35%程度まで上昇することが予測されている。仮に指標発表後の反応が鈍い場合でも、市場予想よりも悪い場合は南ア経済にとってはネガティブなことには間違いなく、いずれボディブローのように効いて来る。

 

米大統領選の初のテレビ討論会に注目:日本時間30日午前

論会の優劣情勢や直後の世論調査などで共和党のトランプ大統領が優勢となれば、今後の減税などの政策期待のほか、米大統領選でのトランプ氏敗北の場合の『居座り政治混迷』リスク後退などにより、米国の株高とリスク選好の円安、ドルの安定化が支援されやすい。民主党候補であるバイデン前副大統領は高齢が懸念材料となっており、高齢による失態などが見られると、米大統領選に向けてトランプ氏の勢いが強まる可能性もある。

一方、バイデン氏優位となった場合、米中ハイテク対立の緩和などで米ハイテク株は支援材料となる一方、先行きの増税懸念や富裕層・ウォール街叩きの思惑などが米国株には悪材料となる。同時にバイデン氏が優勢となり、トランプ氏は大統領選で敗北しても、『不当選挙』などを理由に再集計要求などの居座りを続けるリスクをはらむ。その意味で現状からのトランプ氏劣勢は、11月の大統領選後の政治混迷リスクを高めることになり、米国の株安とリスク回避の円高、ドル全面安を促す余地がある。

 

米国では再び感染者増加傾向

米ニューヨーク州のクオモ知事は28日、同州の新型コロナウイルス検査の陽性率が1.5%に上昇したと明らかにした。中西部の一部で記録している約15.0%と比較すると、依然低水準にあるものの、ニューヨーク州では数週間連続で1.0%を下回る水準まで回復していたこともあり、懸念される兆候と受け取られた。9月に入り、同州の感染者数は4.4%増加した。しかし、全米レベルでは極めて低い伸びにとどまっている。
クオモ知事によると、感染者数はブルックリンなど複数の地域で増加しており、保健当局者はこれら地域の集団感染の状況を精査しているという。また同日には、全米50州中30州で新規感染者数が増加した。週間の感染者数も27州で2週連続で増加した。

 

米9月ダラス連銀製造業指数は2年ぶり高水準

米国の9月ダラス連銀製造業活動指数は13.6と、8月8.0から予想以上に改善し2018年11月以降ほぼ2年ぶり高水準となった。4月に過去最低に落ち込んだのち5カ月連続で改善した。生産は22.3と8月の13.1からさらに上昇し、堅調。重要項目の新規受注も14.7と、8月9.8から上昇し、やはり過去最低に落ち込んだ4月から5カ月連続で回復基調にある。雇用も14.5と、8月の10.6から上昇し、順調な拡大を見せた。調査で差し引きで新規雇用が多かったと答えた企業は全体の24%、解雇が大半を占めた企業9.5%を上回ったことも労働市場にとり良いニュースとなる。6カ月先のビジネス活動見通しも28.0と、8月の20.4から上昇した。今後は、このペースでの回復が持続できるかどうかが焦点となる。

 

米国市場では9月CB消費者信頼感指数が公表

8月実績は84.8で市場予想を下回った。雇用環境の悪化や経済状況の早期改善への期待は後退したことが要因となった。9月については、雇用情勢の大幅な改善は期待できないものの、現況指数の改善が予想されることから8月実績を上回る見込みとなっている。

 

欧米市場イベント

○15:45   9月仏消費者信頼感指数(予想:93)
○17:30   8月英消費者信用残高(予想:15億ポンド)
○17:30   8月英マネーサプライM4
○18:00   9月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲13.9)
○18:00   9月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:89.5)
○21:00   9月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.1%/前年比▲0.1%)
○21:30   8月カナダ鉱工業製品価格
○21:30   8月カナダ原料価格指数
○22:00   7月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比3.6%)
○22:15   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○22:30   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:00   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○23:00   9月米消費者信頼感指数(予想:90.0)
○30日00:40   クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、討論会に参加
○30日02:00   クオールズFRB副議長、講演
○米共和、民主両党大統領候補の第1回テレビ討論会
○英国と欧州連合(EU)の首席交渉官級による第9回協議(ロンドン、10月2日まで)

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