FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:主力ハイテク株が相場の支え

NYダウは66.84ドル安の27778.07ドル、ナスダックは81.12ポイント高の11210.84ポイントで取引を終了した。米国の追加経済対策を巡る与野党協議が停滞する中、第3四半期の消費鈍化懸念が広がった。また、米中対立への懸念から売りが優勢となった。ただ、7月住宅着工件数が予想を上回り経済封鎖前2月の水準を回復したほか、業績が景気の影響を受けにくい主力ハイテク株が軒並み買われ、相場を下支えした。VIX指数は21.35から21.51へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米ドルインデックス低下でドルは売られやすい地合い

ドル/円は、対ユーロ中心にドル売りが先行するとドル/円にも売りが出て一時105.25円と7月31日以来の安値を付けた。米10年債利回りが一時0.65%台まで低下したことも相場の重石となった。ただ、NY中盤以降は全般ドル売りの勢いが後退したため、次第に値動きが鈍った。新規の取引材料に乏しく、方向感が出にくい面もあった。なお、7月米住宅着工件数は前月比22.6%増の149.6万件と予想の123.7万件を上回った。新型コロナウイルス感染拡大前の水準に迫り、住宅市場の力強い回復が示されたが相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、米国の追加経済対策を巡る与野党協議が停滞する中、米景気の先行き不透明感や米中対立への警戒感を背景にドル売りが先行した。これまでレジスタンスとして意識されていた6日の高値1.1916ドルを上抜けると断続的にストップロスを誘発し、一時1.1966ドルと2018年5月以来約2年3カ月ぶりの高値を付けた。ただ、節目の1.2000ドルに接近した場面では利食い売りなどが出たためNY中盤以降は伸び悩んだ。
 米商品先物取引委員会(CFTC)が前週末発表した11日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)のユーロの対ドル持ち高は20万枚に迫り過去最大を記録。市場では『ドル安基調はしばらく変わらない。投機筋はドル売りを膨らませやすくなっている』との声が聞かれた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.13と18年5月以来約2年3カ月ぶりの低水準を付けた。 

 

NY原油先物市場は横ばい:需要増加の思惑後退

NY原油先物市場は42.40ドル-43.29ドルのレンジ相場となった。米追加経済対策で与野党の対立が続く中、米経済の早期回復への期待感が後退し、原油先物は売りが先行した。ただ、為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての原油に割安感が生じたことや、明日発表予定の米エネルギー情報局(EIA)在庫統計で原油在庫が減少するとの見方が強まっていることなどを支援材料に買い戻しが入った。ロンドン市場で43.29ドルまで買われたが、需要増加に対する期待は高まっていないことから、上値は重くなった。ただ、ユーロ高を意識した買いが入っており、42ドル台後半で下げ渋る状態が続いていた。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利低下でで2000ドル回復

NY金先物市場は1985.20-2024.60ドルのレンジ相場となった。為替市場でドル売りが止まらず、ドル建ての金は割安感から買いが優勢となった。また、米金融緩和策の長期化観測を背景に米長期金利が低下したことも、金利を生まない金の買いをあと押しした。アジア市場で2000ドル台を回復し、ニューヨーク市場の序盤に2024.60ドルまで買われた。利食い売りが増えたことで一時1985.20ドルまで反落したが、米長期金利の低下を意識して2000ドル台を回復し、金先物は底堅い動きを保っている。

 

米国債券市場は続伸:米追加経済対策の与野党協議難航で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.67%で終了した。新型コロナウイルスを巡る米追加経済対策の与野党協議が難航する中、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。米中対立激化への懸念も債券買いを誘った。 

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