FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:リスク回避の動き強まり下げ幅拡大

NYダウは405.89ドル安の27534.58ドル、ナスダックは221.97ポイント安の10919.59ポイントで取引を終了した。ハイテク株中心に値ごろ感が生じた銘柄などに買い戻しが入り上昇して始まった。ただ、週次新規失業保険申請件数が予想外に増加したほか、原油安が嫌気され下落に転じ買いの勢いは長続きしなかった。米上院が共和党の新型コロナウイルス追加経済対策法案の動議を否決したことや、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる先行き不透明感が投資家心理を圧迫した。VIX指数は28.81から29.71へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ユーロとポンドが主役の相場展開

ドル/円は、ユーロ/ドルが上昇したタイミングで一時105.89円と日通し安値を付けたものの、ポンド/ドルの急落を受けて円売り・ドル買いがじわりと強まると106.24円付近まで持ち直した。ユーロやポンド絡みの取引が中心となったため、ドル円自体は方向感が出なかった。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、定例理事会を開き政策金利を現行の0.00%に据え置くと発表した。市場予想通りの結果となった。ただ、ECB関係者の話として『ECBはユーロ高に過剰に反応する必要はないということで合意』と伝わると、全般ユーロ買いが先行した。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で『ユーロ相場のインフレへの影響を慎重に判断する』『ユーロの上昇については話し合った』としながらも、『ユーロ高に過剰反応する必要はない』『水準を目標(ターゲット)としていない』との考えを示すとユーロ買いが加速し、一時1.1917ドルまで上値を伸ばした。もっとも、1.19ドル台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。ポンド/ドルの急落につれたユーロ売り・ドル買いが出たほか、米国株の下落を受けてリスク・回避のドル買いも入り一時1.1810ドル付近まで下押しする場面があった。

 

NY原油先物市場は反落:原油在庫増加などを意識した売り優勢

NY原油先物市場は36.93ドル-38.18ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で、原油在庫が203.3万バレルの積み増しと予想に反して増加したことを受けて、供給過剰・需要減速懸念が再燃し、売りに押された。後半では為替相場でドル安・ユーロ高が巻き戻されたことも、ドル建ての原油の売りを後押しした。

 

★NY金先物市場は小幅続伸:ユーロ高・ドル安から買い優勢

NY金先物市場は1948.60-1975.20ドルのレンジ相場となった。欧州中央銀行(ECB)理事会やラガルドECB総裁の会見を受けて、為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金に割安感が生じ、金先物は買いが優勢となった。ただ、米国株式の反落を意識して安全逃避的な金買いは縮小した。

 

米国債券市場は反発:米国株下落からリスク回避の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)0.67%で終了した。米国株相場の下落を受けて安全資産とされる米国債に買いが入った。30年債入札が『無難だった』と受け止められ、需給悪化懸念が和らいだことも買いを誘った。 

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