FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:ハイテク株に利益確定目的売りで相場急落

NYダウは807.77ドル安の28292.73ドル、ナスダックは598.34ポイント安の11458.10ポイントで取引を終了した。米国政府が新型コロナウイルスのワクチン投与にあたり各州・地域の政府に対して11月1日までに準備するよう通達したことが好感され、小動きで寄り付いた。しかし、8月ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことが嫌気されたほか、アップルなどこれまで相場上昇をけん引してきた大型ハイテク株に利益確定目的の売りが膨らんだ。『米ネット証券のロビンフッド・ファイナンシャルが顧客の注文を超高速取引業者(HFT)に回送している事実の開示を怠っていたとして、米証券取引委員会(SEC)の調査を受けている』との報道も嫌気されて、一時1000ドル超下落した。VIX指数は26.57から33.60へ大幅上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株急落でリスク回避の円買い優勢

ドル/円は、時間外の米10年債利回りが一時0.66%台まで上昇したことが支援材料となり、一時106.55円と日通し高値を付けたものの、NY勢が本格参入すると一転売りが優勢となった。アップルなどこれまで相場上昇をけん引してきた大型ハイテク株が利益確定売りに押されて米国株相場が急落した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが広がった。米10年債利回りが0.6023%前後まで低下したことも相場の重石となり、一時105.93円と日通し安値を付けた。ただ、106.00円に観測されている買いオーダーにサポートされると下げ渋った。米長期金利が低下幅を縮小したことも相場を下支えし、引けにかけては106.19円付近まで値を戻した。

 

ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時1.1789ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.1865ドルの日通し高値を付けた。この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数は予想より強い数字となった一方、8月米ISM非製造業景気指数は予想を若干下回るなど、強弱入り混じる内容だった。

 

NY原油先物市場は続落:米国株の急落が相場の重石

NY原油先物市場は40.22ドル-41.79ドルのレンジ相場となった。昨日の流れを受け売り優勢で始まり一時40ドル前半までじり安になった。米国株が大幅に下げ幅を広げたことも上値を圧迫した。しかし、引け間際には対ユーロなどでドルが軟調になったこともあり、原油先物にも買い戻しが入り小幅な下げ幅にとどまって引けた。アジア市場で41.79ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて40.22ドルまで反落した。石油精製業者によるメンテナンスが計画されていることも、原油先物の上値は重くなった。

 

NY金先物市場は続落:換金目的の売り優勢

NY金先物市場は1927.20-1956.60ドルのレンジ相場となった。米国株式市場のオープン後は一時的に金先物が買われる場面もあったが、株価の大幅下落でオセアニア通貨やカナダドルに対してドル買いが継続されたこともあり、前日比では小幅安で引けた。株価の急落により損失補填のため、金先物を売る換金売りも出ていたとの市場の声も聞こえた。アジア市場で1956.60ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では米国株式の大幅安を受けて換金目的の売りが増えており、一時1927.20まで下げ幅は拡大した。

 

米国債券市場は続伸:米国株急落でリスク回避の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.63%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い数字となったことを受けて売りが先行したものの、米国株の急落をきっかけに一転買いが優勢となった。 

 

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